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努力、成長、勝利【FOCUS ON:玉川由】

明治安田生命J1リーグから数えて「J8」の東京都社会人サッカーリーグ2部に所属しているTOKYO CITY F.C.。渋谷区をホームタウンに活動するクラブには、いったいどんな選手が在籍し、どんな思いを胸に秘めてプレーしているのだろうか。選手1人ひとりのパーソナリティに焦点を当てる連載企画「FOCUS ON」がスタート。第8回はFC琉球でのプレー経験を持つ加入2年目のDF、背番号4の玉川由に迫る。

玉川由のプロフィール詳細

偶然の出会い

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 僕がTOKYO CITY F.C.を知ったのは、SNSを見ていたのがきっかけでした。

 ちょうどエスペランサSCを辞めて、次の所属先を探していたタイミングでした。練習に参加させてもらったら想像以上にレベルが高く、クラブの掲げるビジョンや本気度にも惹かれて加入を決めました。

 2017年には当時J3のFC琉球に所属していましたが、1年間やらせていただいて、自分の実力ではJリーグに通用しないことがわかっていました。もしかしたら数年どこかで頑張ればJ3には戻れるかもしれないけれど、J2やJ1までたどり着くのに何年かかるか想像もつかなかったですね。

 だから早稲田大学に復学して、ちゃんと卒業して就職しようというのは決めていました。そのうえでサッカーも真剣にやれる環境を探していて、見つけたのがCITYだったというわけです。

 僕にとってFC琉球での1年間は、全く試合に出ることができずとも、本当に濃厚な1年でした。特に横浜F・マリノスに移籍して昨年J1リーグで優勝もしたパギさん(朴一圭)にはたくさんのことを教わりました。

 FC琉球時代、全体練習が終わった後にパギさんに声をかけていただいて、よくロングキックの練習をしていました。僕の苦手なプレーでもあったので、どうすればうまくいくのか教えてもらいながら蹴るんですが、その間にもサッカーに関するいろいろなことを話してくださるんです。

FC琉球で思い知った「違い」

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 今になって改めて振り返ると、僕とパギさんでは「サッカーで生きていく」ということに対する覚悟が違いすぎたと思います。地域リーグからJリーグにステップアップして、さらにJ1優勝クラブの一員になるのは並大抵なことではありません。本来なら僕が辿りたかった道筋でもあります。

 パギさんはとにかくストイックで、練習の鬼でした。僕が練習中に少しでも気の抜けたプレーを見せれば怒鳴り、「お前何やってんの?」と真摯に厳しく指摘してくださいました。感覚的にプレーしていた僕に守備のセオリーを言語化して叩き込んでくれたのもパギさんです。誰よりも早く練習場に来て、誰よりも遅くまでトレーニングしていましたね。

 ピッチの外でも食事などにすごく気を遣っていて、何を食べればいいか体にいいとか、あの野菜にはどんな成分が入っているとか、1人暮らしで食生活が適当になりがちだった僕にたくさんの知識を授けてくれました。

 FC琉球をJ3からJ2に昇格させて、J1の強豪クラブにステップアップしリーグ優勝まで成し遂げられたのは、パギさんの鬼のような努力が引き寄せた運命だったのだと思います。沖縄で過ごした2017年は、改めて僕にとって自分の努力が足りなかったと思い知らされた1年でした。

再びJリーグへ近づくために

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 今の僕はJリーグから少し遠かった東京都社会人リーグ2部にいますが、CITYとしても将来のJリーグ参入を目指していますし、クラブとともにどんどん大きく成長していきたいと思っています。

 FCトリプレッタでプレーしていた高校時代にお世話になった渋谷区に恩返しできるというやりがいもあります。FC琉球時代は頻繁に地元の小学校を訪問したり、試合前になれば街に出てビラ配りをしたり、ホームタウン活動と呼ばれることもたくさんやりました。

 大学生だった昨年はgreen birdさんが渋谷区で展開している街頭の清掃活動にもCITYの選手として何度か参加させてもらいました。ホームタウンの発展に貢献するためのクラブの活動はもっとやっていいと思いますし、機会があればどんどん参加していきたいと思っています。

ゴールを決めて昇格へ導く

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 今の就職先を選んだのも、土日休みが確保できてCITYの活動にできるだけ参加できるようにするためでもあります。もちろんポジション争いがあるのでどうなるかわからない部分もありますが、試合に出たらしっかり勝利に貢献したいと思います。

 これまでGKも含めてあらゆるポジションをやってきました。小学生時代はFWやGK、DF、中学生でボランチやトップ下を経験して、高校時代はまたFWやDFに戻り、FC琉球やエスペランサSCではセンターバックやサイドバックをメインにやっていました。なのでどこで使ってもらっても構わないし、試合に出られるならどこだってやります。

 とはいえ、もちろん自分が何としてでも試合に出たいという思いを叶えるよりも、何より重要なのはチームとして試合に勝ち続けてリーグ優勝と1部昇格を成し遂げることなのは理解しています。

 昨シーズンは得失点差で1部昇格を逃したという結果があり、1年間やってみてただ勝つだけでなくできる限り多くのゴールを奪っていくことも重要だと痛感しました。僕自身、ゴールを決めることは大好きなので、どんどん狙っていくつもりです。DF登録ですけど、出場したら「1試合1ゴール」を目指す気持ちで戦います。

 昨年よりもたくさんゴールネットを揺らしてCITYを勝たせて、1部昇格を達成し、最後にみんなで笑って喜べれば最高です。

玉川由のプロフィール詳細

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