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パズル53


それぞれの部屋に戻った夜…あきらの部屋では

あきら「類が気をきかせて部屋を出てくれたってお前に感謝してたぜ」
桜子「あら…それは嬉しいですわ。
あなたは道明寺さんのフォローは良いのですか?私なら大丈夫ですわよ」
あきら「あぁ 少し仕事があるって部屋に戻ったからな。しばらくはヨーロッパでの仕事が続くって言ってたからまた誘うよ。
でも西田がスケジュールを間違えるって珍しいよな?
まぁそのおかげで危ない所を救えたが」
桜子「クスクス 嫌ですわ〜気づいてなかったんですの?
私が1日早く予定を知らせましたの。道明寺さんならきっと私達を待たずに
島に行くと確信していましたわ」
あきら「え?なんでそんな事?」
桜子「花沢さんの嫉妬心を呼び起こす為です。いつまでも天使でいられては先輩がお可哀想です。何か強烈なキッカケがあれば…と思いましたの。
きっと道明寺さんといる先輩を見たら嫉妬するでしょう?
あんなに上手くいくとは思いませんでしたけれど…」
あきら「まさかあの事件もお前が?」
桜子「それは偶然です!先輩を危ない目に合わせるような事は絶対にしません」
あきら「そ…そうだよな。安心したぜ…」
桜子「道明寺さんには申し訳なかったですが…」
あきら「あいつなら大丈夫だ。きっとこれからも牧野を想い続けるだろうが、
何より牧野の笑顔を幸せを願っていると思うぜ。昔の類のようにな」
桜子「そうですわね…両極端のようであのお二人はとても似ていますわね。」

****
次の日 司は朝からイタリアに仕事で出かけて行った。あきら達もロンドンの美作邸で2ヶ月ほど仕事で滞在が決まっている。総二郎達もイギリスでの講演を頼まれて何箇所か回る事になっている。みんながゆっくりとここで過ごす事はまだ
類には知らせていなかった笑。

つくし「類、ケビンが迎えに来てくれたよ。
今日から3日間の予定で検査入院でしょう」
なかなかベッドから出て来ない類…
「昨日も2人きりになかなかなれなかった…」
つくし「あのね…ちょうど良い機会だからって、私も健診してもらう事になったの。検査は別だけど…お部屋は一緒よ」
ガバっと起きて…
「つくし、どこか心配があるの?」
つくし「うううん、健康でいる為の健診よ。道明寺でも毎年受診させられてたの
健康優良児だから大丈夫」

ケビンは寝室から2人が出てくるのをやれやれと待っていた。

9時から始まった検査は11時過ぎに午前の部を終え、類とつくしはロンの病室に顔を出した。ケビンからルーニーの記憶が戻った事は聞いていたけど病院に入って来た彼にロンは驚いた…つくしと手を繋ぎニコニコしている

つくし「ロン、久しぶりね。ずいぶん顔色も良くなって…太った?」
ロン「つくし!ルーニーはやっぱり君の恋人だったんだね。おめでとう!
僕もあれから5キロも体重が増えて来月には手術も出来そうなんだ」

ニコニコしていたルーニーの顔がだんだんと不機嫌になる
ロン「あ…ルーニー。僕のことを覚えていますか?ケビンの弟のロンです」
「彼女をつくしって呼んでるの?」
え?え?いきなりそれ?

つくし「類の事が知りたくて…ロンの病室に通ったの。
その時に私がそう呼んでって言ったのよ。」
「ケビンの家族にはすごく感謝してる。俺が覚えているのは痩せて青白い顔のロンだった。元気そうで良かったよ」
ロン「みんなルーニーのおかげなんだ。君のおかげで僕はこんな立派な病院に
移る事が出来た。あのままだったらきっともう死んでいたと思う、ありがとう」
「ロンが生きたいって思ったからだと思う。俺のおかげなんかじゃ無いよ。
俺こそ君の家族に助けてもらえなかったら死んでいた。
こうしてつくしに会う事も出来なかったから」
隣でつくしもうんうんと頷き涙を流している。
つくし「あまり長居すると疲れるだろうからまた後で来るね。
3日間ここで検査入院するの」
『楽しみにしてる』 そう言いかけたロンだったけどルーニーを見てやめた。

しばらくしてロンの病室にケビンも現れた
ロン「兄さん、さっきルーニーが来てくれたよ。つくしと一緒に!」
ケビン「クスクス お前、睨まれなかった?」
ロン「え?あぁ最初の言葉が『彼女をつくしって呼んでるの?』だったよ」
ケビン「ハハハ 俺なんていつも邪魔者扱いされてる。独占欲がハンパないんだ
でもつくしが幸せそうで、本当によかったと思ってる」
ロン「そうだね。あれが本当のつくしの笑顔なんだね…
あれはルーニーにしか引き出せないね」
ケビン「そうだな。お前も手術して早く元気になれ!これから忙しくなるぞ。
俺はあの2人にはずっと島で暮らして欲しい。でも日本からライバル達が
来てるんだ。特にあきらの妻は手強そうなんだ」
ロン「俺もずっと2人のそばで暮らしたい!兄さん、頑張ってくれよ」

ケビンと桜子は似た者だとお互いに感じているらしい…
つくし争奪戦はどうなるのか笑笑

類とつくしは入院している特別室で昼食を食べている
つくし「午前中の検査で体重が増えていたの…島は何を食べても美味しいから
気をつけないと太っちゃうわ」
一緒に健康診断を受けたつくしは体重増加を気にしている
「全然、太ってないよ。それに太ってもつくしは可愛いから」
類はロンに対抗するように「つくし」と呼ぶ
つくし「//// ありがとう。類は午後からの健診も頑張ってね」
「あい。つくしは少し休むと良いよ、寝不足が続いてるでしょ?」
ウィンクして類がそう言うと頬が染まる、そんな初心な所に類もドキドキ
「このまま眠っちゃおうか?」
そんな言葉は笑顔で却下され類は午後の検診のために病室を出て行き
向かったのは最上階にある院長室。

ドアを開けると楓が西田とともにもう待っていた






花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします