見出し画像

うさぎ、がんばります

時の流れというのは残酷なほど早いもの。
頭ではちゃんと分かっていて、何度も自身に言い直した。だから、これでもきっと淋しさを和らげることは出来たんだろう。そう考えないと、私は次へ向かえない。

永遠にしたい瞬間を、無限まで引き延ばすことができたら幸せなのだろうか。一緒にいたい人と、一緒にずっといられる事を願わずにはいられない。変わっていく、生きていくということは戦うという事、堰き止められない事をもう既に分かりきっているにも関わらず、やはり私にとって「変わらずにはいられないんだけど、それでもお互い一緒にいたいと願うあの刹那」がとてつもなく好きなんだと思う。

「またいつでも戻っておいで」
そう言ってもらえる程度には人望を築けた。
それでも、私も、言った相手も、なんとなく分かっている。多分、私はしばらく戻ってこない。
だって、なんだかんだで私は自分の意思で、この場所からいなくなる、って決めたのだから。

次の所でも心地良いポジションを見つけられるように頑張る。居場所を感じられる場所はまたきっと現れる。それでも、それまでは以前の居場所に恋焦がれるものだし、それにやっぱりもう2度と返ってはこない愛おしい瞬間に懐かしさと羨望の眼差しを向けるのは、それ程記憶を重ねてきたという印。

次の楽しみだってあるし、ここで培ってきたものも繋がっていく目処はある。それでも、やっぱりこういう時は目を閉じて、雫の軌跡を辿っていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?