見出し画像

サザエさん症候群なんて無かった。

氣が附けば週の始まりにして今月も終わりを迎えようとしているのであります。
玄關に飾ってある密かに作ったオリジナルキャラクターの日めくりも31日のキャラクターが出てくると月日の流れる早さを身を以て感じる次第であります。

そして今日は月曜日。
やはり土日の休日を終えるといさゝか氣持ちの沈み込む嫌いがありますが、これも世の常であります。仕方の無い事なのです。

…ところで、この休日の終わりを告げる一つの目安と致しまして世間一般では多くのところでかの『サザエさん』を挙げる場合が多いのですが、實は私は御幼少の頃からどうもその感覺が薄く『サザエさん』で氣持ちが沈痛する事が無かったのであります。

何故ならば當時『サザエさん』はすぐ火曜日の夜に放送されたので日曜日の番組が終わっても然程寂しくなかったものだったのです。

それどころか、日曜日の晩に樂しみだった番組は『笑点』に始まり『ちびまる子ちゃん』或いは『料理バンザイ』『サザエさん』『キテレツ大百科』と續くのでサザエさんを以て日曜日の終わりではなかったのです。
(『こち亀』ではなく『キテレツ』を挙げるところが私の世代…)

画像3

さて、日曜日の『サザエさん』は「エネルギーとエレクトロニクスの東芝がお送り致しました」の時代から親しんできた番組でしたが、これが終わるか否かよりも最後のじゃんけんに勝つか否かの方がずっと關心事だったのです。

そのじゃんけんで各週サザエさんが何を出すかはテレビ局の重役會議で決まると云う説を子供の頃から信じておりますが、母が原作漫画を姉妹社時代の初期刊行分1巻から67巻迄全てに加え別冊2巻を揃えており、今も實家の書架に大切に保存されている家柄なものでありまして、「サザエさんを観て氣分が落ち込む」と云った症状は遂に現れなかったのであります。


但し休みの日が終わると云う事に於いては私も例外ではなく、氣分が落ち込むのではないにしろ「寂しくなる」と云う症例が出る事がありました。

別に月曜になったらなったで學校で友達に會える訳でありますし、遊べる訳でもありますので日曜日のが終わる事はそれ程悲しくはなかったのですが、不思議と寂しさはありました。

それが最高潮に達するのが『サザエさん』ではなく『日曜洋画劇場』だったのです。
そのエンディングで淀川先生のかの有名な挨拶と共に『So in Love』と云う曲が流れると「嗚呼、本當に終わるんだな…」と感慨深くなったものであります。

今でも日曜日の夜に一人窓辺で酒でも傾け乍らこの曲を聴くと、あの頃の不思議な感覺を思い出すものでございます。
仕事をしていると尚の事、休みの日が過ぎ行く實感が強くなるものでございます。これも大人の特権かと存じます。

画像1

画像2

「男のくせに」と強がっても「女の子だもン」と開き直っても自分の感情に素直でありたいと思っております。

正月に始まった今月も、はやあと数十分で終わろうとしております。
週明けを迎え、そして新しい月に差し掛かろうとしている今日この頃でありますが、次なる瞬間を頑張って過ごしてしまおうとする元氣を月曜日の朝に登校したあの頃の如くしかと憶えておきたい次第でございます。

目前に迫る來月も良き日々であります様、祈念致します。
それではまた來月も宜しくお願い致します。

サヨナラ!サヨナラ!……サヨナラ!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?