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大地感じる木の匂い

好きでたまに訪れているギャラリーがある。とてもお気に入りの場所だ。

今回は川合優さんという木工家の方の展示だった。さまざまな種類の木材を使って作られた木箱は特に印象的で、10種類以上もの木箱たちがずらりと並べられて香りを楽しめるようになっていた。

その中でも驚いたのが屋久杉の匂いだ。木材の匂いと聞いて思いつくものとは少しかけ離れた、生き物の匂いだった。

「私はここにいるぞ。」
静かに、力強く、そう言われているような気がした。

屋久島の土壌は花崗岩でできているようで、土の栄養が少ないため、樹々は厳しい環境で育つことになるらしい。

「そうか、そういう環境で育ったからこそ出せるこの主張なんだ。」
納得したし、個人的に好きな匂いとは言えないものだったけれど、その力強さに驚くとともに敬意すら感じた。

今回の展示を企画されていた方から聞くことができた興味深い話がある。屋久島の住民の中には薪で自宅のお風呂を沸かしているところもあるそうで、お風呂の時間帯になると、屋久島の樹々の香ばしい匂いがあたりに漂うそうなのだ。

屋久島は、いつか行きたいと思っている場所のひとつ。
今回の展示を通して、ますます屋久島に行きたくなった。

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