【日記】30万円の身分証 #海野波香のさざめき 【25】

自動車免許を持っていない。

友だちが免許合宿に行ったタイミングでインフルエンザになったというのもあるが、最大の理由はそのころメンタルを壊しはじめていて運転できない薬を飲んでいたからだ。

だいぶ前に減薬して自動車の運転には問題ない状態になったのだが、今度は免許を取りに行くお金がない。

これから仕事がはじまって、しばらくすれば免許を取る費用くらいは貯まる計算になっている。なっているのだが、今度は時間がない。

さてどうするか。

幸いにして近所に教習所がある。それなりに評判はいい。土日に通えば免許を取ることはできなくもないだろう。

私が土日に教習所に通う体力があればの話だが、そこはまあ、慣れだろう。今からそこで気を揉んでも仕方がない。週5日の労働など初めてなのだから、やってみてから考えよう。

それはそれとして、免許を取ったら運転ができるのだろうか。

自転車の運転は得意だ。高校はずっと自転車で通学していたし、今でもたまに休みの日は乗って遠出したりしている。

ただ、自転車にはあまり車列という概念がない。なんで自動車の運転手はみんなあの秩序を維持できているのだろうか。ちょっと恐怖する。

祖父は運転が上手だ。なんでも鉄道学校時代に先輩たちにしごかれたらしく、紙コップのコーヒーをこぼさずに首都高を走れるのだとか。

遺伝子で運転の上手さが決まるのなら私も上手いはずだが、生憎とF1がブラッド・スポーツだという話は聞かないから、純粋なセンスと技術、そして経験が物を言うのだろう。

とにかく経験を積まねばならない。

運転に慣れたらやりたいことはたくさんある。眠れない夜はドライブしたいし、週末はソロキャンを楽しみたい。お盆には有給をとって実家で曾祖母の墓に手を合わせたい。

なんなら自動車通勤OKの地元企業に転職すれば通勤が一気に楽になる。仕事帰りに銭湯に寄るなんて贅沢もできてしまうかもしれない。

友人たちと遊ぶ際、よく我が家を拠点にする。駅前まで車で送迎できればもっと気軽に集まれるかもしれない。

野望は無限に膨らむが、約30万の免許費用と土日を食い潰す教習所通いに打ち勝てるかはまだわからないし、そもそも運転ができる人間なのかもまだわかっていないというのが恐ろしい。

シミュレーターだけでももっと気軽にやれないものだろうか。そうしないと、私は30万円かけて身分証を買う羽目になる。

今日のはっぴー

  • 風邪がほぼ治った、微熱だけ残っている

  • 書類仕事を少し進めた、明後日外出のついでに印刷を済ませよう

  • アサヒゼロのノンアル晩酌が最高だった

  • 資格の勉強も少しした、賢いね私は

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