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パズル25(2次小説:類つく)

このお話は花より男子の2次小説(類つく)です。作者様・出版社様とは関わりがありません。妄想の世界へようこそ…

現在(つくし28歳、翼5歳)

正月休暇も終わり1月初旬

「つくし…やっぱり今日は陸君の所にお泊まりするの?」

つくし「うん…ごめんね。美作の皆さんが急なご用事で何日か留守になるの。陸君はまだ小さいから連れていけなくて…桜子と2人だと心配だからって夢子さんに頼まれたの」

「…陸君の所にもメイドさんはいるよね?」
やっぱりこんな理由は翼には通用しないよね…

つくし「そうね…でも桜子にはたくさんお世話になったから手伝ってあげたいの。3つ寝たら帰って来るからね…約束する。」
翼は涙をいっぱい浮かべて…それでも頷いてくれた。

ごめんね…3日も離れるなんて初めてだもんね。でもね…少しずつ私が居ない事に慣れて欲しいの。最初は寂しいだろうけれど…今ならまだ忘れてもらえるかもしれない。翼はとっても賢い子だから新しい環境にも慣れるはず…
その後、翼は部屋から出て来なかったけれど、私も顔を見ないで美作邸の迎えの車に乗った。きっと部屋で泣いてるんだろうなぁ…そう思うと私も涙が止まらない。

その日の夜 道明寺邸
〜翼〜

お休み前の支度を整えるとメイドは部屋を出て行った。僕は一人でベッドに入るもう5歳だから1人だって大丈夫…泣かないんだ
トントン 部屋がノックされてドアが開いた。

「誰?つくし? 帰って来たの?」
僕はベッドから飛び起きた。

「ちゃんとハミガキはしたのか?」
入って来たのはパパだった…こんな早い時間に邸にいるの?

「パパ…どうしたの?もうお仕事終わったの?」

「たまには絵本でも読んでやろうと思ってな、好きなの読んでやるぞ」
そんな事は初めてだったから翼は大喜びでベッドから飛び出し絵本を何冊も抱えて戻って来た。

「おい!毎晩こんなに読んでもらってるのかよ?」

「えへへ…つくしは僕が眠くなるまで読んでくれるよ」
やれやれと司は翼の横にコロンと横になり絵本を開いて読みはじめ、チラッと翼を見るとポロポロと涙を流していた

「翼?どうした?」
司が優しく頭を撫でてあげると…

「つくし…陸君の方が大事になっちゃたのかな?小さいし…髪の毛だってサラサラで僕みたいにクルクルしてないでしょう?僕…つくしがもし陸君の所から帰って来なかったらって考えると…ヒック…どうしようって…」

「そうだなぁ…あいつがこの邸にいないのはお前が生まれて初めてだから心配になるよな〜でも3つ寝たら帰って来るって約束したんだろう?  俺もそう聞いてるぞ」

「…うん」
「あいつはお前にウソはつかないだろ?」
「うん」
「それなら…早く寝ろ!そうすればあいつが帰って来る日が早くなるぞ」
「そっか!うん。パパおやすみなさい。絵本も読んでくれてありがとう!けっこう上手だったよ、つくしには負けるけどね」
しばらくすると静かな寝息を立てはじめた翼だった。司は寝顔を少し見てから静かに部屋を後にした。そしてそのまま待たせてあった車に乗り仕事に戻った。

戻る車内でスマホから牧野にメールを送る『翼は心配ない。ぐっすりと寝てる』と。それは夕方彼女から送られて来たメールの返事だった。
『道明寺へ 予定通り美作邸に着きました。翼が寂しそうだったので今夜はなるべく早く帰ってあげてね。お願いします』
牧野が俺が仕事中にメールを送って来るなんて滅多に無い事だ。やっぱり翼の事が心配なんだろうと俺も様子を見に戻ったけど、翼の涙は辛いな…
あいつの誕生日に時計を送ったのは『そろそろ2人の時間を進めてみないか?』 そんな気持ちからだったが…あいつは何かを考えている気がする。今回の美作邸への宿泊も今までだったら断っていたはず…あきらのお袋さんからの頼みだから無碍に断る事も出来なかっただろうけどな。
翼が何かを感じている様に俺もなぜだか不安になる…あいつは俺達から離れようとしているのか?そんな事はさせない!お前はずっと俺達の側にいろ!そう言いたいが…今のあいつの笑顔が本物じゃぁないのもわかっているんだ… 車窓からの景色はまるで暗闇に吸い込まれて行くような気がして目を閉じた。

