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パズル28(2次小説:類つく)

このお話は花より男子の2次小説(類つく)です。作者様・出版社様とは関わりがありません。妄想の世界へようこそ…

現在 滋29歳 桜子27歳
〜琴音26歳〜

滋の後を着いてエレベーターに乗り客室のフロアで降りる

「今日は高層階は主催者しか入れないのよ。狭いけれど休憩していって」
案内されたのはリビングと寝室が別タイプのセミスイート。このタイプでもメイプルな10万円以上はするはずだわ!琴音は部屋に入るとキョロキョロと見回した

桜子「滋さん、どなたなの?これ以上窮屈は嫌ですわ…」
ソファーには優雅に座った美女がいた。

「ごめんね〜下のフロアで具合悪そうだったら連れて来たの。控室も用意されてないらしいんだよネ。え〜と名前なんだっけ?」

琴音「初めまして金城興産専務の妻の琴音と申します。滋様とはハワイで何度かお目にかかった事がありますの。」

「私は全然覚えてないんだけどねぇ〜彼女は桜子。美作あきら君の奥様よ。司と同じF4のメンバーで有名だから知ってるわよね?」
F4の名前が出て琴音の顔色が変わった…

琴音「あの…もう気分も良くなったので失礼しますわ。滋様ご親切にありがとうございます。」 そそくさと部屋を出ようとしたが…

「え〜さっきよりも顔色悪いよ?遠慮しないで座りなよ。今、飲み物とか用意してもらうからさ〜」
滋は強引に琴音をソファーに座らせた。

桜子「あらこの方よく見たら…確か命に関わる病気だったと思いますわ。もうとっくに地獄に落ちたと思っていましたけど…ご結婚されてたんですね。白井琴音さん」
その名前を呼ばれてドキッとした琴音…自分を睨む美女2人を前に動けない。そんな琴音を無視するように桜子は滋に話しかける

桜子「翼君の演奏、とても上手でしたわねぇ…先輩もホッとされてるでしょうね。久しぶりのパーティーで緊張しているって仰っていましたけれど、あのドレスとてもお似合いでしたわ」

「司が選んだんでしょう?昔だったらもっと派手なの用意しただろうけど、つくしの事良くわかってるよね〜翼君の蝶ネクタイとお揃いだったの気づいてるのかな?」
桜子「ふふ 直前まで着けていませんでしたよ、翼君。あれは楓社長の作戦ですわね」

黙って聞いていた琴音だったが『つくし』と滋が呼んだ途端にワナワナと震え出した。
琴音「あんた達…あの女に頼まれたの?私に嫌がらせでもしているつもり?」

桜子「なぜあなたなんかに嫌がらせする必要がありますの?」

「そうだよ!顔色が悪かったから休む場所を貸してあげただけ。あの女って誰の事?」

琴音「とぼけないで!あんた達牧野つくしの知り合いなんでしょ?あの女がなんて言ったか知らないけど、類さんの死亡は私のせいじゃないわ!あの時…彼はあの女の写真を取ろうとして海に落ちたんだから!」
それは聞いた事のない事実だったが2人は顔色を変えなかった

桜子「あら、新聞の記事とはずいぶん違うんですのね。やっぱり花沢さんはあなたなんて眼中になかった、写真の先輩の方が大事で海に落ちる危険もかえりみなかったって事ですのね。それなら納得出来ますわね、滋さん。」

「うん。類君、必死でつくしを探していたもの…あの時。ねぇ…あんたなんでつくしが嫌がらせしたと勘違いしてるの?もしかしたら…つくしが行方不明になったのってあなたが原因?」

琴音「知らないわ!花沢のおじさまに類さんと私の婚約を聞いてお金をもらって自分の意志で消えたのよ。それが証拠に今度は道明寺様に言い寄ってるじゃない!あんな庶民が道明寺Jrの教育係なんて不自然よ…あなた達も騙されているのよ」
桜子「それ以上先輩を侮辱する事は許しませんわ!先輩はあなた達親子に殺されそうになったのに…あなたの病気が誤診だったなんて陳腐な嘘を信じて、『良かった』とおっしゃったそうですわ。お人好し過ぎると思いません?」

