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パズル43(2次小説:類つく)

##これから白井親子が自分の罪と向き合う話しが始まります。楽しいお話でも救われる未来でもありませんので、読みたくない場合はスルーして下さいね。読まなくても支障は無いです。その回はお知らせを入れますね##


金城親子

警察は匿名で送られて来た多くの書類を証拠に白井病院関係者の逮捕に踏み切った。TVや新聞では医院長の白井は逃亡中と報道されていた。

金城社長「まずい事になった…このままだと俺達も逮捕されるぞ!会社は倒産させて海外に逃げるから準備しろ!シンガポールの別荘は向こうの愛人の名義だから心配いらない。明日には飛ぶぞ」

金城を日本から出す事は計画の内、シンガポールではウォルトンの手の物が待っていた。

「サム、あの親子は法外な利息で返済出来なくなった人の臓器を売ったり
娘を海外に送ったりと酷いことをたくさんしてるの。容赦なくお願いね」

サム「わかっている。うちの組織でも問題になっている人物だ…アジアで問題になっている地域を一斉に浄化させるよ。あの親子は2度と日本に戻れないだろう。滋、あの島も準備は整ったよ。君の頼みだから島にいた犬は駆除していないが…狂犬病に罹っているから君達がもし行く場合は北側は絶対に立ち入り禁止だよ」

「ありがとうサム。大丈夫よ、司令塔からは絶対に出ないように伝えてあるわ。」

金城親子の運は尽きた。白井のつくし達への行いに直接は関係していなかったが
調べるほどに酷い親子だとわかった為に計画に入れられてしまった…自業自得だろう。シンガポールの森の奥深くから2人の叫び声が聞こえた気がした…

****

ここからは少しだけ時間が早回りしている2人の時間です。つくしがロンドンに来て2ヶ月が過ぎた頃でしょうか…

琴音

あのマンションから救出されてどのくらいの時間が過ぎたのか…綺麗に染めた髪はまだらになり薬のためボロボロになった肌を手入れする術もなく過ごしていたが、きっと誰かが聞いていると思い、毎日文句を言って過ごしていた。

そんなある日、目が覚めると見知らぬベッドの上に眠っていた。

ドアを開けるとソファーとテーブル。キッチンもあり1LDKという造りだろうか…
掃き出しの窓の向こうには森?遠くには山も見えた『え?ここどこよ』

《目覚めたようですね。あなたの体から薬は抜けましたが気分はいかがですか?》

機械のような声が天井の方から聞こえた

琴音「いいわけないでしょ!ここはどこなのよ〜早くパパを呼んでくれない?」

《あなたにはここで暮らしていただきます。この部屋は昔牧野つくしさんが監禁されていた部屋ですよ。場所は違いますがそっくりに作りました。》

琴音「はぁ〜?なんの冗談なの?あの女に頼まれたってわけ?自分は類様が死んで道明寺様に乗り換えて優雅な生活をしてるくせに、私に恨みでもあるわけ?」

《牧野さんはこの環境で1年過ごしました。あなたにもやっていただきましょう。ただ…1週間で使用出来る電気とガスの使用量は彼女より3割ほど多くしてあげていますよ。食料品は週に一度、ドローンで運びます。ここに用意された物は自由に使って結構ですので。逃げようとしても無駄です。この森には狂犬病に罹った犬が何十匹と生活しています。庭の柵に電流を流していますから入ってはきませんが柵の外は危険です。ここで1年過ごせたら、あなたは許されるかもしれませんね》

その後はどんなに怒鳴っても反応はなかった…お腹の空いた琴音は冷蔵庫を開けてみるが肉、魚、野菜…調理しないと食べられる物は…『トマトは好きじゃないのよ』 パンを見つけて冷蔵庫の中のバターで食べた。戸棚を開けるけどカップ麺などは入っていない
『あの女と同じ?冗談じゃないわ!私は料理なんてした事ないもの。冷蔵庫の中の物を使ってなんて無理!テレビもないしスマホも無い…いったいどうやって過ごせばいいの?きっと何かの冗談よね…明日になれば迎えが来るはず!』
自分で納得させてお風呂に入る事にした。

『あぁヤダ!シャンプーもコンディショナーも安物…トリートメントも無いし…こんなダサい下着を着るわけ?上下ジャージって有り得ない』ブツブツ言いながら仕方なく肉を出してキャベツを千切って炒めた。味はわからないからとりあえず塩をふった。炊飯器にお米を入れて水を入れスイッチオン。
『何このお米…くさい。(注:無洗米じゃありません)  肉も生焼けでしょっぱい!』

こんな物食べられない!とそのまま放置して眠る事にした。寒くなったと付けたエアコンはそのままつけっぱなし、部屋の電気は消したけど…
ワァオ〜ン ワァオ〜ン と不気味な声が外から聞こえる『何…あれって動物の鳴き声?熊とかいるのかな…嫌だ怖い』結局電気をつけたままで眠った。
なかなか眠れなくて目が覚めた時には時計は10時を過ぎていて『まだ迎えは来ないのかしら?』リビングに行くと部屋が臭い…
炊飯器はスイッチを入れたまま保温状態、暖房の効いた部屋で生ゴミになった肉や野菜は匂いがしてくる…キッチンのゴミ袋に仕方なくそれを捨てた。
『なんで私がこんなに臭い事するわけ?訳わからない…』

この様子は監視モニターで録画もされているし管理棟では女性SPが見ていた
K「この女性は一度もキッチンに立った事はないんでしょうか?」信じられないと報告書に書いていた。

一方の白井は…

彼の内臓は移植出来る物は全て移植し自力では動く事も出来ないくらいに衰弱していた。
白井「ドクター お願いだから早く死なせてくれないか」

ドクター「私は君と同じ事をしているだけだよ。君は同じような患者に最後はこう言ったと聞いたよ。【まだ角膜が残っている】とね。君の角膜は片方だけ残すように指示されているけれどね。何か見せたい物でもあるのかな?そういえば 君の患者の中に娘が行方不明になったと訴えた人がいるらしいけど知っているか?」
白井は真っ青になりながら「知らない!」と答えた。
ドクター「そうか…そのお嬢さんは海外で暴行されて亡くなったらしいんだよ。私がその娘の親なら…きっとあんたの娘も同じ目に合わせて欲しいと願うだろうな」 ドクターは静かに出て行った。

白井「待ってくれ…それだけは…それだけは勘弁してくれ…琴音は琴音は…私の宝なんだ。」 泣き叫ぶ声も力無く気を失ったようだ

その晩、白井はベッドに寝かされたまま島へと運ばれて行った。

最後の審判は類の記憶が戻ってから…楓達の共通の想いだった



花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします