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Gann Pivot

Leviathan Pivot というTrading View用インジケーターを以前に公開した。

これは15分足よりも短い時間軸で使用するという制限があった。
そこで15分足より長い時間軸に対応するバージョンを今回公開する。

Leviathan Pivotと区別するために今回のものをGann Pivotと呼ぶ。
いわゆる「intraday」対応ということで、具体的には

4時間足
2時間足
1時間足
30分足
15分足
13分足
10分足
5分足
3分足
2分足
1分足

の時間軸に表示することができる。

加えてもうひとつ変更点がある。
Gann Degree(ギャンの角度)をパラメーターから選択できるようにした。
これについてごく簡単に説明する。

Leviathan PivotおよびGann Pivotは、前日の日足の4本値を基に上値抵抗線(レジスタンス)と下値抵抗線(サポート)のレベルを算出する。この仕組は一般的なピボットと同じだが、ボラティリティを考慮して値幅を決める工夫を加味してある。

さて、レベル算出にフィボナッチ数値を使う「フィボナッチピボット」があることは諸兄姉先刻ご承知のとおりだ。Gann PivotとLeviathan Pivotは、ギャンのSquare of 9に拠る計算式を使ってレベルを算出する。

今この稿でSquare of 9について解説するいとまと気力はない。私にそれがないという以上に、解説を読むいとまと気力がこのnoteを読んでいる人にはないだろう。それは難解で長ったらしい解説になるであろうから。ここでは角度についてだけ触れる。

「ギャンの魔法陣」と呼ぶ人もいるSquare of 9は、中心から始めて時計回りにぐるっと360度一周する。仮に始点が「1」であれば「361」で終わる。実際には、「1」のところに起点とするべき価格を代入する。

こうして算出された数値の中で特に重要で注目すべきは、縦横斜めつまり90度、180度、45度そして135度にある数値だとギャンは言う。

Leviathan Pivotは、180度の数値で上値抵抗線と下値抵抗線を描画する。「180 Gann Degree」というものだ。Gann Pivotは、デフォルトは「180」だがパラメーターから45、90、135を選ぶことができる仕様とした。

実は、銘柄の内部構造によるサイクルの違いで、その銘柄に最も適切な角度は異なる。短期足で用いるならそれは誤差の範疇で片付けていい。実際にはラインではなくゾーンで捉えるのだから。けれども、4時間足や1時間足などの場合には、トレード判断に支障をきたしかねない差が生じることもありうる。この観点から今回のバージョンでは角度を選べる仕様とした次第である。

では、具体的にソニーは45度が適切なのか、それとも180度か。あるいは、テスラは135度なのか、等々は個別に調べなければわからない。過去チャートに表示させて、一番効いているラインは何度のものかを検証するしかないのだ。「それは煩雑にすぎる」というなら、デフォルトのままで使えばいい。厳密であることを追求するなら、気が済むまで検証すればいい。

Leviathan Pivotの記事のなかでも断ったが、私はこれを個別株と先物の短期足トレード(3分足を使うことが多い)のために開発した。15分足以上の長期足やFXにおける十分な検証を私は行っていない。あくまで使う人の自己責任で願いたい。

具体的なトレードの例をひとつ提案してこの稿を閉じる。

青のラインより上を買い場
黄のラインより下を売り場
と捉える。ピボットのTCとBCのような役割だと考えていい。

青のラインをブレイクしたら買う。
その上の各ラインで順次分割決済。
黄のラインを下抜けたら売る。
その下の各ラインで分割で順次手仕舞う。

グレーのラインは緑や赤より抵抗力が弱いと想定する。
ピボットに例えればmid-pivot(中間ピボット)のようなもの。
グレーのラインでは保有して緑のラインと赤のラインに達したときだけ手仕舞うという決まりでもいい。

または、グレーのラインと緑・赤のラインで決済する枚数を変えるというのでもいい。つまり、グレーでは緑と赤よりも少ない枚数を手仕舞っておくということだ。

なお、私はVWAPを併せて使っている。Trading View標準搭載のVWAPは標準偏差をバンドとして表示することができる。つまりVWAPに基づくボリンジャーバンドである。私は±1σのみ表示させている。VWAPおよび±1σは抵抗・支持としてよく機能する。見方や使い方は一般的なボリンジャーバンドと同様と考えて構わない。


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