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パズル46(2次小説:類つく)

このお話は花より男子の2次小説(類つく)です。作者様・出版社様とは関わりがありません。妄想の世界へようこそ…

スイス 療養施設

深い雪に包まれたこの場所に来てもう5年近く…
最愛の息子を失って生きる気力を失くした私を彼はここに連れて来た     あの後、彼も社長を退いて私のそばに寄り添ってくれているけれど、私は彼を許せずにほとんど口も聞かなかった。

「亜里沙…私を許してくれとは言わない。でも君まで失う事は辛すぎる…お願いだからもう少し食べておくれ?」

彼はずっと私を大事にしてくれていたわ…息子の類に厳しかったのも誰にも文句を言わせない後継者にしたかっただけで類の事は愛していたと思う。彼は優しい人だから親友の白井さんを信じ、本当に力になりたかっただけなのも知っている。でも…もう少し早く類の話に耳を傾けて欲しかったの。

私だって本当は同罪よね、類があんなに苦しそうな顔をしていたのに何もしてあげる事が出来なかったのだから…わかっているの


楓さんが来てくれたあの日の事は一生忘れないと思う…

楓さんが2度目にスイスの療養所に来てくれ、信じられない言葉を言った
「類君が見つかったのよ…もちろん生きているわ」
信じられない気持ちで彼女のタブレットを見たら類の動く姿が写っている
生きていればもうすぐ29歳?でもなんだか昔とあまり変わらない気もする
部屋の中の画像で後にはカレンダーも掛かっていて、確かに今の映像みたいだけど…まだ信じられない気持ちだったの

そんな私達に楓さんは丁寧に経緯を教えてくれた…護さんもきっと私と同じ気持ちだったのだと思う。そして私達は類だけでなく牧野さんが生きていることも知れて…護さんは号泣していたわ。もちろん、私も涙が止まらなかった…

護さんが水を飲ませてくれて、やっと声が出せ楓さんにもお礼が言えたの。  楓さんは今の類と牧野さんの事を詳しく話してくれ感謝で涙は止まらなかった そして元気になって2人が許してくれるなら会って謝りたいと心から思った。
楓さんが部屋を出る時に護さんも見送ると一緒に出て行った後、私は泣き疲れて眠ってしまっていたようで、目覚めると外は暗く護さんが私の手を握り締めて
くれていた。

亜里沙「あなた…」

「亜里沙、目が覚めたかい…もう夕食の時間は過ぎているが何か食べれる?」

亜里沙「えぇ、ありがとう。お腹が空いたわ」

私の言葉に護さんはすごく驚いていたけれど…

「そうか!じゃぁ何か消化の良い物を作ってもらおう」

嬉しそうに看護師さんに連絡をしてくれ、2人でミルク粥を食べたわ。いつもならスプーンで2、3口しか食べられなかったけれど、今日は半分以上食べる事が出来たの。護さんとも久しぶりに類や牧野さんの事を話し

亜里沙「あなた…今までごめんなさい。あなただけが悪いわけじゃないのに…酷い態度でしたわ」

「亜里沙…悪いのは私だよ。でも神様は私に謝罪するチャンスを与えてくれた。いつかは2人に会って心から謝罪をしたいと思う。それにしても今日は驚く事ばかりだったな…まさか楓さんが牧野さんを守ってくれていたとはね。 生きてくれて本当に良かった」

亜里沙「えぇ…彼女も類が亡くなったと聞いた時に生きる気力を失くしたって楓さんが言っていたわ。きっと…みんなが支えてくれていたんでしょうね。立ち直って類を探しあててくれたんですもの…なんて強い女性なのかしら。会ってお礼が言いたいわ…私、元気になりたい」

それからの私は医師も看護師さんも驚くほどに回復出来たの。でもずっとベッドから起き上がる事もしなかったから直ぐに立ち上がったり歩くのは無理で、辛いリハビリが待っていたけれど…

医師「これだけ長い間動かさなければ普通は歩くのは無理ですが…旦那様が毎日
マッサージをして筋力を極力落とさない努力をしてくれていましたからね、きっとリハビリで元に戻れますよ」

