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パズル29(2次小説:類つく)

このお話は花より男子の2次小説(類つく)です。作者様・出版社様とは関わりがありません。妄想の世界へようこそ…

〜司〜

主役の司はたくさんの来客の接待に忙しかったが、常に翼とつくしの事を気にかけていた。翼も初めての公の場所に緊張しながらも楓社長のそばでゲスト達とも会話しているようだった。もちろん、その傍らにはつくしの姿があり時々優しい目で2人を見つめる司の姿もゲスト達の話題になっていた

この大きなパーティーにマスコミもこぞって取材に集まっていたが、用意されたマスコミ用の会場でモニターを見つめるだけで他の会場に入る事は許されておらず不満を唱える記者もいたが、他の会場と同じ料理が並び後で写真撮影には応じてくれると話があり楽しんで待つ者も多い…

パーティー開始から2時間ほど過ぎた頃、秘書を伴い道明寺社長と司がマスコミ前に姿を現した

西田「お待たせ致しました。道明寺専務からご挨拶させていただきます。」
フラッシュのおびただしい光を浴び司が用意された壇上に登った

「道明寺司です。皆さんもパーティーは楽しんでいただけたかな?」
女性記者からは悲鳴が上がった笑笑

記者G「専務、お誕生日おめでとうございます。本日はご子息も拝見する事が出来、取材を許された事を光栄に思いっております。教育係の女性と共にインタビューさせてはいただけないでしょうか?」
1人の記者の発言を皮切りにそれぞれが教育係の女性の素性などを聞き出し『あの女性は昔、専務とお付き合いがあった方ではないですか?』なんて発言も飛び出した…黙って聞いていた司が壇上のマイクを取り

「今日のパーティーは海外からもたくさんの来賓が来て下さり警備の強化が責務です。皆さんには窮屈な思いもさせたようだが…憶測で記事を書かれたり報道されても困ると思い平等な形でここで受ける事にした。息子については誘拐などの心配もあり公の場に出す事は控えていたが父親の誕生日パーティーに留守番などありえないだろう?今日の為にピアノの練習も頑張ってくれて笑顔も見れた。それを後悔するような事はしたくない。教育係の女性についても同じだ…彼女は大変優秀な女性だからな、君達の憶測記事で仕事を辞めたいなどと言い出したら損失は計り知れないだろうな…もちろんその責任はきちんと取ってもらう。道明寺や美作…西門…いろんな所からの広告も無くなるだろうな…」
記者達は無言になった

「今日は多忙の中集まってくれたのにモニター映像だけでは君達も上司に怒られるだろう?この後、俺の仲間達が特別にメープルの庭園で写真撮影に応じてくれるそうだ。良かったら参加してくれ、準備が出来たら呼びに来る。それまで料理を楽しんでくれ、失礼する」

司が部屋を出た後、西田から取材に対してのペナルティーなどの説明があったが司の言葉に逆らおうとする記者はいなかった…その後の庭園では滅多に写真撮影など応じてくれない美作夫婦や西門総二郎と婚約者まで並んで撮影に応じてくれ道明寺HDからも公開OKな映像や写真が配られ取材陣達は喜んで帰って行った。
パーティーも無事終わり、メープルの司の部屋でやっと一息がつけた。今夜はここで仲間達と飲む予定だ。

椿「司、いい?」
パーティーの為にロスから家族で来てくれたね〜ちゃんが部屋に来た。

「あぁ 今日はサンキューな、疲れただろ?ピーターは?」

椿「司こそお疲れ様、良いパーティーだったわ。ランとムサシもつくしちゃんに遊んでもらって、ウフフ翼とも仲良くなれたわ。今はピーターと部屋でお昼寝かしら?せっかくだから4、5日滞在するわね、明日から屋敷に行くわ」

「あぁかまわねぇ。あんまり牧野を引っ張り回すなよ、あいつも疲れただろうしな。」

ね〜ちゃんは笑いながら部屋を出て行った。ね〜ちゃんの結婚も政略結婚だったがピーターはね〜ちゃんにゾッコンで3人の子供に囲まれて幸せそうだ…いつもは家族で帰国した時はアルフォード家の経営するホテルアルクに宿泊してるから屋敷にみんなで泊まるのも珍しいな…俺はそれくらいの感想だった

その後、シャワーを浴びて出て来たら着替えたあきらと総二郎がリビングで飲み始めていた。
総二郎「西田さんに中に入れてもらったぜ。司、29歳おめでとう!飲もうぜ」

「今日はいろいろサンキューな!あの女は現れたのか?」

あきら「さっそくそれかよ、お前のスマホに画像を送ったから見てみろよ」

さっそくスマホの画像を確認する。牧野を侮辱する発言は許せねぇな!
「やっぱりこの女…まだ隠してる事がありそうだな?だけど…なんで類は身を投げ出すように写真を掴もうとしたんだ?らしくないだろう?俺にちょっと考えがあるんだ、調べてみるつもりだ。この女はまだ泳がせておかないとな…」

総二郎「檀家から耳にしたんだが…白井の病院もかなりヤバいらしいぜ。検察の内偵が入るって噂もある。どうやら金城が裏で関わってるらしいんだが…臓器売買に手を出してる。警察に捕まったら手を出せなくなるぜ?」

「それは絶対に阻止するぜ。そんな生ぬるい終わりなんて許せねぇ!見張りを強化させないとな。滋の協力も必要だな」

あきら「滋には暴走しないように話してるんだぜ、まぁ準備は進めてくれてるみたいだけどな。そっちは司と総二郎に任せるぜ。俺はちょっと調べたい事があってイギリスに行こうと思ってる。まだ詳しくは話せないが手がかりが掴めたら報告するから」

総二郎「イギリス?類が落ちたのってもっと南じゃなかったか?」

あきら「あぁ…でもイギリス領の島もあの辺りの海には点在するしな。少しでも手がかりが欲しいだろ?」

「そうだな…そういえば桜子と優紀さんは帰ったのか?」

あきら「今頃かよ〜滋は仕事があるってパーティーが終わってすぐにPJで戻った。桜子はタマさんに陸を預けていたから今頃牧野と一緒にいると思うぜ。優紀ちゃんも一緒だろ?今日はメープルに泊まるんだろ?」

総二郎「あぁ、家元も類のことがあって俺の縁談には寛容になってくれて優紀と婚約出来た。今は西門で修行してくれてるけど大変だと思うんだ…たまにはゆっくりさせてあげたいしな。今夜は気兼ねなくここに泊まれるしな」
類が自殺したと思っている家元夫妻は総二郎と優紀の交際を反対するのを辞め、西門の内弟子として西門邸に住まわせている。一生懸命な優紀に家元夫妻は今では優紀を気に入っているようだった

「俺達の親も変わったよな」
3人はグラスを合わせた。


*****

〜琴音〜

その夜…省二はパーティーの後、会社に行ってしまい琴音は1人で帰宅した。直ぐに父親に電話を入れたが出てくれず、病院の受付にも電話した。『医院長はオペ中です』そう言われた…こんな時間(夕方7時)にオペなんて緊急なのかしら…ため息をついてお風呂に入ったがパーティーの事を思い出してイライラと不安が止まらなかった。
あの写真の女性…どこかでみたことがあるわ、送られてきた画像をもう一度開けて見た。私が省二と知り合ったのは留学先のハワイだったわ。彼に声を掛けられる前にもよく行っていたクラブで何度か見かけた事を思い出した…
『これあの店で撮ったものだわ』仲良さそうな2人のバックに店のロゴも写っているもの…彼はいつもグループで来ていて…何度目かに会った時に声を掛けられたのよね。確か仕事でちょくちょくハワイに来るってあの時言っていて、ハワイに来るたびにデートするようになって帰国後に婚約、結婚したんだもの。結婚前に付き合っていた女性がいたのも不思議じゃぁないけれど…あの女性の写った他の写真は別人のように痩せていて下着姿だった様な気がする。あれって…

やだ…今日はあの疫病神に会ったせいでナーバスになっているんだわ!省二は優しいし、私はセレブの妻を満喫出来ているんだもの、変な事は考えちゃダメよね!
不安な気持ちを振り払うように琴音は父親にもう一度電話を入れたが出てはくれなかった。この時すでに、彼女の父親が金城の罠に嵌っている事など琴音は知るよしもなかった。


花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします