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ヘンな友達の魔変身話 ( 5 ) 『悪魔の舌 ( 五 ) 』 村山槐多 (むらやまかいた)

村山槐多 ( むらやま かいた ) 1896年〈明治29年〉9月15日 - 1919年〈大正8年〉2月20日


村山槐多の100年前の怪奇小説

悪魔の舌

前回の ( 四 ) に続いて ( 五 ) です。

アイツはすごい変だなあと思っている友人、金子からの謎電報によって呼び出されてみると、なんと家で死んでいた。
しかも、自殺という。
なぜ呼び出して、急いで死ぬんだ … ?
そして周囲を観察して典型的な少年探偵推理ロジックによって
これだ
油紙に包まれたブラックノートを無事発見

オマエだけに向けた手紙だぜ 的な金子の自分に宛てた黒い文章を読んで、
あいつは、変人や思ってたけど、やっぱりけったいなやつやな
と思わずにはいられない金子の変態修行生活の独白

変な奴やと思ったら、あいつ悪魔なんやな
 
… そのブラックノート( 手紙 ) に書かれている、耳を塞ぎたくなる金子の黒い体験。

つまり、おまえだけにわかって欲しいから話す、じわじわと方向の見えてくるイヤな話です。
これ以上は聴かないほうがいいかも??

途端鏡中の悪魔が叫ぶ声が聞こえた。
『貴様の舌は悪魔の舌だ。悪魔の舌は悪魔の食物でなければ満足は出来ぬぞ。食へすべてを食へ、そして悪魔の食物を見つけろ。それでなければ。貴様の味覚は永劫満足出来まい。』

しばらく俺は考へたがはつと悟つた。

『よしもう棄鉢だ。俺はあらゆる悪魔的な食物をこの舌で味はひ廻らう。そして悪魔の食物と云ふ物を発見してやらう。』

鏡を投げると躍り上つた。

悪魔の舌  ( 四 ) 


きくよむ文学

悪魔の舌  ( 五 ) 
村山槐多 ( むらやまかいた )

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