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#2 定義を広げること、演劇性、誤配 ほか

7月6日、朝起きたらMeta製のTwitter競合SNSがサービス開始していた。「Threads」という名前、何分程度の会議で決まったんだろうか。それともトップの鶴の一声なのか…

定義を広げる

元ツイを削除されたようなので名出しや引用は避けるが、「アート」や「デザイン」などの言葉は、場によって全く違う用法で運用されている場合があって、その理解のギャップを丁寧に埋めないと学際的な対話は難しい、というようなツイートを見て、そのとおりだなと思った。

IAMASにいたときから、「デザイン」という言葉はかなり定義を共有するのが難しい言葉だなと感じている。根本的にクリエイターの一部(例えばトラックメイカーなど)のくくりの一つとしてデザイナーを志向している人と、いろいろなデザイン論におけるあらゆる定義を理解した上でデザイナーを志向している人とでは問題意識も違うものになってくると思うし、同じデザインという言葉を使っている別物同士だから不必要に交わらない方が良いのでは、と思ってしまうこともありそうな気がする。

でもデザインにおいては、自分がやりたいのは別にそういうんじゃないんよな~と思ったとしても、色々な領域のデザインについて知った方が良いんじゃないかと思う。

元は自分もデザインといえばロゴやCDのジャケットデザインとか、Tシャツのデザインとかの事?というくらいだったが、高専に入ってから、デザインという関係する思想としてアーツ&クラフツ運動や柳宗悦の民藝運動などを知って、こういうのもデザインが関係しているのか、とか、これがあのデザインに関係しているのか、とその定義が少し広がったことで、コンセプトやアイデアからデザインをいくつかのパターンで逆算して想像したりすることが少し出来るようになった気がしている。

大学院に行ってからはファシリテーションとかに近いデザインのことをやっている人も近くにいたりしてまた見方が少し変わったような。

音楽用語の定義のずれ

音楽の話に移ると、用語の定義のずれは、音楽関係においては特にクライアントから仕事を受けて曲を作る作家にとってかなり問題になる。自分自身はあまり商業案件に触れてないが、はたから見ると多くの人がこの定義のズレに問題を感じつつ仕事をしている気がする。

用語の定義のズレが起きるのは、そもそも作り手とその他でボキャブラリーの差が大きすぎることは原因の一つであるとして、さらに音楽の場合、同じ言葉だけど時代を経て受け取られ方や定義が変化していたりという事も多々あり、それもまた定義のズレを加速させやすくなっている。ボキャブラリーの差は辞書や教材で埋められるが、これについては鮮度の良い情報を受け取る高感度のアンテナがなければ難しい。

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