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襖、すごいな、って思い出

タイトルどうしようーってしばらく迷っていました。そして、結局選ばれたのが、これ。どうしたんだいな、って感じだ。

ただ、今回書きたいな、と思ったテーマが全部ひっくるめるとこの感想に集約されるんじゃないかな、とのことで、命名。

配慮が詰まった空間

先日、ハイアットセントリック銀座で期間限定コラボしているヘラルボニールームに友達のご厚意でお邪魔させてもらいました。とても良い体験が出来て、色々疑問に思っていた事もお話できて、とてつもなく有意義な時間だったな…。

コラボルーム、と言っても「とりあえずブツを置いただけ」というのは割とよくある事な中、ヘラルボニールームに関してはパターンをどのように部屋に散りばめたら色が映えるのか、可愛いと感じやすいのか、良く考え抜かれていたと思う(誰目線)。

ハンガーに柄を忍ばせたり、磨りガラスで光を入れて反射させたり、絨毯と壁をつなぎ合わせて一つの空間として活用したり。

輝くセンス。
可愛い〜とずっと叫んでいた気がする。それなのに同時に、とても居心地の良い部屋で気付いたらふかふかのベッドで眠りに落ちていた。ホテルとして、非日常空間を演出しながらもリラックス成分を抽出しているの、シンプルにすごい。

あとは、襖。
の、写真は撮っていないんだけど。←

この部屋、オープンプランになっていて、外資系ホテルに良くある、脱衣所エリアがない感じかな?って最初思ったの。(因みにお風呂場は明るくて、木材を使っていて、とても肌感が良かった)

じゃあ、まあ、見ないようにするねー、という。
ただ、部屋を見渡してみたら、変わった出っ張りがあって。
あれ、これ、なんだろうーって引っ張ってみたらベッドルームとお風呂場のエリアを半分遮断する襖がガーって現れました。
え、すご、すごい!ってめっちゃ盛り上がりました。
襖であそこまで盛り上がったの、多分人生初。
全部閉めちゃうと圧迫感が生まれちゃうけど、それを必要な部分のみ隠すに留める。これぞ配慮。

この他にも、コーヒーメーカーが動かなくて困っていたら、めっちゃ心配してくれて、状況を見にきたついでに足りないお水も沢山抱えて持ってきてくれたり、朝ごはんをルームサービスで頼んだ際に、届いたエッグベネディクトの卵がちょっと割れてたんだけど、気にせず食べていたら追加でもう一個綺麗な物を持ってきてくれたり…。その同じお兄さん、バーにいた際にあっちから気付いて声をかけてくれました。優しい。

他にも、一々運ばれている別のお客さんのお料理についてワーワー感想を言っていたら毎回小さな説明を私たちも入れてくれたウェイターさんや、一人でほぼ全ドリンク担当しているから忙しそうなのに、気にかけてくれたバーテンダーさんとか、ひたすらに目の前の人が目一杯楽しんでくれるような配慮が流れとなって、伝染して、優しい空間を作り出していた。

考え続けて、奇跡の確率を押し上げる

そんな素敵な空間に招待してくれた友達とも、色々な話が出来て良かった。話をしている中で、私が気付いた事、発した事は自戒も込めて残しておきたい。

知らない事を知る、ということは、例えそれが「私これ向いていないな」という気付きだけでも、その気付きは経験を通して初めて得られる知識だし、経験を軸に生まれる感情のため、良くも悪くも、ずっと自分の中で蓄積される。それに、一度も触れない、ということは自分がどういう感情を抱くのか知らないまま時を過ごすという事になる。

無知、とは自分が世界に対してどこに立っているのか分からない、みたいな事を宮崎駿監督も言っていた気がするけど、本当にそうだと思う。知らない事で世の中溢れていると、自分が世界に対してどういう影響を持てるのか、どういう立ち位置にいるのか分からないまま生きていかないといけない、ということなる。

それって途方もなく絶望を感じさせることなのではないだろうか。

知っているからと言ってどうにかなるわけばかりではないけど、知らないと、どうにかできる事にすら気付けない。

こんなにも刺激で、知識で、自分と違うものが溢れている世の中で、自分の好きだと感じるものや同じだと感じられるものに出会えるというのは奇跡のような確率だし、その確率を少しでも上乗せするためには、知識が必要なんじゃないかな、と考えている今日この頃。

もちろん、動かないと出会えない。
でも、考えないと動けない。
だけど、考えてから動いているんじゃ、間に合わない。私たちの時間は刹那。
だから、考えながら、ひたすら進み続けるしかない。
出会えて、そして留まってくれる存在に感謝しながら。


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