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パズル15(2次小説:類つく)

このお話は花より男子の2次小説(類つく)です。作者様・出版社様とは関わりがありません。妄想の世界へようこそ…


回想シーンや脇役達の呟きが続きましたが…
時は現在 沖縄での道明寺御一行です。ここはメープル沖縄Nahaの最上階   専用プールから楽しそうな声が聞こえる

「あははは〜パパの顔に命中したよぉ〜 つくし見てたぁ〜」

浮き輪に捕まりながらパチャパチャと司に水をかけて遊んでいる

「俺はつばさの浮き輪紐を掴みながら泳いでるでんだぞぉ〜反撃出来ないんだズルイぞ!おい髪にかけるなぁ〜」
言葉とは裏腹に楽しそうだ

つくし「つばさ〜浮き輪から手を離しちゃダメよぉ〜」
ビーチサイドのパラソルの中、つくしも笑顔で声をかける。

つくし「道明寺、そろそろ休憩にしましょう。つばさ、上がって水分摂ろうね」
2人とも素直にプールから上がり、つくしに渡されたバスローブを羽織る    

楓はそんな3人の姿を部屋の中から眺めていた

「ふふ どう見ても本物の親子にしか見えないわよね?西田」

西田「はい。司様のあんなに楽しそうな顔も翼様のはしゃぐ姿も牧野様がいなければ見ることは出来ないと…」
西田の返事に満足そうに頷き、直ぐにため息に変わる

「早く本物になって欲しいものだわ…そろそろ司にはNYに戻ってもらうつもりよ。その時は翼はもちろん、つくしさんにも同行してもらいたいの。     彼女の戸籍は今はどうなっているか調べてくれた?」

西田「はい。ご両親から行方不明届けが出されています。7年が過ぎると死亡扱いにされますので、NYへ渡航されるならパスポートも必要になりますし、ご両親には報告が必要だと思います。」

「そうね…白井はまだ彼女の実家に見張りを付けているの?」

西田「いいえ。自分の娘が結婚すると牧野さんへの関心は無くなったようで見張りの探偵の姿も消えました。完全に死亡したと安心しているんでしょう…ただ」
白井親子の話になると、いつもは冷静無表情の西田もそうではなくなる

西田「ただ…昨日ここのロビーで山中が白井琴音を見たそうです。調べた所夫婦で宿泊していました。私達の到着の様子を偶然見ていたようで…牧野様にも気づいた様子で顔色が悪かったと報告を受けました。」

「あら…それじゃぁあの父親の耳にも入るわね? こちらは痛くも痒くもないけれど、あの親子は幽霊でも見たと慌てているんじゃないかしらね。     ほほほ…念のためにつくしさんの警備は強化させて」

西田「かしこまりました。」

「あの後、花沢さんは会社を退いてお金を引き出す相手を失って金城興産に 乗り換えたようだけれど…あの会社の裏の顔を知っていたのかしら?」

西田「どうでしょうか…娘のためならどんな汚い手も使う悪知恵の働く男だと思っていましたが、それ以外は世間知らずな医者のようでして病院経営も危ないようです。かなりの負債を抱えています。」

「愚かな男ね。時期が来たら地獄を見せてあげるから、それまでは生きていてもらわなくちゃ困るわ。あの親子だけは絶対に許さない」

西田「はい。その時は何なりとお申し付け下さい。山中はその日を待ち焦がれています。」

***一方 琴音の部屋***

省二「おい やけにSPが増えたと思ったら宿泊客が噂してたぞ。昨日から道明寺一行がここに滞在してるらしい。俺は見えなかったがロビーの人だかりお前、昨日顔色悪かったけど見たのか? この間のパーティーの時の態度、明らかにお前を敵視してたよな? お前…何かやらかしてないだろうな?」

琴音「私は何もしていないわよ!でも… 逆恨みされてるも          花沢さんと私の結婚が決まった時に自殺した女性がいたらしいの。大学の後輩だったて聞いたから道明寺さん達も知っている子だったのかも知れないわ。   花沢のおじさまから玉の輿狙いで英徳に入った女性だって聞いたわ、きっと道明寺さんとも関係があったのよ!狙った女性が自殺して私のせいだと思ってるのかも… いい迷惑よね。」

省二「それでも相手が悪い!あの道明寺に睨まれたらうちなんて直ぐに倒産だ。向こうに気づかれる前に帰るぞ!」
有無を言わせず荷造りをさせられ2時間後には東京行きの便を待っていた。

琴音「せっかくの休暇でしょ、このまま帰るなんてつまらないわ」

琴音の甘えた声も無視して省二は考えていた。『まさか琴音が道明寺司に嫌われていたなんて…親父に報告して計画を早めた方がいいかもしれないな。あの病院も借金だらけだし…利用価値のあるうちに動くか』
飛行機の中でも省二は直ぐに寝てしまい、琴音の耳にパイロットのアナウンスが聞こえてきた『ただいま当便は鹿児島上空を…』
九州…あの山のどこかで死んでいるはずよね

