普通という呪縛
休みの前日に夜更かしして、休み当日お昼に起きて絶望する。
こんばんは、おちゃのえるです。
これ、反省しながら毎度毎度やってしまうんですけど、規則正しく生活できている人できれば私にコツを教えてください…
私、自分にめちゃくちゃ甘くて…
まあ、今日休日だったんですよ。
で、お休みの日って大体ゲームしてるか本読んでるかの二択なんですけど、今日つい止まらなくて一気読みした小説をぜひ紹介したい。
本当は別の小説の感想を書こうと思っていたのですが、今日はこれだわ。という気持ちになり、急遽こちらを紹介します。
「普通」ってなに?と疑問を少しでも持ったことがある方。
寺地はるなさんの『水を縫う』(集英社)を是非とも手に取っていただきたいのです。
結婚式を控えた姉・水青のウェディングドレスを、刺繍好きの弟・清澄が作成すると宣言し…
と、姉想いの弟の話…??かと思うかもしれませんが、実際は六人の家族の話です。それぞれが抱えているものが明らかになっていくごとに、物語に深みが増していきます。
さて、ウェディングドレスといえば煌びやかで、ひらひらしていて可愛くて綺麗で…と女性のあこがれであるとよく言われます。
「ウェディングドレスを着ることが夢!」
これも立派な目標であることは間違いありません。
では、果たして「可愛い」が苦手は間違いなのでしょうか。
「男なのに」刺繍が好き。
どうして男の人が刺繍を好きであることを少し咎めるような言い方をされないといけないのでしょうか。
「いい父親」「いい母親」「女性らしさ」「男性らしさ」
これらは誰が誰に対して求めているのでしょうか。なぜこれが『普通』であると思われているのでしょうか。
最近よく聞く社会問題の一つであると思いますし、言及するには知識が足りない。自分の言葉でどう伝えればいいかわかりませんし、まとまってもいない。ですが、経験談ならお伝え出来ます。
中学・高校と私は野球をしていました。その話を誰かに例えばしたとします。
すると返ってくる言葉は
「女の子が?」「えっソフトボールじゃなくて?」
「野球=男性の競技」の式がどうしても無意識のうちにあるのでしょう。実際、私自身も始めるまではそう思っていました。
この言葉を受けた当時の私は、大した疑問もなくヘラヘラと「そうなんですよ~」と答えていました。実際今も、そう返されればヘラヘラと答えていますが…
そう言われるからといって、激怒するわけでもありませんし、毎度毎度それで怒っていればキリがありません。さらに言えば相手も無意識でしょうし、私自身も全くもって気にしていませんので、会話の一部として流れていくだけです。
たまに、今回のような小説を読んだり、SNSなどでジェンダーの関係の話が話題に上がっていたりしたときにふと思い出すのです。
「女の子なのに」「女性らしくない」
私自身が、いわゆる「女の子らしさ」とはかけ離れて生きてきましたので、よく言われていたセリフでした。
ある意味呪縛の言葉です。
今ではある程度の所謂女性らしいといわれる服装を好むようになりましたが、『可愛い』といわれるひらひらしたスカートなどが何故かはわかりませんが、本当に苦手でした。
化粧だって大学生になってからもほぼすることがありませんでしたし、女性誌といわれるような雑誌も全く興味がなかったのです。
もっぱら興味があったのは、今と変わらずゲームや本。あとはバンドとかでした。
「女の子なのに」という言葉を発した側は、きっと無意識なのです。それが「普通」であるとされているから。だから悪気なんて全くないんだと思います。
それが誰かを苦しめているかもしれない、なんて気づかずに出た言葉なのでしょう。
私は特に気にして生きてきたわけではなかったので、何も考えていなかった自分を能天気で良かったのかもと思いつつ、逆にそれを恥じる気持ちも今は少しあります。もっと考えていれば、周りに嫌だと思ったときに上手く伝えられていたのかもしれない。
私とは違って、それが本当に呪縛となって生きている人が大勢いると思うと、私の「普通」は「普通ではない」ということをもっと自覚させられます。
私の発した何気ない言葉が、誰かの心の奥底でじわじわと蝕んでいるのかもしれません。
自分の周りにいる人たちも、何か「普通」を押し付けられて生きているのかもしれません。
ここ数か月の悲しい話題に決して乗っかったわけではないのですが、考える一つの材料として読んでみてほしい作品でした。
寺地さんの作品は「希望のゆくえ」「彼女が天使でなくなる日」など、かなりおススメのものも多いので今後も紹介できたらいいなと考えています!
今回も長々とお付き合いありがとうございました!
おちゃのえるでした!
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