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ヘンな友達の話 ( 2 ) 『悪魔の舌 ( 二 ) 』 村山槐多 (むらやまかいた)

村山槐多 ( むらやま かいた ) 1896年〈明治29年〉9月15日 - 1919年〈大正8年〉2月20日

村山槐多
を知ったのは、ある要件で長野県にある、無言館という美術館に行ったときだった。
画家としての村山槐多という人物は、そこで絵をみて知ったわけだが、小説を書いていたことはつい最近まで全く知らないでいた。

村山槐多の怪奇小説

悪魔の舌
前回の ( 一 ) に続いて ( 二 ) です。ピカイチの変人だと思っている友人、金子からの電報をうけて会いに行ってみると …

彼は交れば交る程奇異な人物であつた。相当の資産があり父母兄弟なく独りぼつちで居る。学校は種々這入つたが一も満足に終へなかつた。それ等の経歴は話す事を厭がつて善く解らないが要するに彼は一詩人となつた。彼はまつたく秘密主義で自分の家へ人の来る事を大変厭がるから如何なる事をしつゝあるのか全然不明であるが、彼は常に街上を歩いて居る。常に酒店バーや料理屋に姿を見せる。さうかと思ふと二三箇月も行方不明になる。正体が知れぬ。自分は最も彼と親密にし彼もまた自分を信じて居たが、それでも要するにえたいの知れない変物とよりほか解らなかつた。

悪魔の舌(一)』 村山槐多 より

きくよむ文学

悪魔の舌  ( 二 ) 
村山槐多 ( むらやまかいた )

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