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TJARがかっこいい

「トランスジャパンアルプスレース(Trans Japan Alps Race)」という日本一の大会が、現在開催されている。
→8/14(日)22:00頃に全選手がゴールorその他したようです。皆様お疲れさまでした!


まだご存知でないという方は、ぜひ以下の公式サイトを見てほしい。
(私のnoteを読むより、実際に見たほうが早いし超オススメ。説明も公式サイトを見てほしい。そしてそのまま一緒にのめり込みましょう!)


簡単な概要
・この大会は2年に1回行われている。
・日本アルプスを横断する。
スタートが富山県の海岸〜北アルプス〜中央アルプス〜南アルプス〜静岡県の海岸にゴール。
約415km走り、累計標高差が27000mくらい。
・参加条件がものすごく厳しい。トレランチョットデキル程度では申込資格すら得られない。


最初の大会は2002年(本当はもっと前らしいとも)にあったらしい。
当時は「トレラン仲間で集まってやってみた」ものが、開催回数を重ねるうち参加者が増えてゆき、今のスタイルになっていったらしい。


過去の大会↓


なお、今回1位の方はすでにゴール済。
大会スタッフさん達のアカウントに、ゴールの瞬間の動画があるのでぜひ見てほしい。


出場者は毎回30名いる。今回、これを書いている時点(8/13 20:55頃)で半分くらいの方はゴール済。リタイヤが既に6-7名ほどいる。
一番後ろの人が南アルプスを下り始めている。

途中でスマホが壊れてしまった方がいたのだけど、地元の方々の知恵によりゴール近くのゲオに駆け込んでスマホを修理機種変でき、無事ゴールできたらしい。開いてるお店があってよかった…!!


何がすごい

このレースは、何から何まで、全部すごい。

一番は「富山県から静岡県まで1週間で走る」こと。
大会のタイムリミットは8日間。普通の人だと3~4週間かかるルートらしいのだけど、これを、速い人は5日間程で完走してしまう。

今回の1位の方の記録は4日と17時間半程(大会記録更新)だった。
そして、まだまだ走れそうな余裕があった。

しかも、みんな「普通の人」だったりする。
優勝している人は消防士とか山岳救助隊とかだったりするけど、他の出場者のプロフィールを見ると会社員、公務員、銀行員、教師…とか、いわゆる普通の人たちばかり。

このレースの参加条件はかなり厳しい。走れるだけではダメで、ただ山慣れしてるだけでも足りない。(ぜひ応募要項を見てみてほしい)
あくまでも個人山行、一人で最初から最後までできるための、的確な知識や経験が必要ということ。

参加資格を得るだけでも何年もかかるらしい。それでも応募者が増えているそうな。
参加資格を得られた程度では予選にすら行けないらしい。すべての選考に通っても、最後の抽選に漏れて出られない人もいるくらい人気がある。


何年か前のTJAR報告会に参加して、選手が話しているのを見たことがあるのだけど、みなさん、見た目はその辺にいる普通の人という感じだった。
ただ、目がキラキラギラギラしていて、すごくパワフルだった。そして、もれなくとても親切だった。堂々としていて、心に余裕のある人たちな気がした。

※その報告会では、山小屋診療所(詳細は忘れた)の大学病院の方々からの報告もあり、それがまたとても良いものでした(ググったら多分出てくると思うので探してみてほしい)

GPS追っかけ(応援)

私が見ているのは、2012年の開催からだと思う(多分)。

見ている、といっても現地に行ったことはない。基本的にはSNSの更新を見ている。
それと、全選手が持っているGPSのログ、公式サイトの更新、スタッフの発信するSNSで、大会全体を追いかけている。
「GPS追っかけ」などと呼ばれている。

今回大会のGPSトラッキングサイト


GPSトラッキングの公開が始まった頃は、肝心のGPSの精度が良くなかった。
選手の実際の位置とかけ離れていたり、ずっとスタート付近にいる(実際は山奥を走っているけどGPSが機能していない?)選手がいた。

最近はGPSの精度が高くなっているのか、ほぼ正確な位置がわかるようになっている。
さらに、SNSが普及しつくしたおかげで現地応援組の投稿写真とタグで、選手の様子や山の天候、何時間でゴールしそうか、といった生々しい情報まで入手できるようになった。

山に応援しに行きたい気持ちもある。過去には実際に行こうと思ったこともあった。(その時は体調を崩したか寝坊かで結局行けなかった)
今は山へのアクセスがあまり良くないところに住んでいるので(しかも新型コロナもある)、当面は自宅からのGPS追っかけかなと思う。


私にとってのTJARの魅力

トレランをしているわけでもないのに、毎年見てしまう…!どうしてだろう?

・自分には出来ないと思えることにチャレンジして、やりとげてしまえているのがすごいと思う。

つまり、カッコイイんだな!

