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#2 半壊した祠|怪談・怖い話

自分は昔から幽霊だの変な悪夢だのたらふく見てまして、
特に家のラップだの怪音だの変な話声だの大量に聞いてた訳なんですよ。

そんで親とかにその話をしてもまともに取り合ってくれない。で、お人形が一緒じゃないと眠れない日々が続いたわけですよ。

誰も助けてくれないとなると自分でどうにかするしか無いわけで、
取り合えず体を鍛えて、自分で言うのもなんだけどバケモンみたいな見た目に成長し幽霊を叩き潰したんです。

長々としましたがここまでが前置きです。

社会の荒波に揉まれ、結果ニートになったんですが、暫くすると旅行に行きたくなったんです。

体を鍛えて成長してから幽霊っぽいものを見る機会がすっかりなくなったんですけど、実際アレは何だったのかと。
そもそも自分が思春期だったために見た幻覚だったんじゃないかと。

では実際に幽霊を完膚なきまで目撃してしまえばいいんじゃないか?
と、考えた自分は有名な心霊スポットを巡ることにしたんです。
あとついでに神社とかの観光。

それで福井の雄島とか岩手の慰霊の森とか青森の恐山とか行ったんですが、
中々神秘的な気配があって居心地よかったです。
なんか神の威光~みたいなの感じてとても良かった。

恐山は特に良くて硫黄臭い駐車場で車中泊するくらい居心地良かった。

で問題は2個所、岩手と広島であったんですけど、先ずは岩手から。
岩手というと遠野物語とかでカッパとか座敷童とか妖怪の話が多いではないですか。

それでカッパ淵という昔カッパが現れて人を引きずり込んだという沢が観光地になっており、そこに行ったんです。

周りは多少整備されているけれどな~んもないド田舎で、自転車用のコースが整地されてる程度の山間部って感じでした。

そのカッパ淵は何やら大きい寺の裏側に流れている沢で、
木漏れ日とか差して休憩するのにもってこいな環境でした。

特定の曜日は解説とかもしてくれるおじさんがいるそうでしたがその日はいませんでした。

周辺を散策しても特に何も無かったので帰ることにしたんです。

そんで帰り道に半壊した祠?みたいなものが立っていました。

岩手というと豪雪地帯ですからその影響で潰れたのかな?と思いその祠の中を覗いた訳なんですよ。

半壊した祠にはよくあるお地蔵さんとか祀ってある小さい扉が立てつけてあったんだけど、殆ど崩れて半開き状態だったんだ。

いったいいつ崩れたのか分からないけれど、
中に神様とか祀ってある状態で放置されてるのだったら管理者に連絡しとくかなと思って中身を確認したんだ。

チラッと中見た一瞬ですごい吐き気がした。

中身は家に飾ってあるエビス様みたいな小さい置物?があったんだけどなんか様相がおかしかった。

高熱で溶けたような、笑っているような、尋常じゃなく怒っているような、奇形極まりない見た目をしてた。

正直ビビった。ネットの数々のグロ画像見ても屁でも無い程度にグロ耐性あったのに、こんな一瞬見ただけで体調不良になるもんが存在するのかと。

直視しているとノロウイルスにでも罹ったのかってくらい体がふらついたんで、そっと半壊した祠の扉を元に戻したんです。

暫く休んでいると体調不良が良くなったんでそのまま帰った。

正直その奇形の物体が何なのか検証したかったんだけど、それを見ているとインフルエンザ並に体にダメージあったから断念した。

神か妖怪かただの思い込みか分からないけれど、所有者がいるものを勝手に触るのは良くないし。

こうやって書くとなんかスゲー胡散臭いし気のせいじゃね?って感じの文章になったな…

これが岩手であった話です。


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