コロナ禍での東大学士入学試験 2021年

2021年1月23日(土)に東京大学文学部学士入学試験を受けてきた。

今までにないコロナ真っ只中での受験がどうであったか書いておく。


受験申込

受験申込は10月19日~10月19日まで。

コロナ禍で受験が開催されるのか疑問を持ちながら受験申込を済ませた。


受験票到着

受験票は予定通り11月下旬、もう12月になるぞというところに来た。

そこには12月に、コロナウィルスに関する追加での通知を行うと記載されており、

12月に追加の封書が来た。

その封書内には、当日のコロナ対策但し書きに加え、入構届、体調管理チェック表、誓約書が入っていた。

体調管理チェック表には、試験1週間前からの体温と体調について記録しなければならなかった。

誓約書はコロナ感染者ではありませんにチェックを入れて署名させられた。


受験当日

当日は8時30分に本郷三丁目駅に到着して、雨の中を歩いて行った。

赤門のところで手の消毒をして警備員さんに入構届を見せて入る。

大学内は受験生の他は誰も歩いておらずがらんとしていた。


会場には集合時間15分前の8時45分に着き、温かい教室で待つことができた。

9時になると、一度出るように言われて、受験生がみんな寒い教室の外に出された。

そこから、改めて、受験票と顔の確認、及び手の消毒作業が行われた。

この試験前に一度寒い外に出されて、確認、消毒作業を経て教室の中に戻される作業は専門試験、小論文の試験前にも行われた。

教室外での待ち時間は5分から10分ほど。

専門試験の前は専門試験のためにまとめたノートをもって出て、それを見て過ごした。


さまざまな受験生たち

受験生は、老若男女さまざま。まだ大学4年生であろう若者から、杖をつくご老人、日本語が流暢ではない外国人の方、車いすに乗られている方まで。

皆、今日の受験にはどんな熱い思いや背景があるのか想像するだけでぐっとくるような人が多かった。

ご老人の方は頻繁にお手洗いに行ったり、他の受験生に話しかけていたり、試験中に独り言が漏れていたりして少しだけ集中力がそがれた。

集中させて~と思いつつ、歳とっても大学に入って学問がしたいと思うその心意気はとても素敵だと思った。


言語科目(私は英語・独語)

言語科目は過去問を解いた時はそこまで時間の制約を感じなかったけど、実際に解いてみるといつもより慎重になっているのか少しギリギリに解き終えた。

英語もドイツ語も分からない単語が4~6個ぐらい

そして最近めっきり自分で字を書かず、スマホやパソコンで打ち込んでばかりいたので、勇敢の敢という漢字を忘れて何個も書いたり、基礎単語であるBergの意味がBurgやBirgeと混乱してきてやはり何度も書いて思い出す作業をしたりと間抜けな感じ

英語もドイツ語も正解率7、8割ぐらいかなという感覚だった。

その正解率も評価のされ方によっては合格でも不合格でもあり得る。

内容に合っていないことを書いていると引かれる減点法だと厳しいだろうけど、内容に合っていることを積極的に加点してくれる加点法なら合格ラインの8割いけるかもしれないなぁと感じていた。

昼休み

昼休みは1時間半ほど。

朝作った大雑把な唐揚げ弁当をたらふくお腹に流し込んで残りの30分は次の専門科目用に作ったノートを眺めていた。

コロナ対策なのか、教室内での私語は厳禁、ご飯を食べるときは自分の席を動いてはいけないとのことで、自分の席で黙々と食べて過ごした。

専門科目

専門科目は解答用紙が配られて、語学の試験の時点で気づいていたけど、解答用紙が大きいことに気づいた。

想定していたよりも大きい。たくさん書かなければならない、大変だぞこれはと息をのんだ。

実際、終了の5分前まで書き続けて、手には豆ができて死にそうになっていた。

ここ最近で一番文字を書いたなぁと思った。

中休み

もうへとへとだったので特に勉強したりせず、スマホでツイッターを見たり、東洋経済の泣ける記事を読んで泣いたりしていた。

小論文を元気な頭で迎えられるようにとにかく休養に努めた。

30分くらい昼寝もしていたかもしれない。

小論文

過去問を見すらしていなかった小論文。

1時間で2問だったのでざっと1問30分かぁと解きだすも、

2問目は30分ではとても足りない……けど足りさせないといけないので無我夢中で書きなぐって文字数を満たした。

書く前に文字数的にどこまで書く必要があるのかと、話の展開を自分の中でなんとなくぽんぽんぽんと思い浮かべてからばばばばっと書き出した。

専門科目で手に豆ができて、痛くて仕方がなかったので、なんという苦行……と心で涙を流しながら書きまくった。

使い心地のいい手にフィットするシャーペンは大事。

試験後

終わったらもう夕方5時半。

へとへとの一言に尽きる。

少し語学の分からなかった単語を調べると、やっぱり自分の訳が間違っていたり微妙で、これはだめかもーと落ち込みだす。

これ以上落ち込まないようにあらさがしするのを辞めた。

合格発表

今年はコロナ禍の影響で初めて、ネットでも発表されることに。それも二次試験の前日に。

例年は合格発表が東大に出向かないと確認できない上、その日の午後に二次試験の面接という、落ちた人にも受かった人にも酷なスケジュールだったので、今年はとても恵まれていた。

落ちていたら大学に行く必要がないし、受かっていたら1日心構えができる。

受験勉強あんまりちゃんとやってなかったし、語学試験もそんなに手ごたえないしでもうだめかなと思ってあまり期待していなかった。

けど受かっていた。

何も二次試験の対策をしていなかったので、焦りながら、ciniiで教授たちの論文を探して自分の関心のあるものをいくつか流し読みした。

二次試験

面接だ。

一次試験とは異なり、他の受験者は全くおらず、一人で会場まで行かなければいけない。

迷った。2つ関係ない建物をさまよった後でやっと着いた。

10分前についたけど、教授たちもまだ教室の外にいて、少しづつ集まってきているところだった。

そして教授がそろうと、教授たちがまず中に入り、私はしばし外で待っててと言われる。

そして5分くらい経った頃に呼ばれた。

面接だがコロナ禍ということで、窓は開けられてて、ドアも開けるか閉めるかで教授内で一悶着あったのち、開けたままになった。

教授も私もマスクをつけたまま、30人くらい入りそうな教室でソーシャルディスタンスを取りながら行われた。

緊張でガタガタと体中震えながら話し続けた。

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