〜琴音回想〜

私は何も悪くないわ
花沢家とうちは小さい頃から知り合いでパパに連れられてあの豪邸にも遊びに行った。おじさまはとても優しかったけれど類さんは何も喋らないし綺麗な顔だけど何考えてるかわからない感じで部屋から出ても来なかった。それがあの日、成人式の着物をおねだりしようってパパと久しぶりに花沢邸に行って…驚いたわ。庭で笑顔で女性と話している類さんは本物の王子様に成長していたんですもの

琴音「パパ…私、類さんのお嫁さんになりたい」
パパも大喜びで計画を立ててくれた。私の願いならなんでも聞いてくれるパパ 余命半年なんて嘘、流石に通用しないと思ったけれど人の良いおじさまは信じてくれてパパの思惑通りに進んだのに…類さんは私達を全然信じてくれなかった。

でも牧野つくしの存在が強い味方だったの。悔しいけど類さんは本気で彼女を愛していて『もし…頼みを聞いてくれなかったらパパは医者だから毒薬とか持ってるし…彼女の命も危ないかもね。』いろいろとおどかしたわ。ずっと拒絶されてたけどしぶしぶ写真撮影だけOK…私は王子様の白いタキシードをお願いしたけど彼はパーティーに着て来るようなフォーマルしか着てくれなかったわ。

それでもパパの作戦勝ち!内緒で呼んだマスコミに報道されて私は彼の妻と認められたわ。もう諦めてもいいと思うのに彼は強情で…彼女を解放すると約束してやっとの思いで豪華客船に乗ってもらった。
パパが整形して彼女に似せた女性にパスポートを使わせて旅行に行かせたから、本人が海外にいるって確認したんだと思う。 それでも私と一夜を共にしてくれればきっと私を選ぶって自信があったから部屋で待っていたわ。類さんは私の顔を見るなり黙って外に出て行った…私の世話係に調べさせたら無理を言って別の部屋を取ったみたい。1番安い部屋しか空いてないって言われたらしいけどkeyを受け取ったって!本当に失礼な男だわ

あの日は夜遅く類さんにはりつけた世話係からデッキに1人でいると連絡が来て、そっと後ろから近づいたら…パパが彼女の安全確認で渡した写真をジ〜っと見ていた。
琴音「何よ!せっかくの新婚旅行なのにそんな写真見て」
油断していた類さんの手から写真を奪うと私が持っていた写真を見せてあげた。彼は真っ青な顔しそれを破って睨むから、奪った写真は海に投げ捨てた
慌てた彼は私の方を振り向く事も無く手すりから体を投げ出すように手を伸ばし… そのまま暗い海の中に沈んでいった。
付近には誰もいなくて呆然としていた私は助けを呼ぶ事をすっかり忘れていたの。世話係は私が何も指示しないからってやっぱり動かずにそこに立っていた。

世話係「お嬢様…風が強くなって来ました。風邪をひいてはいけませんのでお部屋に戻りませんか?」
声をかけられたのは30分以上過ぎてからだった。震える私を部屋まで付き添い 温かいミルクをいいれて私に渡すと
世話係「花沢様が落ちた事はお知らせしなくてもよろしいですか?」
琴音「知らない!私は何も悪くないもの…」
私にお任せ下さいと世話係が部屋から出て行ったのは1時間以上過ぎてから…

直ぐに付近を捜索したようだったけれど見つかるはずもなく近くの港で私達は 降り事情を聞かれた。世話係の証言で落ちた付近の大捜索が始まったけれど実際とはかけ離れた場所だったのは誰にも秘密。

報道が解禁された1週間後、多くのマスコミに囲まれ私は悲劇のヒロインだった 「彼はいつも私の死を恐れ君を天国で待っていてあげたいと話してくれていました。あの日は夕方から私は発作で苦しんでいました。きっと見ているのが辛かったのだと思います。夜遅く彼に呼ばれデッキに行くと待ってるよとニッコリ笑って彼は…」 泣き崩れた私を誰もが同情してくれていた

それなのに…花沢のおじさまもおばさまも信じてはくれなかったわ。現地に残り捜索を続けていたけれど、見つかるはずが無いから私は帰国したの。2人がやつれた顔で帰国したのは事故から一月以上過ぎてから。そのタイミングでパパが

白井「花沢には申し訳ないが…琴音の病気が誤診だった事がわかったんだ。琴音に振られたうちの医師が他人の検査結果を私に見せていたんだ。それが発覚して調べたら、処方された薬の副作用で発作が出ていた事もわかった。 幸い類君とは入籍もしていなかったから財産分与も無いだろう?娘の事はなかった事で」

パパの言葉に花沢のおばさまが気を失って倒れて、パパがうちの病院に運ぼうと言ったら断られたって帰って来て話してくれた。これで類さんとの事はお終い。

しばらくはマスコミに追いかけられ新しい恋も出来ず大学はハワイに留学。  そこで知り合った金城と結婚出来て幸せになれたんだから…あの女の亡霊なんかに邪魔されるもんですか!


花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします