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パズル56(2次小説:類つく)

〜類〜

検査も問題なく終わり俺達はロンドンメープルに戻った。

ケビン「ルーニー、しばらく忙しくなると思うけど頼むよ。社長には記憶の事も
話したし、ぜひ会いたいと言われているんだ」

「あぁ 仕方ないね、会うよ。つくしも同席してもらいたいけどいい?」

ケビン「もちろんだよ。早速だけど、ここの事務スペースを一部屋借りてるから、ルーニーはそこでいろいろな書類を確認してもらいたい。」

「ここじゃぁダメなの?」

ケビン「いろいろな人間がこの部屋に出入りするのはいやだろう?新しくスタッフも雇わなくちゃならない。何人か候補を絞っているからルーニーにも確認して欲しいし」

「わかった…そのスタッフって男?」

ケビン「あぁ 今のところ。女性も募集するつもりだけどね」

「つくしはここでゆっくりしていて、直ぐに戻って来るから」

事務スペース

ケビンは本当に優秀な男だ。つくしが島にやって来てからいつかこの日が来ると
いろいろと準備をしてくれていたらしい。これならスムーズに会社も作れそうだ

ケビン「もう一度確認するけど、君はルーニーブラウンとして今後も活動してくれるんだよね?」
「そのつもりだよ」
ケビン「それでも戸籍の事もあるから君の素性を発表しよう。花沢物産からも何らかのオファーがあるんじゃないかな?」
「俺にはもう関係のない場所だよ。」
ケビン「わかっている。でもつくしのためにもキチンとさせよう。でもその前に
俺達の会社だな!実はあの島の周りの無人島を購入して整備しようと考えているんだ。そこに会社も建てる」
「島を買う?」
ケビン「あぁ無人島だから島自体は物凄く安い。ただかなりの設備投資は必要に
なるけど、協力体制も整いそうだし実現は可能だよ。それまではメープルの事務
スペースをオフィスにしたい。君は今まで通りアトリエで仕事をしてほしい。
いずれ無人島の一つに居住スペースを建てる。そこは限られたメンバーだけが
入れるようにしよう。5年もあれば実現するはずさ」

ケビンはいろいろな計画書や設計図を見せてくれた。
「流石だね、ケビン。」

**回想**
俺の記憶が戻ってから見せてもらった俺の資産には本当に驚かされた
『これ本当に俺の資産なの?』思わず聞いてしまったくらい
ケビン「もちろんだよ。弁護士も会計士も雇って管理してもらっている。
この他にルーニーが起業したいと言って来た時のために貯めてる分もあるから
個人資産を使う必要も無いんだ。君の作品は世界中でベストセラーになっている
息を吸うたびにお金が入ってくるよ、』
笑いながら言ってたけどケビンの商才は天才的だよ。
ケビン「実はさ…女王陛下が君の作品の大ファンなんだ。君にも会いたがって
いるんだけど断っていたんだ。」
「女王陛下の申し出を断っていたの?」
ケビン「あぁ…女王陛下は若い女性では無いけど…君が対応してくれるとも思えなかったからね。先日、王室担当次官の人に会って君の記憶喪失の事も話したし
日本人だとも報告したよ。そうしたら…ルーニーが日本に帰ってしまわないように王室が全面支援をしたいって連絡をもらった。だから無人島を購入する話も
スムーズに行くと思う。あ…今度女王陛下が宮殿に招待したいと言ってるんだ
つくしも一緒に行ってくれると助かる」
「あぁ わかった、彼女にも話すよ。
****
俺は会社の事はケビンに任せれば大丈夫だと確信している。

3時間ほどしてホテルの部屋に戻ると来客が来ているようだった

〜つくし〜
類がケビンと仕事に出かけたので私はちょっとのんびりしていた
1時間ほどすぎた頃、部屋の電話が鳴り出ると
「もしもし つくし?」
つくし「え?翼?どうしたの?」
「つくしに会いに来たの!お部屋に行ってもいい?」
その後に楓さんが出てくれて類の記憶が戻ったお祝いにロンドンに来てくれたと
知った。2人はもうメープルに着いていたらしくて直ぐに部屋のベルが鳴った