***一方 つくしは…
チラッ…腕時計を見る

桜子「先輩、また見ましたよ。翼君なら心配しなくても大丈夫ですわ」
つくし「うん…わかってる。」

目に涙を溜めて頷いてくれた翼の姿を思い出す…ごめんね。ちゃんと眠れたかな…

桜子「先輩、そんなお顔しないで下さい。先輩が翼君のお母様になってあげる覚悟がおありでしたら、桜子は何も申しませんわ。でも…そうでないなら1日も早く道明寺のお屋敷は出るべきだと思いますわ。ここに来てくだされば何の心配もいりません。翼君にだって会えますし、花沢さん探しのお手伝いも致します。本気で考えていただけませんか?」

つくし「ありがとう桜子。私もこれ以上道明寺に甘えるわけにはいかないって思ってる。だからと言って美作さんに甘えるのも… もう行方不明者じゃないから就職も出来るし、楓社長からはお給料も頂いてるの。使う事もほとんどなっかたから暫くは生活出来ると思うの」
桜子はため息をつくとジロっとつくしを睨んだ。

桜子「それ…本気で言ってます?1人で生活なんて絶対に阻止されますわ。もちろん、美作だって見過ごしません。バカな事は考えないで下さいね。それより…私に相談があるっておっしゃってましたよね?」

つくし「あぁ…うん。笑わないで聞いてね」

**つくし回想(大学3年頃)**

つくしのバイト先の幼稚園、迎えに来ていた類もいつの間にかお手伝いを頼まれるようになっていた。

つくしが園児のお絵かきに花丸とひとことを書いている
「牧野…つくし先生の名前の後ろのマークって何?恐竜の足跡?いつも書いてあるよね?」

つくし「え/// ひど〜い!! 園児達はちゃんとわかってくれたよぉ〜つくし先生マークはチューリップだって、私の大好きな花だからマークにしたんだよぉ〜」

「大好きな花//// ごめん😅そっか…嬉しいよ。それじゃぁやっぱり園児に書いてあげないで?そのマークは俺だけが良い。ほら…ここに◯を入れると足跡に見える。今度から恐竜の足跡マークにしたら喜びそうだよ」

つくし「もぉ〜なんか誤魔化された感じ!どうせ私は絵が下手ですよぉ〜 ふふじゃぁ類はここにウサギさんとリスさんを書いてね。私はどんぐりを書くから」
2人で笑いながら教室に飾る絵を描いたの
*********

つくし「これ…この挿絵のルーニーのサインの横、このマークがその時の絵に似ているの。きっと偶然なんだって何度も思い直したけど…なんか気になるの。 翻訳版を読んだ時には感じなかったんだけど原書で読んだら…主人公の女の子が私にちょっと似ているかなぁと思うようになって…桜子も読んだんでしょう?どう思う?」

桜子「確かに…私もあきらさんもこの主人公は先輩みたいだね。って話していました。実は…あきらさんは今、イギリスの出版社を調べているんです。ルーニー・ブラウンの事は出版社でも担当者しか知らないようなんです。3、4年前に小さな出版社から初版本が発表され…あっという間にベストセラー。その後大手の出版社から作品が発表されています。調べてもそれくらいしか出て来ないと現地の調査員が言うくらい謎の人物らしいですわ。先輩はルーニーが花沢さんだと?」

つくし「うん…もしかしたらって思ってる。ルーニーに会ってみたいの…だんだんその想いが強くなっているの」
つくしの瞳からは涙が溢れた…

桜子「わかりました。私とあきらさんに任せて下さい。きっと現地の出版社に何か聞き出してみますわ」

何かが動き出す予感がした。


花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします