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『テロリストが彼女を撃ったんだ!ここを離れろ!』

この写真はレイムのNOVA音楽祭の駐車場で撮ったもので、ロケットの発射や迎撃が行われる中、テロリストの侵入前に撮ったものだ。

ここで一体何が起きたのか、分かち合う必要性を感じている。僕自身の身にに起きたこと、瞬時の決断がどうやって生き延びたのかの事実説明になるのでそのことを分かち合い、そして、まだ家に帰れず、どんな状態にあるのかもわからない方々の無事を、心から祈っている。

僕はみんなが、ロケット弾から逃れようと一斉にシャトルバスに乗り込もうとしているところを、もう少し待った方がいいと言った。

今にして思えば、まず最初のこの判断が良かった。会場から真っ先に逃げた大勢の人々は、銃や手榴弾、さらにはRPGを持ってすべての出口で待ち構えていたテロリストたちによって、虐殺されてしまった。

少し待った後に、僕たちはシャトルバスに乗り込み、10メートルほど走ったところで、渋滞で停車せざるを得なくなり、そこでは悲鳴が響いていた。車から降りて出口道路に近づくと、4台ほど前方で女の子が地面に倒れて悲鳴をあげており、周囲にいた人たちが助けようとしているのが見えた。
僕は近寄り、彼女を介抱している男性に "何が起きたんだ?"と尋ねた。彼は"ここから離れろ!と叫んだ。

僕は彼に言い返した!”どこにも行かないよ!一体何が起きたんだよ?” 彼は目を見開き答えた。"テロリストがここにいるんだ! 彼女は撃たれたんだよ! ここから逃げろ!"

そのとき、状況は一変した。その時点まで、僕たちは誰も自分たちが直面していることを理解していなかった。弾痕のある車、破壊された車、恐怖、そして少女の悲鳴以外の恐ろしい程の静けさ。

僕たちは彼女達から7メートルほど離れた茂みの中にいて、医学生(僕たちと同じただのパーティー仲間だった)が、彼女のために全力を尽くそうとした。

この段階で僕は深呼吸をし、自分自身を機械モードに切り替えた。何故なら、この様な状況下では、冷静さと集中力だけが僕たちを救えると思ったからだ。

僕は皆に携帯をしまうように告げた。今は親や友人に状況を知らせる時ではないし、ニュースを読んでいる場合でもない。今この瞬間に命の危険が迫っているのだから、そこに集中しなければならない。

僕は、危険がどの方面から来るのか探る間、みんなにもあらゆる方面を注意深く探るように頼んだ。テロリストたちも周辺で身を隠しているのだ。

数分後、僕たちは野原に向かって走ることに決めた。ヒーローのエラドが、足に障害のある何人かの友人を緊急車両に避難させるのを助けた後に。
エラド、僕、モル、タル、そして素晴らしく勇敢な女の子たちは、銃弾が耳元で鳴り響く中、無限に広がる野原に逃げようとする何十人、後には何百人もの人々と一緒に走り始めた。

「僕たちはここから抜け出せる。みんなヒーローだよ。僕と一緒に呼吸を整えよう。規則正しく呼吸をしてストレスをためないように!」と、私はマントラのように彼らに言い聞かせ続けた。

3時間、僕たちは何百人もの人々とともに走った。
銃弾がどんどん近づいてくる3時間。
悲鳴とパニックが聞こえる3時間。

友人や家族から安否を気遣う電話がかかってきたが、出ないことにした。バッテリーを節約しなくちゃいけない。突然、母から電話があったので、母の電話には出た。余計なストレスを与えたくないので、「何も問題ない、僕たちは安全だよ」と嘘をついた。

何時間も逃げたり隠れたりして進んでいくと、遠くにテントを張っている車が見えてきた。
次の町まではあと15キロもあるし、水もなく、炎天下の中何時間も逃げ続けても、途中で何に遭遇するかもわからない。
僕は、あのテントに行こうと言い張り、友人や他の数人を説得した。

テントに向かって歩いたり走ったりしているうちに、人々が車に乗り込んで走り去り始めているのに気づいた。その日一日中を通して、僕は友人たちを死へと導いてしまったのではないかと、恐怖と絶望を感じる瞬間が幾度かあった。しかし、そんな思いを振り払い、あきらめなかった!僕は全速力で走り、走り去ろうとしている車にジャンプをしながら腕を振った。幸運なことに、一人の運転手が僕を見つけて止まり、手を振ってくれた。そのドライバーは仲間たちにも合図をして、僕たちの方に近づいてきてくれた。

僕たちは彼らに向かって叫んだ。"テロリストが僕たちを追っているんだ!助けてくれ! "と。
彼らは水を持ってきて、僕たちを落ち着かせ、車に乗せ、そこから僕たちを救助してくれた。彼らはミッドバーンの主催者だった。僕たちの面倒をよく見てくれ、自分たちが逃げる代わりに危険を冒して戻って来てくれた天使たちだ。
彼らは僕たちを近くの農場まで連れて行き、不意打ちに襲撃されないように交代で開けた野原を見張った。

その間、彼らは僕たちに食事を作ってくれ、ハグと愛情を絶やすことはなかった。
農場のオーナーは真の王子様で、僕たちに家を完全に開放してくれた。
その間、彼らは水上トレーラー付きのピックアップに乗り、同じく逃げている人々を助けるために車を走らせた。
何時間も農場にいた後、夕方になる前に、僕たちはそこに留まるのはやめようと決めた。暗闇の中でそこに残ることはもっと危険だと思ったからだ。そのまま車で家に向かい、幸運なことに、テロリストに遭遇することはなかった。

僕は夕方前に家に着き、警戒心から解き放たれ、疲れきって翌日まで寝入った。
翌日、ニュースやビデオを見て初めて、現地で起きた惨事の大きさを理解し、僕たちがいかに幸運で、僕たちに起きたことは奇跡以外の何物でもないことを理解した。

僕の心は、パーティーの参加者全員と、いまだに行方不明の友人シャローナ シュムニス ハレルを含め、行方不明の人たちとともにある。
彼らが無事に帰宅することを祈り、願っています。

モウ・S


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