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Digital Nature:Embracing Pluriversalism and Inclusivity at #SXSW2023

コロナ禍が突破された感が半端ないSXSW2023. 久々のフィジカルの基調講演.喜びを共有したい.

この計算機の速い速度の進化を考えるために新しい自然デジタルネイチャーを定義してみよう.
デジタルネイチャーという仮定をおけば,元来の自然が計算機と融合して,新しい自然を形成して進化し続けているという姿が見えてくる.
デジタルネイチャーの上に生まれる,デジタルヒューマンや我々の今後を考えれば,我々は生死の境界線を乗り越えて,新しい進化する生命の分岐点の上で自然を構築している.大規模言語モデルを見てもその進化はあらゆるものを変換させ,新しい形に作り替えている.
すなわちこの流動的で高速に進化するデジタルネイチャーは万物を変化させ,音を光に光を言葉に言葉を触覚に触覚を立体に立体を遺伝子に遺伝子を映画に映画を人生に,あらゆるものを高速で変化し続ける.その思想的バックグラウンドを掘り起こせば中国の老荘思想や日本の華厳思想に通じている.
デジタルネイチャーを新しいコモンズと考えれば,豊かな自然環境の中で定在する遊牧民として暮らしていく道が見えてくる.このコモンズは非質量の自然も含み,分割しても減ることのない,共有可能な新しい自然環境である.その世界を縄文時代のようなある種の定在遊牧性の時代と捉えることはできないだろうか.
この自然環境はインクルーシブに違うコミュニティ同志の会話や情報交換,理解の促進に役にたつ.AIは万能の通訳として体験を翻訳してくれる.メディアアートはデジタルネイチャーの新しい民芸として,コミュニティを横断して理解を促したり,新しい価値観を構成したりする新たなバナキュラリティを持っている.
デジタルネイチャーを仮定し,持続可能な物質的自然を構成するようにあらゆる変換を行いながら,喜びを共有しコンヴィヴィアルに暮らせるようにしていくのがこの時代の人の生きる道だろうと私は考える.

Digital Nature:
Embracing
Pluriversalism and Inclusivity

人生は4年分前に進み,時計のはりは戻ることがない.
全ての時間にありがとう.

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落合陽一が「今」考えていることや「今」見ているものを生の言葉と写真で伝えていくことを第一に考えています.「書籍や他のメディアで伝えきれないものを届けたい」という思いを持って落合陽一が一人で頑張って撮って書いています.マガジン開始から2年以上経ち,購読すると読める過去記事も800本を越え(1記事あたり5円以下とお得です),マガジンの内容も充実してきました.

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