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パズル40(2次小説:類つく)

このお話は花より男子の2次小説(類つく)です。作者様・出版社様とは関わりがありません。妄想の世界へようこそ…

ケビン(34歳)

つくしがこの島に来て5日目、今日も朝から島の大工がアトリエで作業中。つくしが料理が出来るようにキッチンを広くしたり、バスルームにもバスタブを入れ脱衣所には洗濯機も入れ類の寝室には新しいベッドも用意される。これらは山中さんの上司が送って来るんだ、その為に急ピッチで仕事を頼んだ。

ケビン「やぁルーニー、今日もうるさくてごめんよ。」

つくしが作業しているみんなにお茶を出したり話をするからルーニーは機嫌が悪い。私の声なんて毎日、完全無視だ

ケビン「荷物も夕方には港に着くし作業は今日で終わるからね。」

つくし「美作さんからも日本のお米やお醤油、味噌も届いたの。明日は類にお味噌汁を食べてもらえるわ。ケビン、山中さん達にも家も用意してくれたんでしょう?ありがとう。もう大丈夫だから帰国してと言ったけれど私達の友人は心配性なのよ…」

ケビン「ヤマナカはそれでもあのテントで寝ると言ってたよ。用意した家はここから10分はかからないと思うけど、何かの時は直ぐに駆けつけたいからだってさ。ドクターは姫を守るニンジャみたいだって言ってる笑」

【キャンディ、散歩しよう】

私がつくしと話していたら手を引いて外に出て行ってしまった…やれやれ😅でも自分から外に出ようとしたのにも驚いた。今まではこのアトリエから出ることを嫌がり隣の病院に連れて行くのも大変だったんだ。庭にある大きな木の下に並んで座って楽しそうに話している2人を見ていたら…

ドクター「ルーニーの顔つきが変わったね。今は現実の世界に戻っているようだ…でも相変わらずの天使だから彼女も戸惑うだろうなぁ…まるで母親のようにも見える。寝室の監視カメラはもう外したけれどね笑。」


****ちょっと前のひととき***

ルーニーはつくしをキャンディと呼んで今もお話は書いている。今まで以上のペースで書いているんだ…毎朝つくしから原稿を渡されて読むが内容も面白い。

ケビン「へぇ〜妖精キャンディは今度は少年ロイドの肩に乗って冒険するんだね」今までは側を飛び回ってついて来ていた

ルーニー「今は手のひらにも乗ってくれる」

ルーニーのストーリーの中でもキャンディは変化しているみたいだ。ルーニーは僕達と話す時は相変わらず「英語」で話す。つくしにだけ【日本語】

ルーニー【キャンディ、物語の中では君は小さいままなんだ…でも僕の肩の上で笑ってくれるようになったよ。】

******

きっとあの木の下でもストーリーの話をしているのかな?編集者としてはありがたい事だよ。ただしばらくは新作の出版は保留にしている

予定より早く港に荷物も着いてアトリエの改築が終了した。冷蔵庫の中にも島の新鮮な野菜や魚、肉が沢山入っていた。

つくし「この島は海も山もあって島民の皆さんが自然とうまくつき合っているよね。こんな新鮮な野菜や魚、お肉だって牧場から直送でしょう?贅沢だよね…今夜は類の好きな物を作るわ、ケビンも食べてね。ドクターご夫妻も招待しようかしら?」

【僕はキャンディがいれば良い】やっぱりルーニーは拗ねている。

つくし【類がとってもお世話になっている人達にお礼がしたいの。ダメ?】

つくしが上目遣いでルーニーを見て手を合わせる////これはちょっと私もヤバい

ルーニー「ケビン、呼んだら来ていい」

ルーニーが頬を赤くしてそう言ってくれた。これからルーニーが何かわがまま言ったらつくしにお願いしてもらおう…私は思った。

ドクターの所で美作に今日の報告のメールと新しくなったアトリエのキッチンの画像を送った。1時間ほどでアトリエから電話がありドクターと夫人と3人で向かう、テーブルの上には沢山の料理が並べられていた。

つくし「日本の家庭料理ばかりですが食べて下さい。ご飯は食べやすいようにおにぎりにしました。」

初めて食べる物ばかりだったけれどとても美味しい。薄味だけど野菜や魚の旨味がよく出ている…

ドクター夫人「どれも美味しくて体に良さそうね!今度作り方を教えてね」

ドクター「あぁ本当に美味しい。これは患者さん達にも合うかもしれないなぁ」

みんな美味しそうに食べているからつくしも嬉しそうだった。ルーニーはいつも食が細くあまり食べないからドクターがサプリなどで栄養を考えていたが、今日はつくしが皿に取り分けた物をちゃんと食べていた

つくし【類?どうしたの?】

つくしの声にルーニーを見ると…ルーニーの瞳から涙がポトリと落ちた

【わからない…これ食べたら涙が出てきた】

ルーニーが口にしたのは黄色いふわふわの玉子?

つくし「昔も私の作っただし巻き玉子焼が1番好きって言ってくれていたんです」

つくしの目からも涙が溢れた…

つくし【これは玉子焼よ。類は昔から好きだったよ】

そんな2人の姿を見て夫人も涙を流して「記憶を失ってもつくしの味を舌が覚えていたのね…感動だわ」と呟いた

ルーニー【毎日…これ食べたい】

そのお皿を自分の前に寄せて1人で食べながら日本語で何か言っていた。結局、僕たち3人はその感動的な玉子焼を食べる事は出来なかったんだよね

****

〜つくし〜

類はいつも夜10時前にはベッドに入る。私の手を握って【離れないでね】と言うとスヤスヤと寝息を立てるの、最初は慣れなくてなかなか眠れなかったけれど、類の寝息を聞きながらそっと胸に寄り添うと私もグッスリ眠ってしまう。朝は6時前には目が覚めるからそっとベッドを出て朝食の準備を始めるの…島の空気は美味しくて健康的な生活だよね。類はいつも7時過ぎまで眠っているので私は

つくし【山中さん、おはようございます。これ良かったら食べて下さい】

お弁当を作って庭の手入れをしてくれる山中さんに持っていく。

山中【つくし様、ありがとうございます。私の事は気にしないで下さい】

つくし【それは私のセリフです。こんな長閑な島ですもの心配ないので他の皆さんと一緒に家で寝て下さい。】

山中【あのテントは司様が用意して下さったのでとても快適なんです。他の奴らのいびきを聞きながら寝るより快適なくらいです。】

そう言ってテントに戻って行った。類の起きている時間は姿を現さないようにしてくれているらしい。

【キャンディ〜キャンディ〜】 寝室から類の声が聞こえる…これも毎朝の事。

つくし【おはよう類。朝食を作っていたのよ】

【キャンディは僕の側を離れちゃダメ】

ふふふ…可愛くてヨシヨシなんてしちゃうけど、これって正解?

類がドクターの検診を受けるタイミングで桜子に電話を入れて近況を話したら

桜子「先輩!それじゃぁ先輩はママみたいですよ!いけませんわ!ご一緒のベッドで眠られているんですよね?ご自分から誘惑してみたらどうですか?」

言われてしまった笑。でもね…今は一緒にいられるだけで奇跡みたいだなぁって思ってしまうの。



花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします