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パズル44(2次小説:類つく)

このお話は花より男子の2次小説(類つく)です。作者様・出版社様とは関わりがありません。妄想の世界へようこそ…

〜つくし〜

3月…もうすぐ類の誕生日が来る。でも今の類は29歳には見えないよね…    私だけが歳をとっていく気分だよ。

つくし「類、そろそろ休憩したら?」

類はこのところアトリエで作品作りに没頭している。今書いている作品は今までより完成度が高いとケビンが驚いていて…

ケビン「すごいよ!つくし。ルーニーの文章が一段と面白くなっているよ。最初は短い文を私がつなぎ合わせるようにして小説にしていたんだ。3冊目くらいからは長い文も自分で書けるようになっていたけど、今回の作品は私が手伝う余地もない。素晴らしいストーリーで感動したよ…つくしのおかげだね」

つくし「え?私は何もしていないよ〜ねぇ見て?類が書いてくれた絵なんだけど…これ絵本にならないかしら?『旅立ちの島』と『夜の国』の絵なの。ステキでしょう?この頃は色々な色を使って描いてくれるのよ」

類は私と話しながらお話の中の世界を絵で描いてくれるようになって、自分でも頭の中の世界を整理しているのかなぁと感じるの

ケビン「ホントだ!これなら小さな子でもルーニーの作品を読めるよ!    きっとステキな絵本が出来る、ストーリーに沿ってもう何枚か描いてもらいたいけどルーニーに頼んでもらえる?それと…絵本の文章はつくしに書いて欲しい。 ルーニーの作品を熟読してる君に頼みたい」

私がそばにいてルーニー・ブラウンとしての類の才能が消えてしまわないか…それはケビンだけじゃなく私も不安だったの。だから楽しそうにファンタジーの世界を書いてくれる類にホッとしてるのも本音なの。

つくし「え?私に出来るかなぁ…でもやってみたいわ。翼にはよく本を読んでいたけど、こんな綺麗な絵でお話が読めたら喜ぶと思う!」

天使の類と生活していると翼の事もよく思い出すの…あれからずっと椿お姉さんのお屋敷で過ごしているって聞いたけど元気かなぁ…もう私の事なんて忘れちゃったかな?それは寂しいなぁなんて自分勝手な事を考えてしまう。

「キャンディ〜!キャンディ〜!」

私がケビンと楽しそうに話していると拗ねたような声で類に呼ばれる

つくし「は〜い。今行くわ」

ケビン「じゃぁ私は帰るよ。2、3日は実家に泊まるからまた明日来るよ。」

ケビンは類の機嫌が悪くなる前に退散する笑。

類とアトリエで絵を描いていたらRRRRスマホが鳴った。類はスマホは持たないからこの音が鳴ると不安そうな顔をするの…

つくし「桜子からだわ…ちょっと出るね。」

私はなるべく類の前で出るようにしていたの

****会話中***

つくし『桜子〜元気?』

桜子『こちらはみんな変わりはありませんわ。先輩こそどうなんですか?相変わらずキャンディなんですか?』

つくし『クスクス 相変わらずだよ。陸君はだいぶ大きくなったでしょう?』

桜子『はい。だいぶ笑うようになって美作家のアイドルですわ。そちらは何か お困りの事はありませんか?またお米を送りましたので食べてくださいね。』

つくし『ありがとう〜日本のお米は美味しいんだよね。類も好きなのよ。こっちは肉も魚も野菜もみんな新鮮で美味しいから太りそうだよ〜ハハハ』

桜子『笑い事ではありませんわ!お肌のお手入れとエクササイズはきちんと続けて下さらないと!本当はキャンディではなく先輩として愛していただくのが1番の美容法なんですけれど…』

つくし『///  それより、翼はどうしてるか知ってる?4月からは英徳の幼稚舎に 通う予定だったんだけど?』

桜子『翼君はNYのプレスクールかロスのプレスクールを選ぶと聞いていますわ。元気ですから心配は無用ですわ』

つくし『うん、そうだね。じゃぁそろそろ切るね』

桜子『また 電話させていただきます。』

****

「キャンディ…楽しそうだった」

つくし「そう? 」

私が他の人と話したりするといつも面白くなさそうにするの…それは前もそうだったから懐かしい。

「キャンディはどこにもいっちゃダメだよ」

類が私をギュッと抱きしめてそう言うと唇にチュッとキスをした。この島に来て初めてのキス…ただ唇に触れただけだけど驚いてしまう

「キャンディは僕のもの…」

ニコッと笑うその瞳は天使のまま…   少しずつ類の世界が現実に戻って来ているのを感じるけれど、私の事はキャンディのまま…類と一緒にファンタジーの世界から抜け出して来た存在のよう…このまま私はキャンディとして類の世界で生きるの? もう2度と『つくし』って呼んではもらえないのかな…


*****こちらは数日後の日本…

今日は優紀が美作邸に遊びに来ていた。

桜子「優紀さんが一人で来てくださるなんて珍しいですわ」

優紀「うん、お母様がたまには外出して来なさいって言ってくれたんだけど…     総二郎さんは仙台で講演だし、1人だと行く所もなくて…桜子ちゃんに会いたくなったの」

桜子「ふふふ 西門の皆様にも可愛がってもらえているようですね。そろそろお許しもいただけるのでは?」

優紀「うん、まだまだ学ぶ事はたくさんあるけれど最初の頃よりは重鎮の皆様のお小言も減ったかなぁ〜 家元も総二郎の婚約者ですって紹介していただけてるしね、ありがたいよ。」

桜子「もぉ〜優紀さんはあの西門さんの女遊びを卒業させた女性なんですから 自信を持ってください!」

優紀「ありがとう!つくしも頑張っているんだものね、私も頑張るよ。桜子ちゃんはつくしと電話してるのよね?相変わらずなの?」

桜子「えぇ まだキャンディらしいですわ。ご一緒のベッドで眠られているんですから、先輩から迫ってしまいなさい!ってアドバイスしてるんですけど…まだ実行していないようですわ。」

優紀「まぁつくしには難しいかなぁ…花沢さんにもし怖がられたらショックだろうしさ…」

桜子「えぇ… でもこの頃、花沢さんは少しずつ進化してるみたいですわ。あきらさんがケビン氏に聞いたんですけれど現実とファンタジーの境目が理解出来ているのがストーリーからわかるらしいです」

優紀「そうなの!それならつくしの事も思い出す日が近いかもね〜」

桜子「だといいんですけれど…この間『私はずっとキャンディのまま生きるのかも』って言ったんです。ちょっと寂しそうで心配ですわ…」

日本のみんなは二人の事が気になっていたが類の症状が悪化する心配があると島に行くのを我慢していたからつくしのその言葉は気になった

桜子「年度末が過ぎればあきらさんも少しは余裕が出来ると思いますし、陸も連れて行けると思うんです。優紀さんも予定を調整して下さいませんか?」

優紀「うん。総二郎もお花見のシーズンが終われば1週間くらいは休みも貰えると思う。みんなでつくしを励ましに行こうよ」

桜子「はい。楓社長にもお願いして道明寺さんにも来てもらいましょう」

優紀「あ!なんか考えてる顔してるヨォ〜桜子ちゃん。」

桜子の目がキラリ〜ンと光った気がしたのだった








花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします