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「もう走れない...」弱音を吐いた私に「走るしかない!」とあなたは叫んだ

途中まで一緒にいた友達のジブの安否が未だに分からないのに、私たちが何を経験したのかをまとめることはできません。
ジブが無事に帰ってくるまでは、終わりは来ないのです。
でも私たち2人がこうして生きていることは奇跡です。

すべてはミサイルから始まりました。相当な恐怖を感じましたが、「ミサイルが自分に落ちてくる可能性なんてない。きっと大丈夫だ」と自分に言い聞かせていました。

私たち3人は、とにかく車で逃げられる所まで逃げ、渋滞にぶつかりました。みんなも同じように逃げようとしてたからです。車が動かなかったので、怪我をしないように身をかがめ、状況が落ち着くのを待っていました。すると、周りの人たちが「テロリストがいる!」と叫んで走り始めたのです。

私たちは屠殺場から逃げ出す羊のように逃げ出し、荒野に向かって走りました。そのとき、あなた(写真の男性)は私の手を握って走ってくれましたね。

銃弾がすぐ近くを飛び交う音がし、人々が次々と倒れていきます。テロリストがバイクに乗って、私たちを殺そうと四方八方から追いかけてきました。
「もう走れない」と弱音を吐いた私に、あなたは「走るしかないんだ」と言いました。

誰かの車に乗せてもらおうとしたけれど、あなたが足を使って逃げる方が安全だと言うから、走り続けました。そのあと、私たちは走るのを止め、茂みの中に隠れてからは、ジブと離れてしまいました。

銃声が頭上で鳴り響きました。銃声がこんな大きな音を出すなんて知らなかったです。

テロリストはあらゆる方向に銃を撃ちながら、私たちの近くを通り過ぎていきました。私達はただじっと音を立てないようにしていました。すると突然、あなたが自撮りをしようとしてきて、「今そんなことするのはどうなの? 」と私はイラっとしたけど、「もしここで死んだら、残された家族にとっては、最後まで愛し合っていたことを伝える素敵な形見になるよね」と言って、私たちは写真を撮りました。

あなたは体を張って私を守ってくれました。だけど、私たちとは違う結末を迎えた他のカップルのことを考えると…

私たちが経験した恐怖は言葉では言い尽くせないし、私たちでさえまだ整理ができていない。ただ友達のジブが私たちのもとに帰ってくることを祈り続けるだけです。

アミット・B

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