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畦塗り三昧続いています

こんにちは

今年は早くも梅雨入りしましたね
ちょっと農作物の先行きが気になります

が、
どうすることも出来ないので草の管理や植え付け時期など
長い梅雨又は例年より早い梅雨明けの両方を見越して、そのちょうど間くらいで
やりすぎない程度に対応していくのがせいぜいでしょう。

お天気に一喜一憂せずに受け入れる心の余裕は欲しいものです。

先日、田んぼのワークショップを開催しました。
今回は田んぼの畦塗りと作付け線引きについてレクチャー&ワークをしました。

ということで、田んぼの畦塗りについて解説していきたいと思います。

まず、田んぼの畦塗りとはなんぞやというところからになります。


【畦塗りは何のためにやるの?】

稲は水稲栽培と陸稲栽培がありますが、今日本で栽培されているほとんどが
水稲栽培です。よく見る水の張った田んぼです。
水を張り、漏れないようにプール状にするために畦塗りをします。
田んぼ全体としては水の量もかなり多く、約4ヶ月間かなりの水圧で畔を押します。なので、畦塗りは大切です。怠ると何かの拍子で畔に穴が開くと水が次々と抜けて一晩で畔が決壊することもあります。

【畦塗りの準備】

畦塗り前日までに去年の畦塗り部を平鍬で斜めに(畦塗り角度と同じ)
削って畦塗り面を整える。田んぼの周囲の溝を植え付け部(畝)よりも5cmくらい深めに掘っておきます。掘った土は溝の両脇によけて水路を田一周に通しておきます。畦塗り部を5cmにする場合、溝の幅は35cmくらいが良いでしょう。
水口を開き、周囲の水路にたっぷりと水が通るくらいまで入れて水を止める。
すかさず、先に両脇に避けた土を水路に戻し軽く足で練って畔塗面の下に積んでおく。(ちょっと柔らかいくらいが丁度いい。)一晩その状態で放置。

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【土を練る】

前の日に軽く練って置いていた土をさらに練り硬さを調整する。
(周囲の土や水を加えたり)
ポイントは溝の上や塗面の穴の空いてそうな部分に擦りつけるようにして足で十分に練る。足袋で足元を軽くして練ると疲れにくい!とにかく体力使います。
特に背が高い人は屈む体制が多いので腰に負担がかかります。
負担がかかり過ぎないように、体全体に力が分散するように意識して体を使うこと、一つの作業を続けすぎないようにすることも大切です。
美味しいお米のために考えながら感じながら一歩一歩進めます。

ワークショップ_10

【塗面に練り泥土を積む】

練った泥土を塗面に押し上げるように塗っていく、硬い場合は鍬で泥土を掬って
塗面に積み上げる。僕は畔の上に立って泥土を掻き寄せて積み上げる方法が
体に合っていてやりやすい。
少しずつ水を入れて、極少量に水を水路に常に入れておく。

【塗面に泥土を塗る】


積み上げた泥土を田んぼの中に入って、塗面に水平に平鍬を押し当てて横に進み固めていく。塗面が乾いている場合は、水路の水を平鍬の背面に付けて滑りよくするとスルスル進みます。

ワークショップ_7

【畔面を平らにならす】


塗面が数メートル進むと(僕の場合、練るのも、塗るのも飽きたら)塗面上の畔面を整えます。畔の上に立って畔面の塗面を畔と垂直に平鍬の背面でペタペタと水を時折つけて平らにしてしていきます。数メートル垂直に均したら次は畔と水平に平鍬の背で均します。

ワークショップ_5

ワークショップ_9

【塗面のツノ取りと溝の底塗り】


畔面を塗った後、少し塗面に出っ張りが出る(ツノって言ってます)のでもう一度塗面に平鍬の背を押し付けて綺麗に整えていきます。塗面が綺麗に整った後に、溝の周辺の泥土を集めてモップをかける要領で平鍬で均して完成。

ワークショップ_2


この工程を田んぼの周囲の下半分、棚田のような斜面にある場合は、山側と反対側と隣の田畑や田んぼの間に水路がある場合は、その面も塗ります。

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私たちが使っている田んぼでは、水草の発芽の抑制をするために水深を深くするために畦を厚めに塗ります。8cmから10cmくらいで塗ります。田の周囲の畔で育てるあぜ豆も当農園のある集落で繋いでいる在来種を育てています。そのため、塗面の頂上の平らな面も少し広めにとっています。

【豆と豆】


お正月の豆腐に使っていたという在来種の大豆(なりすけ)はあっさりとしていて美味しく、小粒ではあるけども沢山豆をつけてくれるので、年々作付けを増やしております。

ワークショップ_11


私たちは、コーヒーとそれをとりまく暮らしや農文化、私たちが直に触れ合うモノ、コト、人に深く触れ大切な出来事を直接体感し、感覚を通してアウトプットをコーヒーを通じて伝えていくこと。それはコーヒーという枠内だけではなく、より多くの事柄を体験することにより、より広く深い表現につながると思うからです。

一粒のコーヒー豆のことを知るためには、農業や植物のことを知ることから始まる。日本国内にいればコーヒーの豆は大手のコーヒー生豆商社を通じて手に入り、焙煎やブレンドや抽出方法などだけに注目しがちだけれども、その材料に目を向けることもとっても大切です。コーヒーは農産物であるという意識を今一度考えたい。(日本が焙煎とブレンド、抽出方法に他の国には無い文化と特徴を持っていることは事実です。)

とても遠いようですが、田んぼの仕事もコーヒーと係わりのある大切なお仕事。
毎日、畦塗り三昧の日々がコーヒーの仕事と共に続きます。






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