そう言ってくれ、彼が何の反応も示さない私の足や腕をマッサージしてくれていたのを思い出した…私はそれをずっと無視し続けていたのに

亜里沙「ありがとう、あなた」

「私には時間がたくさんあったからね。当たり前の事だよ」

そう笑ってくれた。やっと私の中の黒い感情も消え彼を愛する気持ちを思い出したの。

本格的にリハビリを始めて1ヶ月が過ぎた頃、私はやっと自力で車椅子に乗れる程になったの。護さんはいつも見守りマッサージを続けてくれていたわ…

「亜里沙、もっと暖かい所でリハビリを頑張ってみないかい?先方も受け入れてくれるとの返事が来たんだ。」

亜里沙「あなたが決めてくれた事なら私は構わないけれど…ここのお医者様も問題ないわよ?」

「それは私もわかっているけれど、今度の場所はきっと気にいると思うよ。」

そう言って私を飛行機で連れて来てくれた場所はロンドンの有名な病院だった

「ここでは検査入院をするだけだよ、君と一緒に会いたい人がいるんだ。3日後に会ってくれる事になったから」
それ以上は何も話してくれなくて、私はここでいろいろな検査を受けて過ごしていた

3日後…車椅子に乗って案内されたのは心臓病棟の特別室、ドアを開けてくれた男性とベッドの男性の2人が私達を迎えてくれた。

ケビン「今日はわざわざ来ていただいてすみません。話はあきらから聞いています。私はケビン・ハドソン。むこうが弟のロン・ハドソンです、ベッドのままで
お許しください。どうぞこちらに…」

私の頭の中は???
「お時間を作っていただきありがとうございます。私は類の父の護です。彼女が母の亜里沙です。」そう挨拶してから護さんは私に向かって
「彼らの父上が船から落ちた類を助けてくれたんだ、そしてケビンさんが類を
ルーニー・ブラウンにしてくれた編集の方だよ」

聞いた途端に涙が溢れ出した…
亜里沙「ありがとうございます…なんてお礼を言ったら良いか…類が生きていると
話を聞いた時には信じられませんでした。あれだけ探しても見つからず救助した記録もなかったのですから…まさか落ちた場所まで嘘だったなんて…」

「恥ずかしいですが…私達は類が書いたという本を読んでも本人が書いたとは信じられませんでした。あの子にあんな才能があったなんて…あなた方のおかげで類は生活が出来たんです。心からお礼を申します」

ケビン「私達こそルーニーに感謝しています。彼のおかげでロンをこの病院に入院させる事が出来ました。私の両親は彼を天使様と呼んで崇めています。   それに…ルーニーがあなた達の息子だとわかったのはつくしのおかげです。きっと誰も信じないような話です、でも彼女には確信があった。そしてそれを信じ 協力する仲間がいました。」

ロン「つくしは本当に心の綺麗な優しい女性です。信じていなかった僕達の心も溶かしてくれました。そして…僕に生きる希望もくれたんです。あの…あなた達はつくしが嫌いですか?」
ケビン「すみません…ルーニーは今、船から落ちる前の記憶がありません。治療に必要なため、つくし、あきら、山中からいろいろと話をドクターが聞いた時
私も同席しました。だから…あなたのした事も聞いています。もう反対はしないのですよね?」

「もちろんです。2人には幸せになって欲しいと心から思っています」

ロン「それを聞いて安心しました。」

ロンのあまり長い時間の面会は体に障るだろうと、私達とケビン氏は私の病室に移った。
ケビン「失礼しました。弟はつくしの大ファンなんですよ、彼女のお陰でだいぶ元気になりました。手術を受ける気持ちにもなったのです。」

ケビンさんは嬉しそうに話してくれた、多分ケビンさんも牧野さんのファンなのだと思うわ、本当に魅力的な人なのね。

それから彼の用意してくれたタブレットで島のドクターと話が出来た
Dr「あなたの事は道明寺社長からも頼まれました。そこで検査をした結果を見て問題がなければ私の所でリハビリしてもらいます。島の病院の設備はそれほど
揃っていないんですよ」
検査の結果、問題もなかったので私はルイの住む島で生活出来る事になった

ケビン「入院の準備は整っています。明日、私と一緒にヘリで島に渡りましょう。」
「いえ…私は遠慮します。Drとも話せましたし…万が一でも牧野さんに見られたら困ります」
ケビン「その心配はありませんよ。ルーニーとつくしは明日は島の反対側まで絵を描きに行く事になっています。道明寺のSPが一緒なので安心して下さい。  見られずに病院に入れます。帰りは私の車で一緒に帰りましょう」
 
この病院の屋上からヘリで島に行けるから朝、迎えに来ます。とケビンさんは帰って行った。

花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします