見出し画像

エーステ冬2024❄️見届けたぞ!レポ

大人気2.5次元舞台シリーズ「エーステ」の最新作、「MANKAI STAGE『A3!』ACT2! 〜WINTER 2024〜」を観劇してきました!
今回は春組、夏組、秋組の公演を経て、1つの区切りでもある、冬組公演。本日東京公演千秋楽を迎え、愛知、東京凱旋、大阪公演を控えています。仲間や家族を思い一歩ずつ成長していく劇団員を見守るハートフルな舞台をレポートします。


MANKAI STAGE『A3!』シリーズとは、イケメン役者育成ゲーム『A3!』を原作とした舞台。観客はMANKAIカンパニーの「総監督」として、劇団員たちを見守る立場で物語が進んでいく。
今回のストーリーは2幕構成。1幕は新生冬組第五回公演『剣に死す。』の上演にまつわるストーリー、2幕は同じく冬組の第六回公演『Risky Game』にまつわるストーリーが描かれる。

幕が上がると、主演を経験した冬組メンバーがそれぞれの台詞を懐古する。未だ主演を経験していないのは高遠 丞(北園 涼)と御影 密(植田 圭輔)のみ。主演を控え、不安と過去の思い出が渦巻く。
イントロダクションが終わると雪がちらちらと降りだし、一気に冬組独特の落ち着いた雰囲気へ。ふわりと舞い上がるように歌い踊る美しい彼らに、「今回も温かく成長を見守ろう」と、観客の「監督」としての意識も高まる。

第五回公演『剣に死す。』の主演は高遠 丞が務める。ライバルであり実力のある劇団「GOD座」の元トップスターである丞は、華があり堂々とした芝居で有名。今回はMANKAIカンパニーでの初主演に気合を入れた矢先、他の劇団から引き抜きを持ちかけられてしまう。
今の劇団にいる意味とは? 自分の居場所は本当にここでいいのか?
そんな時に思い出すのが、GOD座時代に受け取った一通のアンケート。技を磨いては蹴落としていく厳しい劇団の中で、その差出人は自分の芝居を観て指摘をしてくれる唯一の理解者だった。
芝居が好きだからこそ悩み揺らぐ思いに、冬組のメンバーは温かく寄り添っていく。

1幕の見どころポイント
☆お互いを認め合う、幼馴染の丞と月岡 紬(定本 楓馬)の会話
☆前回の公演から加入したメンバーで準主演であるガイ(輝馬)のまっすぐな向上心と芝居への愛情
☆稽古を重ねるうちに格段に変化する丞とガイの掛け合い
☆劇中劇の一心不乱な殺陣
☆スピーディーな舞台転換

1幕はなんと言っても劇中劇が圧巻。冬組初めての和物であること、一番実力のある丞を支えるため各々が技術を磨いたことで、緻密な稽古の様子が伺える仕上がりになっている。
劇中劇の幕が上がると、丞演じる宮本武蔵が次々に殺陣を繰り広げ、その存在感と圧倒的な強さを見せつける。1人で何十人もを相手にし、刀の音が連なってリズムとなる。
強さのあまり孤独を感じ、死に場所を求めて彷徨う武蔵。そんな時出会ったのが、ガイ演じる佐々木小次郎だった。小次郎はまさに武蔵の孤独を断ち切るのに相応しい武士だと思われた。波の音さざめく砂浜で、いま決闘が始まる。


季節は流れ、また冬がやってきた。2幕は第六回公演『Risky Game』に向けて稽古が進む。ギャンブラーのリアム役を御影 密、ディーラーのノーマンを雪白 東(上田 堪大)が務めるこの舞台は、まさにカジノが舞台。記憶にないまま借金の連帯保証人となったリアムは一攫千金を狙い、強気に賭けに出る。

2幕のみどころ
☆密の「家族」との絆
☆寄り添うためにアクションを起こす東の胆力
☆密を信じて優しくて見守る有栖川 誉(田中 涼星)
☆スピーディーな劇中劇
☆役者・御影 密の大胆さと繊細さを併せ持った芝居

主演を務める密は、過去に家族であり組織の一員であるオーガストと永別した。彼の最後の願いは、過去を全て忘れて新しい人生を歩むこと。
密が演じるリアムは恋人ときっぱりと別れる清々しいラストを迎えるはずだが、叶えなくてはいけないオーガストの最後の願いと、過去を捨てたくない切望が混ざり合い、煮え切らない芝居になってしまう。大切な家族との記憶と一生懸命に向き合う彼の強さに注目したい。

劇中劇は煌々と輝くカジノの看板が印象的。一夜の目まぐるしいポーカーを、ラップとハイテンポな歌で紡ぐ。原作の楽曲「PLASTIC PORKER」の曲調を受け継いだ、ハイスピードで振り落とされそうな劇中劇に、こちらもスリルを感じられる。果たしてPlastic(=思うように作れる)Porkerは成功するのか。ぜひ劇場で見届けてほしい。

御影 密を演じる植田 圭輔の卒業公演でもある本作品。今の冬組が贈る最高の演技を目に焼き付けたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?