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Ver.4

◎3月
世間は忙しなく過ぎ去るひと月。頭が引っ張られるてんかん発作のような症状も落ち着き、少しずつ快調へと向かっていくのを実感した。動かしにくい左半身をかばいながら、日課としてきた家事や散歩もだんだんと長い時間こなせるようになり、再就職するために昨秋の入院中から蓄えてきた、発達支援の知識をほぼ毎日見返した。自分の身体ともっとまっすぐ向き合いたくて、脳疾患と脳神経の医学や看護学、その中で興味の湧いてきた理学療法や作業療法について、独学で勉強をし始めた。
年度の切り替わるこの時節、幾度も人生の門出を見守ってくれた春。今春は、4年ぶりにスーツを身にまといたい、社会復帰を果たしたいという思いが非常に強かった。さまざまな転職サイトを見たり自己分析をしたりと、前向きに近い将来を考える年度末を過ごした。



◎4月
若々しい新社会人のきらきらとしたさわやかな表情に、うらやましさと懐かしさを感じた新年度。散歩中に感覚の鈍い左足がおぼつかなくなり、半年ぶりにふらついて転倒してしまった。幸い怪我はなかったものの、復調を感じていた矢先のことで不安になり、当初予定されていた頭部MRIに脳波検査を追加していただくことにした。
転倒から数週間、体調の優れない状態が続く不安とともに迎えた検査。これが人生で6度目となる頭部MRIは30分ほど、3度目となる脳波検査は1時間ほどで終わった。検査は午前と午後に分かれていたが昼食をとる時間もなく、両方終わる頃には食べる気力もないくらい疲れ果ててしまった。
検査後の診察では、2つの検査とも特に異常と見られる所見はないが、右側頭葉にある浮腫は形成異常であり、ここ数か月頻繁に感じていた意識減損はてんかん発作でおかしくないということを主治医から告げられた。また、未だ動かしにくい状態かつ感覚障害の続く左半身の運動失調については、理学療法士さんと相談しながらリハビリをしていただけることとなった。
きっとまだまだ身に覚えのない症状や発作がたくさん出てくるだろう。しかしこれまでたくさんの症状と闘いながら、自分の身体としっかり向き合う時間を過ごしてきたことで、やるべきこともやりたいこともこれ以上先送りにしたくない、これからの人生を楽しみたいという意思が固まった。

挫折と後悔のない人生なんてつまらない。
どんなことがあっても、人生は一度きり。
わたしなりの “ 第2の人生 ” を、わたしらしく歩もう。

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