琴音「バカなんじゃないの?もう話す事は無いわ、失礼します」

「つくしは心が綺麗なんだよ、ピュアなの!でも私達は違うわ…あんたの事を絶対に許さないわ。今日、なんでここに招待されたかわかる?今のつくしの姿をあなたに見せつけたかったの!もしもあなた達が彼女に何かしようとしても道明寺HDが!私達が!絶対に守るから覚えておいて。あなたのご主人に泣きついても無駄だね。金城興産ってアジアでずいぶん悪どい事をやっているって噂よね〜私の主人一族の耳にも入ってる。ウォルトンファミリーって聞いてみて?良く知ってるはずだから。」
琴音は省二の仕事内容なんて何も知らなかったから意味もわからなかった…

桜子「ここでの事を金城さんに話して困るのはあなたの方ですわね。せいぜいお父様に泣きついてみる事ですわ。楽しみにしていますわ」
そう言って笑う桜子の笑顔は恐ろしいほど綺麗だった。

琴音は部屋を飛び出すとエレベーターのボタンを押すが反応しない…あの部屋に戻る事も出来ず仕方なく非常階段を探して降りて行った。疲れてしまい階段の途中で座り込みスマホから父親に電話をしたが呼び出し音が鳴るだけ…1時間近く側を離れているのに夫からも何も連絡も無い…その時、ピロン…スマホに何枚か画像が送られてきた
1枚目は夫と他の女性の仲良さそうな写真…2枚目はその女性のやつれた写真
『何これ?省二…これって今より若いわ…この女性1枚目と同じ?なんだかやつれて…海外の娼館のような場所にいるみたいだけど…ど〜ゆう事?』
誰から何のために送られて来たか意味も分からずいると3枚目が…それは夫が受け取り人の琴音の死亡保険の書類…受取額は1億円?そして…お気の毒様とメッセージも届いた。怖くなって直ぐに消したがなぜだか不安で最初の写真だけ残した。
このままここに居ても誰も気づいてくれないし少し寒い…ヒールの靴で階段を降りるけど疲れてしまってすぐに座り込んでしまう。省二に電話しても全然出てくれなくて惨めな気分になった。仕方なくヒールを脱いで階段を降りてやっと元の階に辿り着いて非常階段のドアを押したらこの階は鍵が開いていたみたい。 

ドアのそばにあった椅子に腰掛けて休んでいたら
省二「おい!こんな所にいたのか…その格好どうしたんだよ?化粧も落ちてるぞ!恥ずかしいなぁ」
私がヘロヘロになっているのに心配してくれないの?そう思ったけれど…

琴音「ごめんなさい…ちょっと具合が悪くなって休んでたの。もう帰りたいわ」
省二「あぁ 俺も持って来た名刺は全部配り終わった。今日はこの辺で帰るか 流石に道明寺HDのパーティーは格が違うな!綺麗な女性にたくさん話しかけられたぜ〜」
ご機嫌で話す省二が憎らしかった… 

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この一部始終をあきらと総二郎、優紀はモニターで見ていた。エレベーターを止めていたのも非常階段のドアをロックしていたのも全て指示通り。
総二郎「あの女の顔見たか?悔しさで引き攣ってたな」

優紀「桜子さんも滋さんもカッコいいです!私も少しスッキリしました。でも金城さんって危ない方みたいですね?つくしに何かして来ないか少し心配です」

あきら「金城はセコイ男だ。自分の損得しか考えないから琴音が話したら間違いなく琴音を捨てるだろうな。それも利用するだけ利用してな。」
総二郎「あんな男を選んだのは琴音自身だからな、知った事じゃぁないが…類の為にも引導は俺たちの手で…だな」
あきら「そろそろ司も挨拶を終えて時間が取れるんじゃないか?上に行こうぜ」
3人は部屋を出て桜子達のいる部屋に向かいみんなで司達の所に向かった。


花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします