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今年1年の俺2020

みなさんお元気でいらっしゃいますでしょうか。色々文章をしたためていつつも、お前この忙しいときに何やってんだよ感がとてもあるため、ここ数ヶ月は自粛していたんです。こういう文書書くのを。ええ。自粛です。

この1年は本気でコロナに振り回された1年でした。「まだコロナで消耗しているの?」という煽りを受けてしまえば心よりお恨み申し上げますが、無い脳みそを絞って生きていました。

忍び寄る正体の見えない敵

振り返れば1月、このウィルスはやべえと気が付き始めました。正体がわからない敵との戦いが始まりました。最初はダイアモンド・プリンセス号や、武漢からのバスツアーのように、まるでテレビの向こうにあるような、遠い世界の出来事に感じていました。
しかし、2月になり、市中感染の話がニュースなどで出るようになりました。うわっこれ大変な事なんじゃね?と深刻に思い始めるようになりました。しかし、どのくらい厳重に備えていいのかわかりませんでした。
海外からはたくさんの論文が有名な医学雑誌に次々と掲載されていきました。それはもうそれを取り上げたブログを書けばアクセス数急上昇みたいな感じでした。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」ってことで、一つの疾患をずっと勉強するという日々が始まりました。

限られたリソースでの検査の壁

とにかく、患者さんの数が少ないときは「限られたリソースで如何にしてそれっぽい患者さんを見つけて蔓延を防ぐか」が課題になりました。もうホント検査が全然できなかったので、あまり積極的に疑えない患者さんにPCR(Polymerase Chain Reaction)はできるわけがありませんでした。
この限られた状況から、インターネットではどのように検査をするか、なんでもPCRすれば世界を救える原理派おじさんが台頭しました。逆に、何が何でもPCRしないおじさんなどが現れ、インターネットで言論を広げていました。
僕としてはどっちも極論で、現場からは場外おじさんvs場外おじさんみたいだなと、ひたすら眺めていました。PCRの生みの親であるキャリー・マリス先生は昨年お亡くなりになりましたが、このような社会になるとは思っていなかったのでは・・・
防護服もN95マスクもフェイスシールドも足りませんでした。フェイスシールドは最初、ドクター中松のスーパーメンは先見の明があるなと思いました。購入して着けてみましたが、10秒で曇ってしまい歯がゆい思いをしました。

終わらない戦いの始まり

その後はもう記憶喪失になってしまったのですが、ひたすらに見えない敵との長い戦いが続きました。どんどん東京で患者さんが増えていき、ついに緊急事態宣言が発令されました。えらいこっちゃです。
ひたすらに自粛、ご近所のお持ち帰りができる店情報サイトを探しては日替わりご飯、マクドナルドのアプリとLINE PAYすごくね?と、マクドナルドに入って1秒で番号札モバイルの○○番と呼ばれるタイミングは、どの曲がり角で注文すればいいのか、などしょうもないタイムアタックなどに日々の努力を費やしていました。
仕事に行っても、帰ってツイッターみてもコロナコロナで、オーガニックでコロナフリーの人生はどこ、川本真琴のライブはいつ行けるの・・・としょんぼりする日々でした。そんな中僕の心を癒やしてくれるのはガチタンバリンだけでした・・・

緊急事態宣言解除からGotoへ

おっこれはコロナ居なくなって大丈夫じゃない?ということでたぶん緊急事態宣言はいい感じで適当に解除されました。それからはなんとなく平穏な日々が続きました。しかし、Gotoあたりからまたしずかに地獄が始まったように思います。
みんな忘れたのか、8割おじさんのことを。「人の流れが8割減れば良い」といってたのに人の流れを爆上げしてどないすんじゃい、もっと他に解決法はなかったのかと思いました。でもまあ、コロナで危機になっている産業の復活のためには仕方なかったのかもしれません。お金を補助すればよかったのですが、金額もわからないし、更には無限給付金ガチャの人たちのおかげで多分できなかったんでしょうね。
自分もたまたま医療職についていただけで、食いっぱぐれるリスクが少なかっただけだし、仕方がなかったと思います。

コロナはもう終わコン

仕事が終わり夜に帰宅してテレビを見ると、毎日都内で感染者○○人と出ては渋谷駅前の若者はどうでしょうだの新橋のサラリーマンはどうでしょう、そして最後に#医療従事者にエールを とかになるわけです。
そりゃ皆さん飽きますよね。僕も飽きました。仕方ないんですけど。同じ話を何度も聞くとうっせぇわってなりますよね。こちらとしては、そこらへんから石を投げられるよりは遥かにエールのほうがマシなんですが、エールなんてもらうこともめったにありませんし、そもそもエールより危険手当がほしいです。少なくとも看護師さんの給与は3倍くらいにしないとみんな辞めちゃうと思います。看護協会に寄付してねえで現場の看護師さんに今すぐ届けてほしい、いつか?30秒後だ!というのがわりと本気な思いです。
わかっていた話ですが、もう言っても何も聞かない人たちがたくさん出てきます。まったくコロナに関係なかった人たちにとって、なんか騒いでたけど1年何もなかったんですよね。

そしてやってきた「手遅れ」

「医療崩壊がこのままでは起こる!自粛を!」と言っている人たちはわりと勘違いしているなと思います。SLAM DUNKの仙道が言う、「まだ慌てるような時間じゃない」と心のそこでは思っているのではないのでしょうか。
12月末の時点で、僕たちが思うことは、正直すでに終わってるのでは?🤔ということです。松永天馬の「ぼくらの七日間恋愛」みたいな感じで東京都の感染者人数をみています。
みなさんが思っているより遥かに自宅待機の患者さんは多いと思います。それに対して病床は全然足りていません。毎日保健所から、自宅待機の患者さんが悪くなったから入院させてほしい、という電話がきます。しかし当院はコロナ受け入れ病床はいっぱいです。もう受けられません。どこか空いているところに入れるよう祈るのみです。でも、最悪病院が見つけられるかもわからず、自宅で亡くなるかもしれません。

もうワクチンしかないのでは?🤔

安全性がまだわからない(もちろん100%ではない)ワクチンに祈るのもどうかと思いますが、正直時間がありません。緊急事態宣言をかけるにしても以前よりも人の流れは止まらないでしょう。そもそも、すでに数が多すぎて効果が見えにくいでしょう。経済も人の命も救うにも、もはやワクチンにすがりつくしかないのが無力な人類の現実だと思います。
ワクチンは正直自分としても怖いですが、おそらく接種しない医療者から患者さんに感染させると訴訟になると予測しています。医療者は仕事を続ける(それこそ自身の経済のため)には接種するしかないのではと思います。だってもうしょうがないし。もう色々と無理だし。絶望ビリーでも聴くしかないし。

来年は良い年にしよう

今年はマジで良いことがなんにもなくて(みなさんもそうだと思います)、寿命のうちの大切な1年を浪費してしまったと思います。
コロナが終わったらがいつか遠い未来のことではなく、身近になることを心より願うばかりです。

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