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お腸夫人・初めての入院〜その1〜

それは突然やってまいりました。

初めて潰瘍性大腸炎と診断されてから1年半が経った頃。
もとより、潰瘍性大腸炎と診断されていても
これといった治療も服薬もなく、体調も安定しておりましたので
病気前と何ら変わらない日常を過ごしておりました。

特にその年(2016年)の5月は、ワタクシの仕事が忙しいだけでなく
夫も仕事のプロジェクトが大詰めを迎え、さらに試験も重なり
終電の毎日。

ワタクシの仕事が入稿を終え
夫のプロジェクトが完了し、試験も終わったタイミングが同時で
お疲れ様!と乾杯した翌日、始まりました。

下血。

久しぶりで驚きましたが、腹痛はありません。
出血も微量でしたし、お通じも少し緩やかな程度。

きっと、初めて診断された時の様に、お薬を少しもらったら治るだろう。
と思っていました。
何しろ翌日は、家族の病気の説明を聞きに
名古屋の病院に日帰りで行かなければならないのです。
ワタクシが病に倒れる訳にはいかなかったのです。

そして名古屋へ行き、やるべき事を全うし、ホッとしたのでしょう。
ついに大腸が暴れ出しました。
腹痛と出血が本格的に始まったのです。しかも、激痛。

お手洗いには、5分置きに通いました。
何かを食べたら、直接大腸に届いたのかと思うほど、すぐおトイレへ。
ついには水分を飲んだだけでもお腹が痛くなるので
何も食べられず、何も飲みたくなくなりました。

横になっても、縦になっても続く痛み。
腸が、誰かの手でぎゅーーーーーーーっと絞られる様です。
我慢とか、様子を見ようなんて言葉は一切浮かばない。
これぞエマージェンシーと言わずに何という。

慌てて以前検査したクリニックへ電話すると
「本日は休診日となっています…」
留守番電話のメッセージが虚しく響きました。

信頼しているクリニックですから、他をあたるより
1日だけ我慢して、明日の朝イチに電話しよう。
そう思って耐えた1日の長いこと。長いこと。

手に汗、額に脂汗。
痛みと恐怖で手が震え、顔は土色。
生まれてはじめて経験する激しい痛みに
洗面台の鏡に写る自分の顔が10歳老けて見えました。
これは一体何が起こっているのか。。。
不安で頭がパニックになりそう。

その日の夜は、痛みで一睡も出来ず
激しい痛みに、文字通り、のたうち回り続けました。
しらじらと夜が明けた頃、疲れと痛みで
ほんの一瞬、寝落ちというか、気絶しかかりました。その時

自分が金色の光になって「わ〜〜〜〜〜い♪」というテンションで
フワッと上がる感覚になったのを覚えています。

痛みが酷いあまりの妄想でしょうか?
しかし、それもほんの一瞬。
すぐさま、痛みに意識が戻されました。

この1分1秒の地獄の長さ。拷問という言葉がピッタリです。
やっとの思いで、診療時間を迎えた時は
震える手で、電話をかけました。

本来でしたら、きちんと腸洗浄剤を飲んで
腸を綺麗にしてから検査をすることは充分承知しております。
しかし
2日間何も食べていないこと。
トイレに行く頻度が5分置き。
お通じは殆ど無いのに、血だけが出ること。
眠れないほど腹痛が酷く、水分を摂っただけでお腹が痛くなることを
強く訴えたところ、すぐにクリニックへ来て下さい。とお返事頂きました。

そして、クリニックへ駆け込み
軽く処置をして内視鏡検査へ。

そして先生に言われたことは
「明日の朝イチの予約を取ります。大学病院へ行って下さい。」
大腸全体に炎症が出来ていると。

検査しただけなのでもちろん腹痛や出血はそのまま。
途中何度も電車を降り、腹痛と戦いながら帰途に着き
また、痛みで眠れぬ夜を過ごしました。

…つづく…


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