つくし「翼…久しぶりだね。また背が伸びたんじゃない?」
私に飛びついて来た彼を抱きしめる
「僕ね、ロスで暮らしているんだよ。ムサシ君と一緒に勉強も頑張ってる」
つくし「えらいね翼。お野菜もちゃんと食べてる?」
「ランちゃんがうるさく言うからピーマンも食べてる」
翼を膝の上に乗せてソファーに座り、興奮気味に話し続ける翼の頭を撫でながら
相槌を打つ。楓さんもニコニコと聞いていた
つくし「楓さんもお忙しいのにわざわざありがとうございます。」
楓「私は仕事をセーブしているの。今は椿の所で月の半分以上は翼と過ごして
いるのよ。NYより温暖だし孫に囲まれて楽しいわ。タマもロスにいるの」
つくし「そうなんですね。翼もみんなに囲まれて楽しそうだね」
「うん…あ!つくしの好きそうなクッキーを持って来たんだよ。一緒に
食べようよ」
なんか話題を変えた?つくしは思ったけれど…
つくし「それじゃぁお茶をいれるわね。翼はミルクで良いかしら?」

クッキーを食べながら楓さんともおしゃべりを楽しみ、翼は私の隣に座り
大人しくクッキーを食べている。
「あら、もうこんな時間なのね。翼、そろそろ戻りましょうか?」
つくし「え?私なら大丈夫ですが、この後予定がおありですか?まだロスには
戻りませんよね?」
「えぇ明日の夜に戻る予定よ。翼も眠そうだし…失礼するわ。
翼、行きましょう」
その言葉に翼は私にギュッとしがみつき…
「僕…ちゃんと良い子にしているよ。お勉強も頑張ってる…おばあさまもそばに
いてくれるし…みんな優しい。でも…でも…つくしがそばにいないと寂しい
僕と一緒にロスに行くのはダメなの?」
涙をポロポロ流しながら訴える姿につくしも涙が溢れてくる
「やっぱり会うのはまだ早かったかしらね…つくしさんごめんなさいね。
翼はロスで元気に暮らしているのよ。ちゃんとわかっているの…顔を見たら寂しくなってしまったのね…」
つくし「翼…ごめんね」
翼が声を出して泣いたりするのは珍しく気持ちがわかるだけに楓も困ってしまう

類はちょうど翼がつくしにしがみついた時に部屋に戻ったがドアの所で様子を
見ていた。楓とつくしの困った様子に3人のそばに近づき膝立ちになって翼の目線に合わせ
「こんにちは 君が翼君?やっぱり司によく似ているね」
話しかけられて涙を擦りながら類を見た
「こんにちは 道明寺翼です。」
「うん、僕は類です。ルーニーブラウンって名前もあるんだよ」
「おばあさまに聞きました。つくしが大好きな本でいつも読んでくれたから
僕もルーニーの本が大好きです。」
「それは嬉しいな。君はつくしが大好きなんだね」
「うん」
「僕もつくしが大好きなんだ。ずっと記憶をなくしていてね…自分の事もわからなかったんだよ…でもつくしが見つけてくれた。君のお父さんが力を貸してくれてやっと全部思い出したんだよ」
「お父さまが?」
「そうだよ、司の言葉で頭の中の霧が晴れたんだ。ちょっと難しいよね?」
「うん…」
「つくしから翼君の事は聞いてるよ。すごく可愛い大事な存在なんだなぁって
ちょっとやきもち焼いちゃったよ」
「大人なのに?」
「うん。僕の知らない時間を翼君と過ごしていたでしょう?その時間は消えないから、ずっとずっとつくしにとって君は大切な存在だと思うよ。
でも僕にとってもつくしは大好きでずっと一緒にいたい人なんだ。もう離れたくないんだ」
翼はつくしの方を見て…「つくしも同じ?」と聞いた
つくし「うん。類は私の大切な人なの、ずっとずっと探していてやっと会えた
もう離れたくないの。だから一緒にロスには行けないの…ごめんね」
「僕ね…おばあさまと約束して来たの。つくしにわがまま言わない、泣かないって…でも守れなかった。おばあさまごめんなさい」
「いいのよ。翼は自分の気持ちをちゃんとつくしに伝えられたんだもの。パパよりずっと偉いわ。でもちゃんとわかっているのよね?」
「うん。つくしごめんね。顔を見たら寂しくなっちゃたけど…ロスもすごく楽しいんだよ。」
つくし「わかってるよ、ありがとう翼。また遊びに来てね」
「俺達は島で暮らしているからいつでもおいで。もしよかったら今日は
一緒に夕食を食べない?」
「いいの?」
つくし「ありがとう類」

その日の夕食はメープルのレストランで4人で食べた。
翼はずっとつくしのそばを離れずつくしも嬉しそうに翼の世話をやくから
類は面白くなかったけれど子供相手だからと我慢していた。楓は類の表情から
彼の心情が理解でき苦笑いするしかなかった




花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします