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香港行ってきました1912

台湾からベトナムへ移動中、約3年ぶりに香港へ寄ってきました。「逃亡犯条例」改正案をめぐってデモが起きている最中ではありますが、人々の日常生活が止まっているわけではないし、色々考えた上行ってみることにしました。タイムリーな場所だし、できるだけ記録を残してきたのでそれもよかったらご覧いただければ。

市内の様子

前の会社のオフィスが尖沙咀にあった関係で、セントラルのほう(香港島)より九龍のほうが馴染みがあります。今回は、できるだけ現地の生活に溶け込んでみたかったので、油麻地の一泊5,000円のAirBnbにしてみました。

台北から香港の空港に着いたのは夜中だったので、Uberを呼んで市内まで行きました。前に来てたときは無かったので、便利になりましたね。DiDiもあるようです。30分かからずに油麻地に到着。道端のお店はやっているし、みんな普通語(北京語)話しているし、なかなかカオスなところに来てしまったな、という感じ。

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ATMでお金を引き出そうと思ったのですが、道端にあるやつは全部使用停止になっていました。これもデモの影響のようです。ただ、翌日普通に店内で引き出せたので、それほど不便になった感じはありません。

壁の落書きや、標識に警察の悪口か書いてあったり、地下鉄のSuica残高確認機のようなものが「破壊されたので使えない」という貼り紙してあったり…といったこと以外はいつもどおりでした。

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僕は旅先のローカル情報を事前にあまり調べずにやってくるタイプなので、油麻地がどういうところかよくわかってませんでしたが、庶民が暮らし生活するところですね。とはいえ土地の狭い香港、家は高いんでしょうけど古い建物が多いです。僕が泊まった建物も、エレベーターのボタンが潰れかけていたりとか、なかなかでした。深夜特急っぽい猥雑な感じがまだ残っているのがすごいなぁ。

翌日は、部屋のWi-Fiが調子悪いので公共のWi-Fi求めて近くの図書館へ行きました。静かで良いですね。新聞を読みに来るおじさんおばさんが多いのは、日本と同じです。大学の論文なんかも読めて、なかなか興味深いです。今度時間たくさん作って読みに来たいです。

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香港といえば僕の中ではお粥とワンタン麺なので、近所のお店で食べました。ワンタン麺は目当てのところへ行ったら、前に「経済的な理由で10月末に締めました」とあったので、お金の動きは変わってきているのでしょうか。

ワンタン麺の後は、Wi-Fiつきのカフェで仕事しました。のんびりして良いです。スタバは日本同様に狭いのと、Wi-Fiが一見さんは30分しか使えない!

香港から深センへ新幹線で

去年、深センから高速鉄道が香港へ伸びてきました。昔良く来てたころに工事をしていたので気になってたんですよね。

駅はMTRと空港快線の九龍駅、オースティン駅の間。香港は大きい土地がなかなかないから貴重ですね。油麻地からはバスで10分。ただ、駅がばかでかいのでバス停から切符売り場まで15分ぐらい歩きました。荷物が多いときはタクシー一択だなこれは。

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だいたい、こんな作りになってます。

B1 切符売り場
B2 到着 中国出境→香港入境
B3 出発 香港出境→中国入境
B4 ホーム

基本、中国大陸同様のバカでかい作りですね。切符売り場も、行き先とかネット予約したかどうかで窓口が変わります。僕も間違えて「6番から10番よ〜」と普通語で言われて移動。パスポートと Trip.comのアプリ画面を見せて深セン(福田)までの往復発券あっさり完了。

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B1で改札を入り手荷物検査、その後B3に下りて香港出境→中国入境。中国入境用にカード書かないと行けないのは面倒くさいですね〜日帰りなのに。混んでいない時間なのかスムーズでしたね。両方合わせて10分ぐらい。ただ、通路が長い!歩数が伸びます伸びます。

一連の手続きが終わると大陸仕様の待合ロビーへ。ベンチがたくさん並んでいるところですね。ビジネスクラスだと、別途ラウンジがあるようです。短距離だとお得なんで乗っても良かったのですが、たったの15分なんで…大宮から上野よりも短い!

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乗車15分ぐらい前から改札が始まり、ホーム入口前で再度乗車券を通してホームへ。最新型の350km/h出るという復興号ですね。車内や座席はだいぶ垢抜けてきました。ちなみにホームはスクリーンドア仕様です。

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列車は定刻通りに出発、揺れも大変少ないですね。レールの継ぎ目もほぼ無くて非常にスムーズです。大陸の新幹線に乗るたび思いますが、日本よりスムーズに走っている感覚があります。

15分の距離なんですが、200km/h近く出す区間もあり、全部地下ではありますがそれなりに高速鉄道感はあります。韓国のSRTのほうが地下で300km/h近く出すので、アトラクション度では面白いかもですが…。

というわけであっという間に深セン(福田)到着。わかっちゃいたけどアッサリした旅でしたね。今まで列車だと1時間半ぐらいかかっていたので有り難いのですが…

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そして今やIT最先端の中国、出るところの改札は身分証ときっぷをスキャンするものでした。外国人のパスポートも対応、きっぷを先に、パスポートをその後にやるとゲートが開きます。個人の移動の情報が鉄道の会社=政府に把握されているわけですね。まあ、セキュリティは高いですよね。写真は動画から取ったのでブレブレでスイマセン。

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深センでは老朋友とご飯食べただけなんでそのくだりは省略して…。

帰りの深セン(福田)駅、近くにショッピングモールがあるんで回ってみたけど、MINISOがコラボ商品(IPもの)だけ置いている店舗出しててビックリ。日用品を買いに来る、というよりちょっと欲しかったけどデザイン良いし安いから買うわ!みたいな位置づけだから、この展開はアリなのかもね。

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そして帰りの新幹線を待つロビーに実に中国らしい、面白いものがありました。キャッシュレス決済専用の充電付きマッサージ機!外国人もtourpassというミニアプリでAlipayが使用可能になったので体験してみました!15分9.9元(150円)とはなかなかお得です。気持ちよかった!Mobikeとかの仕組みを応用するとすぐに作れそうです。車内で飲む水もAlipayで買います。

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深セン、地下鉄もAlipayできっぷ買えるので、中国元200元ぐらい持っていたんですが大陸では全然使わなかったな!いずれPayPayかSuicaがこうなっていくのか…もう半分ぐらいなっているか。

AirBnBツアーで地元民とB級グルメ巡り

せっかくこのタイミングで香港に来るのだから、香港人の日常をちょっとでも覗いてみたいなと思い、AirBnBの「Every hidden food!! Eat more than locals」というのに参加してみました。この内容なら、香港のどこでもできそうだけど、デモが起きて動きづらくなったりしないようにという配慮か、やや郊外の荃湾(Tuen Wan)を指定されました。油麻地から地下鉄(MTR)で25分ぐらい。

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ホストのYipはマスタークラスに通う大学院生。荃湾はフィアンセが住んでいるところでよく知っていると。ともに回るゲストはシドニーで公務員をやっているJackと、ソウルで映像制作の仕事をしているソッキュン。

荃湾(Tuen Wan)はオフィス街ではなく、住むところなので生活感があって、Daily Lifeを見てみたかった僕には最高の場所でした。地元民の案内で、

豆腐花(豆乳プリン)

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シュウマイ(写真ボケてましたスイマセン)

海南チキンライス

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腸粉(これ、自分史上ぶっちぎりNo.1!)

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エビの蒸し餃子/牛肉球(パクチー入りミートボール)/叉焼包(これもすごかった)

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ダックの焼いたの

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感冒茶(漢方茶)

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と盛りだくさんB級グルメ巡り。一部は市場のようなところの中にあり、まあにぎやかでみんなで色々と話しながら楽しいツアーでした。ものすごいお腹いっぱいになったけど、今までよく口にしていたよそ行きの飲茶などでは味わえない、よりリアルな香港の食べ物を体験できてよかった!

飲茶をしているときに、デモや中国との関係の話に自然となって、香港人の複雑な胸中を聞くことができました。デモは今この瞬間小休止という感じだけど、自分が今享受している自由が無くなることが一番脅威に感じるようです。中国の人とも交流があるようだし、現状とこれからについて受け入れられるところは受け入れるけど、やめて欲しいこともある、それは自分たちが行動しないと変わらないから動くのだ、ということがよくわかりました。

香港の今の動きをめぐる話の中に、「次は台湾だ、日本も他人事では無い」ということを聞いて、今までどういうことか今ひとつピンと来ていなかったのですが、少し腹落ちしました。今はまだうまく言語化できないんですが。

しかし、ローカルの人と一緒にB級グルメを回るのは本当に楽しい!

最後に

2012-15年にかけて、香港にはよく仕事で来ていました。ただ、当時はあんまり良くわかってなかったですね。香港に来ても仕事ばかりしてたし、中華圏の文化についての理解も浅かったです。

今回は、中国語を勉強して、広東語の歌も少し覚えて、台湾や大陸で中華圏のことを学んだ後で改めて香港を見る良い機会になりました。お店で売っているものやよくある食べ物は台湾に似ているようで、結構違う(台湾は、今まで行った中では厦門がすごい近いと感じました。マレーシアも華人系の場所は近いと感じる)。スーパーに並んでいるものや市場で売っている野菜の違いでわかるという、なかなかマニアックな感じになってきました(笑)。

今の状況の背景、そもそも香港ってどういう状況にあるんだっけ?なんで市民は立ち上がるのか?といったことを理解するために香港に関する本も読んでみまして、自由はあるけど民主はもともと無かった、この20年ぐらい作られたものだけど完全なものではないとか、ジャッキー・チェンは香港を代表する人だと香港の人は今は思っていないとか、ステレオタイプな理解では見えない世界も見えてきました。

そう考えると言論統制されていた時代から民主化した台湾、というのはなかなか凄いな、と思うし日本だって自由はあるのか?みたいなことを意識せずとも国民がそれなりの権利を持って普通に暮らせる社会になっています。

今回来てみて感じたのは、自分の考え、スタンス、生き方を考えるのに香港は色々学びをくれるな、ということです。いち観光者としてもっといろいろ楽しみつつ、考えることは考えて、さらに見識を深めていければと思いました。

また近いうちに来ようと思います、香港。

これを読んでくれた皆さんも、少しでも引っかかることがあれば行ってみてください。現地の人と交流する機会を作るともっと面白いです。デモの情報などは、僕は香港の地元テレビのアプリ「無線新聞」を毎日チェックして、ここは行かないほうがいいな、とか見てましたが、これは中国語が多少できないと難しいかもですね。現地に住んでる日本人の方のブログなんかも参考になるかもです。

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