最初の方にも書いたけど、この大会に出ているのはみなさん普通の人ばかり。(アドベンチャーレースを本業にしている人はいない)
大会に出るために、少なくても2年、長い人だと5年以上かけて準備しているらしい(ネット調べ)。多分、ご本人が使えるすべての時間を費やしている。
それでもなかなか参加資格を得られなくて、やっと参加資格を得られても、最後の抽選に漏れてしまうこともある。
出場できたとしても、リタイヤせざるを得ないこともある。(例えば、体調不良、怪我、関門に間に合わない、など)

特に、途中棄権(リタイヤ)するかどうかの決断は、始めることよりずっと難しいと思う。だって、参加するからにはゴールしたいはず。次の大会に出られる保証もないし。家族からも反対されるらしい。

こういうときって、準備とか判断、優先順位、何を大切にしたいかとか、とても大事になると思う。(普段もそうだけど)
完走、リタイヤ、その他いろいろあるけど…みなさんのインタビューを見ていると、こんなとんでもない状況の中でも冷静な判断を何度もされていて、ひたすら凄いと思う。

(もしかすると、みんなちょっとずつ振り切れてる人たちなのかもしれない?良い意味で。…失礼かもしれませんが)

あくまでも個人山行の一環として、自力で判断してやれる知識と経験と自分自身への信用があるのだろうなあ。それがいわゆる自信と呼ばれるものなのかもしれない。

・見たい選手がいる

この大会で4回連続優勝している望月さんという方がいる。
多分、望月さんのファンは多い。私もそう。ネット記事もたくさんあるし、本も出てる。

今回も、望月さんがゴールするまでは15分に一回くらい公式サイトとGPS地図を開いてしまって、他のことが全然手につかなかった。笑

他にも、竹内さんという方は過去の大会で最年長で完走されて(未だに最高齢記録のはず)、今回も60歳を超えてチャレンジされていた。早めにリタイヤされていたけど、判断ができる人なんだろうなと思った。
今回はいなかったけど、過去には女性の参加もあったし、実際に完走された方もいる。

あと、選手層は同世代が多いのも。同世代がこういうことをやれるなら、自分にも(フィールドは違っていても)何かやれるんじゃないかと思わせてくれる。

そういう、ワクワクとした刺激を、選手のみなさんからもらえているのかもしれない。

公式のインスタアカウント


・SNS上のみなさんとのリアルタイム追っかけが楽しい

GPSの精度も上がり、インスタライブもあり、Twitterでは現地応援者の写真がたくさん流れてきて、過去の完走者の解説もリアルタイムで読めるようになった。
だから、自宅でも十分楽しめてるのかも。

レースが始まってからというもの、とにかく気になってしまって仕方ない。
仕事中もずっと気になっているし、食事中も寝る前もスマホで各選手の様子を調べてしまう。朝起きたら、何よりもまず選手の位置を確認してしまう。
他にやることがあるのに、手に付かないハマりっぷり…!

回を追うごとに、知らないアカウントのつぶやきもハッシュタグでたくさん見られるようになってる。GPS追っかけしてる人はたくさんいるんだなー、と実感もしてる。
(いつか語り合いたい…!)


少し話はそれるけど、
だいぶ前に駅伝を見に行ったことがあるのだけど、何時間も待ったのに選手か通るのは一瞬で、なんだかガッカリしてしまったことがあった。
(テレビではわからないけど、駅伝ランナーが実はものすごく速く走ってることがわかって驚きもあったのだけども)

ネット応援だと、ある程度全体の様子が見えつつ、現地の様子もわかる、選手の様子もわかる。
私がSNSで何をつぶやこうが(つぶやいてないけど)、現地の誰にも迷惑かけない(つぶやいてないけど)、感染リスクも無いし、最後まで応援する体力も温存できてるし。

そういう勝手の良さが、現地応援の魅力に今のところ勝っているのかもしれない。


(とかいいつつ、いつかは山で選手に握手してほしい〜!!と思ってる!
っていうか久しぶりに山登りに行きたいよ〜
早く新型コロナ落ち着かないかな…)

見て!

とにかくスゴイ大会!
このスゴさ、伝わってくれ〜!!

っていうか見てみて!!


個人的に勝手に今後の予想

・多分、N○Kで特集番組が放送される(前もあったし、今回も取材が入ってるらしい)
・多分、報告会が都内か静岡県内辺りで開催される(前もあった。めちゃカッコイイ。超オススメ!)
・もしかしたら、開催報告書か特集本が出版されるかもしれない(出るなら私は買う。リアルに選手の様子が伝わってきて楽しいから!また読みたい!!)


次の大会は多分2年後(2024年)だけど、今回の大会はあと一日くらいあるので、間に合う方は見てみてください!
↓↓↓↓↓



※この記事を読んで現地に行きたいと思ってくださった方々へ
大会のコースは普通の山間部&住宅街で、手作り大会なので、応援する人用に何か用意されているわけではありません。応援されている方々は、観客だけど、お客様ではないと思います。
公式サイトに書かれている応援についての注意事項は全部守ってください。じゃないと、この大会の存在自体がなくなる可能性もありえます。(もし守れないなら、私と同じようにGPS追っかけをしていたほうが良いと思います。)


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