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パズル61(2次小説:類つく)

〜つくし〜

ロンドンに来てもう1ヶ月になるけれど、類は毎日忙しそう
桜子と陸君と過ごす時間は楽しいけれど、島での暮らしが懐かしいと思うのは
贅沢な悩みかなぁ…今日は類は遠出しているから帰りはきっと遅いよね…
夕食は桜子と一緒に食べた
桜子「来週には私達も帰国する事になりました。寂しいですけれど…
先輩も早く帰国して下さいね。」
本当に寂しそうな顔でそう言ってくれたけれど…類はあの島で暮らしたいと
言っているのよね…
つくし「うん。類は今、パスポートも持っていないしいろいろな手続きも
必要らしいから日本には戻ると思うよ。優紀の結婚式には出席したいしね」
桜子「ケビンさんと新しく会社を設立する事も聞いていますわ。ルーニーは
イギリスを代表する作家ですものね。でも私は先輩には側にいて欲しいです」
つくし「桜子…ありがとう。まだこれからどうするか類からも何も聞いていないの…」
桜子「わがまま言ってすみません。でも先輩がこちらに残るなら…あきらさんに
ロンドン支社で働いてもらえるようお願いしますわ」
2人でクスクスと笑ってしまった。

メープルの部屋に戻り、ルーニーブラウンの本をまた読み返している。
10時を回った頃…
「ただいま…つくし会いたかった」
部屋に入るなり私を抱きしめる
つくし「何かあった?」
「今日はいつもより離れている時間が長かったからね、
つくし不足になったみたい」
私を抱きしめる手が少し震えているみたいだったけれど…
つくし「私も寂しかったよ、おかえり類」
類のキスを何度も受けて体の力も抜けて来る。
ちょっと心配だったけどいつもの類に戻ったみたいで「愛してる」
そう囁いて体を離してくれた
つくし「私も…愛してる」
類が嬉しそうに微笑んでくれ…
「つくし、結婚しよう。花沢つくしになって欲しい」
突然の言葉に驚いたけれど…
つくし「花沢類でいてくれるの?」
「うん。まだ父親の事は許せないけど…つくしに花沢類って呼ばれていた記憶は消したくないんだ…大切な思い出でしょ?」
つくし「うん…ありがとう類。私を花沢つくしにして下さい」
自分から類の胸に飛び込んで背中に手を回して泣いてしまった…

類はポケットから箱を取り出して
「ロンドンに来て直ぐに注文はしていたんだ、出来上がったと連絡が来て
帰りに受け取って来た。」
私の左手薬指にキラキラ光る指輪…
「ずいぶん遠回りしちゃったけど…この先はずっと一緒にいよう」
嬉し涙で言葉が出ないから何度も頷いたの
幸せな幸せな夜だった

次の日、ホテルの部屋にケビンが来たとき、直ぐに指輪に気づいてくれた
ケビン「すごく似合うね。ルーニーがすごく大きさやデザインに拘っていたのが
納得出来る。」
ケビンの言葉に類も少し照れくさそう。
つくし「そうなのね…ありがとう類」
「ずっと外さないで欲しいから邪魔にならないようなデザインに拘った。
つくしは無自覚にモテるから俺の物って印だよ」
ケビンが両手を広げてʅ(◞‿◟)ʃヤレヤレってポーズ
恥ずかしいけど嬉しい

2日後、帰国する美作さんと桜子、陸君を飛行場まで見送った
桜子「先輩、日本で待っていますわ」
つくし「うん。近いうちに類と帰国するね」
桜子との別れはやっぱり寂しい。この帰国は類の戸籍や起業の為の準備で
ずっと暮らす予定ではないけれど、パパやママにも類の事を報告したいと
思っているの

そして久しぶりに島に私達は戻って来た。
ケビン「着いたらビックリすると思うよ」
車の中でケビンが言ったけど、丘の途中から見える家が…
つくし「え?なんだか違う場所に来たみたいなんだけど…」
類がクスクス笑いながら
「司があんなセキュリティーの家じゃぁ安心出来ないって怒ってさ
すごい速さで建ててくれたみたいだよ。あきらや桜子、総二郎達が
インテリアを引き受けてくれたらしい。記憶が戻ったお祝いだって」
この短い期間で建てたとは思えない立派な家だけど、この島の景観を
大事にしてくれているのが嬉しい。庭の囲いが少し高くなったのと
隣に山中さん達が住む場所も出来ている。
つくし「わぁ…2階もあるのね。」
ケビン「2階は完全なプライベートスペースだよ。
1階は類が仕事をしている場所からつくしがどこにいても見えるように
仕切りは作らなかったんだ。」
「さすがケビン、わかってるね」
私達の新しい生活がここから始まるんだね。

新しくなった家はセキュリティーの為、前よりも柵が高くなったけれど
病院に続く道は以前と同じ高さで植木も刈り込まれて病院が良く見えるの
患者さんが通る場所ではないから問題はないけど
Dr「つくしの美味しい料理を差し入れしてもらうのに便利だろう?」
なんて本当かなぁ
それにちょっと気づいた事もあるの
庭の楠の木の下は私達のお気に入りの場所、時々はシートを引いてランチを
楽しんだり、類はお昼寝もしちゃう。そんな時…なんか視線を感じている
初めは山中さんかなぁ?とも思ったけれど違うみたい。
私は確かめたくなった

*短めですが…
新しいマガジンになります。



花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします