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「島の子」

「水しぶきまで青いんだね」
そうなの。 白波がソーダ水のように弾けて、水色のアイスキャンディーみたいな泡を生む。そして、深い、深い藍色に溶けていく。

それが、私の知っている海。
私が、好きな海の色。 

光を乱反射して輝く波も、太陽の光が筋のように差し込んで照らされる海中公園も、手の指の間を畝って流れていく海水も、足の指にこびりつく砂も、潮の香りしかしない海も、全部私が知っていて、私が好きな世界の片鱗。

夜の海は真っ暗だけど、空との境界線はもやっと識別できて、そして絶えず波の音がする。日の出と夕焼けは似たような見た目をしていて、どちらも空を綺麗なぼかしピンクに染めていく。違いといえば、夕焼けの太陽の方が1日の仕事でくたびれているから、直視しても眩しくないということだけ。その後、その時期が丁度満月だったら反対側の地平線から、まん丸な月が、くすみブルーの空に登っていく地球の神秘を感じられる。

「太陽というのは欠けないから、ずっとまん丸だね」
そうだね。
「月の光が強いから、星があまり見えないね」
そうだね。

自然というのはいつだってそこにあるもの。それに、沢山の人が同時にピントを合わせて息を飲む瞬間が島の時間には沢山散りばめられていて、それを人生で初めてレベルで体感している人をすぐ隣で目撃できるというのは、途方もない感動と共に、きっとすごく幸せを感じられる時間。

島では、ゆっくりと時間が流れていく。
1秒1秒の呼吸を肌でしっかりと感じるから。

学生生活に幕閉じが来ている今、眩しくて涙が滲むような太陽と海をみんなと眺めながらきゃっきゃっできて嬉しかったな。私の好きなものを、みんなと共有できて嬉しかったな。

とりあえず、私の中で切り替えの時は引き続き9月なので←
夏が終わるまでは研修とかある人も多いし、秋が香るようになるまでは勝手にのほほんと助走期間だと捉えておきます。

once a local girl, always a local girl 🌺


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