ウルトラスーパーやばミラクル

恵比寿のライブハウスにひとり。

今年3月のこと。

はじめてのひとりライブがライブハウス、初電子チケット、これはもう完全に音楽通と言ってもいい。

早めにグッズを買って、早めにロッカーをとって、ドリンク代500円とiPhoneをポケットに、充電もバッチリ。しかし、開場までのかなりの時間本当に何をするのか、携帯の画面から目を離せない。何をみているわけでもないし、少ない友達からLINEの返信が届くわけもなく、何度も開くTwitterとInstagramのタイムラインに動きはない。
上着も財布もロッカー、身ぐるみはがされた気分でもう身動きはとれないし、電子チケットははじめて開いた日から左上に謎の時間が刻まれていくのがおそろしいし、開く度に不安になる。開場の時間が近付くにつれ、あれよあれよとギューギューになり、あれよあれよと開場したと思ったら、あれよあれよと2列目くらいにいけてしまった。

そう、あれよあれよと好きになったあの人。

誰も知りたくなくても絶対書きます。

吉澤嘉代子です!

彼女はとにかく久々に超がつく天才だなあと思ってしまった人。

aiko好きの方がブログで紹介していて、残ってる、東京絶景を聴いたのが最初だったのかな。この雰囲気だけだったら正直物足りなかったかもしれないけれど、嘉代子さん振り幅が恐ろしい。妄想系個性派シンガー、魔女修行育ち、それだけ聞くと何となく胡散臭さ漂うけれど、妄想好きの私でも到底敵わない妄想力に、その世界があたかも実在するかのような表現力と歌唱力にドキドキとロマンティックが止まらない。言葉選びのセンスが素晴らしくて、どの曲にも埋め込まれているキラーフレーズに唸りまくってしまう。

その中でも、アルバム屋根裏獣の一曲、一角獣の歌詞

読みかけの本があるうちは守られている気がしていた

クゥーとなりませんか?
控え目に言って最高!、禿同!やばみ!とか、もうこれ以上浮かばないんですが、語彙力のない私の頭の中は称賛の嵐で。やばみの「み」ってなんですか?やば味?やばい雰囲気みたいな?そんなもんじゃあないのでやばみは却下します!
家には読みかけの本、私は今日も明日もゆっくりと読み進めるの、その間は学校がつまらないことあの子が振り向いてくれなかったこと全部全部忘れて夢中になるの、え、もしかしたら私を守ってくれてるの?控え目に言って本って超絶頼りになんじゃん、ヤバイ!
最近の歌だとこのくらいの長さで表現されるであろうところを、そこは嘉代子さん、キュッと少ない言葉で美しく表現してしまう。

ライブは想像の上をさらに上回るような素晴らしさで、歌とバンド演奏の素晴らしさに加えて、どこまでも果てしなく可憐な立ち姿、言葉を選びに選んで大事に話してくれるMC、バンドメンバーとのなんだかおかしな掛け合いなど、一挙一動にとことん見惚れてしまった。隣の女子が漫画のようなキラキラな目で嘉代子さんをずっと見つめていたのがまた印象的で、女子をここまで惹きつけるとはただモンじゃないねあんた、と自分の中のちびまる子が呟いていたりしたような気がしたりしなかったりする。

バンドメンバーさんもめちゃめちゃな最高ぷりで、バンドさん わたしはかよこ みにきたの、と、自分の中の友蔵が心の俳句を詠んだりしていたような気がしたりしなかったり。
ベースのハマさんが私の目の前にいらっしゃいましたが、他のメンバーを紹介してる時にスッて居なくなってた気がしました。まさか、邪魔にならないようにだったらスーパーやばみLOVEです。靴下左右違う色はいてましたよ、んなの誰が見んだよ。見てるよ私が。

まあとにかく、嘉代子さんだけでなくバンドメンバーもやばみの凄みの極みだった、という吉澤嘉代子ウルトラスーパーミラクルツアー、私のおひとりさまライブハウスデビューでした。

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赤いストローを沢山仕入れます。