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パズル70(2次小説:類つく)

ケビン「その質問にお答えします。昨年の冬 美作あきら氏から面会を求められ
『ルーニー・ブラウンは私の恋人ではないか?記憶が無いのでは?』と言う
女性に会いました。ルーニーは日本語を話した事も1度もありませんでしたし
『人違いだ』と言いましたが…その女性はルーニーが書く妖精に似ている事にも
気づきました。でもルーニーの記憶喪失の事は医師と私の家族以外誰も知らない事です。私はルーニーを守る為に会わせませんでした。でも…その女性は諦めませんでした。その熱意に私もその女性の言葉を信じてみようと思いました。

ルーニーは彼女に会った途端、日本語で『キャンディ やっと会えた』
そう言いました…キャンディは彼のファンタジーに出てくる妖精の名前です。

その女性はルーニーのファンタジーを読んで彼が花沢類だと思ったそうです。」

あきら「私も初めは信じられませんでした。類を失った彼女がそう願っているのだと考えましたが彼女は真剣でした。私達がイギリスに渡っている間に
道明寺副社長が新たな証言者を見つけ出し類の転落場所が間違っていた事も
わかり点が線に繋がっていったのです。
ルーニーは彼女にだけわかる何かを小説の中に無意識に
書いたいたんでしょう。彼女もそれに気がついた…凄い事だと思いました。」

記者達は言葉を発する事も出来ず聞き入っていた。女性記者は涙を流していた

ケビン「ルーニーは彼女に会ってからもしばらくは現実の世界に戻れず
彼女をキャンディと呼んでいました。それほど心に深い傷を負っていたんでしょう。それでもルーニーが彼女を大事に思っているのは誰の目にも明らかでしたので見守る事にしました。そして彼の友人達の協力もあり全てを思い出したのです」

気がつくと類は壇上の席を離れていた

控室…

「つくし、みんなの前で俺達が結婚した事を知らせよう
翼、ごめんね。」

つくしは護の話しを聞いて涙を流していた。そんな彼女の涙を拭いて
類がそう囁いた…

再び現れた類とエスコートされたつくしに会場中が立ち上がって拍手をしている

「紹介します。私の妻のつくしです。」

アップスターの花模様に包まれたつくしはとても綺麗で記者達も見惚れている
それを見た類は
「記憶を失っていた時は小さな妖精になっていつも側にいてくれました。
彼女を人間に戻して抱きしめる為にファンタジーを書いていたのだと思います
彼女はその小説を読んで私に辿り着いてくれました…目の前に現れた時は妖精
キャンディが人間に戻ってくれたと信じていました。
直ぐに彼女を思い出せなかった事に自分を殴ってやりたい気分ですが…
それでも彼女はそばにいてくれました。
記憶を取り戻せたのは情けない私に司が喝を入れてくれたからです。
私はみんなに支えらて生きていられました。この場を借りて感謝を伝えたいです。
私にはずっと、つくしだけでした。やっと全てを思い出し花沢類として彼女を
妻に迎えることが出来ました。もう2度とこの手は離しません。
『つくし 愛してる』」

類は壇上でそう言うとつくしを抱きしめた
真っ赤になって固まるつくし…
女性記者からは羨望の眼差しと悲鳴…今日1番のフラッシュの光…

壇上のメンバーは笑いながら拍手をしているが司の額には青筋が…笑笑
「あんなの聞いてないぞ」
あきら「世界中に牽制してるんだろ」
コソコソと話していた

この熱で記者会見は暖かい拍手に包まれ終了した。
まだまだ質問があるようでケビンはアップスター社の会見を後日 
改めて行う事を約束した。

その記者会見後、日本では『ベストセラー作家 ルーニー・ブラウンは日本人だった』の大きな見出しと類とつくしの抱擁シーンの写真の号外が配られ
新聞、ニュース番組など大騒ぎだった

会見の翌日 道明寺邸

「世界中、お前達の写真ばかりだな。まったく…」

どの新聞も類がつくしを抱きしめている写真がトップで扱われていたから
司は不機嫌さを隠さない

「でもつくし、すごく綺麗だと思うよ。」

「ありがと、翼。でもケビン、この写真は2度と使わないようにって
アップスター社の会見で伝えてね。
世界中につくしのかわいい姿を見せるなんて許せない」
あきら「お前があんな大胆な事をしたからだろう?予定では翼がエスコートして
舞台に上がるはずだったのに、気づいたらいなかった」
「翼はつくしの手をずっと握ってたんだよ?ちょっと妬けた」
つくし「もぉ///類… 私が緊張で顔色も悪かったから翼が心配してくれてたの
そのおかげで顔色の悪い写真じゃなくて良かったけど…これは恥ずかしすぎる」
ケビン「昨日から2人のロマンスの物語は出版しないのか?って問い合わせが
凄いんだよ。会見でもきっと聞かれると思う…類も出席してよ」

今日は午後からアップスター社の代表としてケビンが会見予定
あきらと司も同行するけど類は欠席
「会社の事はケビンに任せるよ。俺が出たらつくしの事ばかり聞かれるよ」
ケビン「俺達でも聞かれるとは思うけど?」
「新しいストーリーが浮かんだから忘れないうちにメモしようかなぁ〜」

今日もNY道明寺邸は明るい笑顔に包まれていた

アップスター社の会見も無事終わり、司はその日のうちにシカゴに出張に出た

亜里沙「類、つくしちゃん、私も明日牧野さん達と一緒に日本に行こうと思うの。護さんに会って2人で改めて牧野家にお詫びにも行きたいの」

つくし「お詫びの必要なんてありませんが…お義父様もずっとお一人で淋しい
でしょうから顔を見せてあげるのは良いですね。
でも…島には戻ってくださいね」
亜里沙「ありがとう。もちろん戻らせてもらいたいわ」

つくしは『お父様と一緒に戻って下さい』と本当は言いたかったけれど
類の気持ちを考え今はまだ口には出せなかった。

「まだ完全に体力が戻ったわけじゃないんだから無理はしないでよ。
父さんには…会見ではありがとと伝えて」

その言葉に亜里沙は涙し「ありがとう。伝えるわね」そう答えた
つくしは類の腕をギュッと握り笑顔を送った
類は照れ臭そうにつくしの肩を抱いて部屋を後にして…

「許せたわけじゃないから…」
ボソッと言ったけど、つくしは今はそれで十分だと思っていた


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亀更新ですが、今年もよろしくお願いします


花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします