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食糧天使というゲームについての感想話②本編-1


本編感想-1です。
冒頭から猿あたりまで。ネタバレしかない。

本編

ここからはやりながら書いてたメモ書きを抜粋しつつ、文面による実況もとい感想みたいなものを書いていく。先に言いますが、乱雑になります。

End分岐までの本編-1

始まりからすでに部屋。
始まっているのに終わっている(環境が)。
その閉鎖的状況が、分かりやすく鬱っぽさを出していて「鬱ゲーが始まるぞ!」を感じさせる。
外も暗い閉じた世界で、リンは毎日朝8時には起きるようになっている。どうやって起きるのだろう。習慣なのか、それとも、そういう風に起きるようにさせられたのか。「そうなっている」と言っている時点で、まあ、後者なんだろうなと思う。

リンの元に「幸福管理局贈与課」という、名前からして明らかにヤバそうな組織の人物がやってきた。この人物も人間かどうかも疑わしいなと最初の頃思っていたが……(この件に関しては追々)。
黒服で笑顔を絶やさないの、怖すぎる。胡散臭さ要素コンプリートしていくじゃん。そんな姿してたらそりゃ、リンは目を合わせられないよ。私も同じ立場なら同じリアクションする……。
糧を乱暴にどさりと置いて「早く拾ってください」とすぐ催促しているのに、「急がなくていいですからね。あなたのペースで…」っていう矛盾もより一層怖い。
リンを一人の人として扱って無さそうな雰囲気や態度が、リン=存在価値のないもの、って言ってるみたいでめちゃくちゃ嫌。信用できない。
譲歩して思いやってるような言い方をしていても、それは単に表面的なものだけで、実際は微塵も思ってなさそうなのも感じる。すごく嫌。
リンのモンペに私がなってたらここでブチギレてる(そして消されそう)。

しかし、そんな態度を取られてもリンは自分の仕事をすることに徹する。「俺はそれでいいんだ」なんて言う。言い聞かせるように君は言うね。

肉屋をするようになって、作り笑顔とか、ポップとか、店を経営していくにあたっての出来ることを毎日頑張っているのに、内心自分で無意味だって理解しているのも辛い。

誰も見向きもしないのはあまりにも不自然で、初見からずっと気になっている点(これについては、あとの項目で書きます)。

何をしていても誰にも視認されないってのは、誰が眼の前にいたって、独りきりに代わりないよね。存在していないと同意義になる。
そして、リンはもうそれについても諦めている。
「ずっとこうだから」と諦めている。
でも、存在証明のために、自分で自分を証明するために、頑張るのも凄いと思うんだよな。単純に消えるのが怖いからって理由だとしても。

ゲーム上の最初の肉加工は豚肉。
「へえ、豚肉か〜」とのんきに思っていた初見の自分が懐かしい。コロッケ加工ミニゲームが合間に挟まるのは、ノベルゲーの中での息抜き(?)にもなる。
だが、しかし、これがのちに……ってのが、うまいよなあと思う。
コロッケ加工の楽しげなBGMは結構好きである。最初のはね。

とんかつ用のロースをとった残りの肉でコロッケを作るリン、有能。ちゃんと食材を余らせないように色んなことをするのはとても偉いと私は思う。

ここで、リンのコロッケについての過去の話が始まる。
風景の雰囲気が日本の典型的な商店街とかではなく、どこかの異国のような市場風なのには何かこだわりがあるのだろうか。
そういえば、リンの私服も日本というより、中華風なんだよな。リン達の世界は、こちらとは違う色んな文化のものが混ざった世界なのかもしれない。

小さな頃のリンが、お母さんに肉屋でコロッケ買ってもらった思い出、あまりにも微笑ましいし、自分の幼い頃も思い出して、幼子のリンの未来を思うと二重に辛い。自分の店にお客さんが来たら同じように幸せになってほしいと思うリン、尊い。保護させろ。

なんでコロッケが好きになっちゃったんだろうなっていうけど、当然だ。その思い出があればコロッケ大好きになるって。
幼い頃の楽しい記憶はどうあっても好意的に残ると思うよ。でも、疑問に思っちゃう時があるんだよな。なんか分かる。100%は理解できないと思うけど1割ぐらいは共感できるその気持ち。 
好きってのも複雑だ。

売れ残りのコロッケを食べられる限り自分で食べて処理するリン。偉すぎないか? 
なんでこんな偉いのに……報われない……って二周目以降の私は情緒が不安定になる。

コロッケ食べたくなってきた(しかし話を進めると食欲がなくなるのである)。
コロッケの味調整について考察するリン。ちゃんとノートに感想を書いて研究している……。ええん健気だよぉ……。手際の良さとか、味調整についてとか、色んなことを考えて工夫を凝らすのは、リンにとっての存在証明の1つなんだろう。辛い。
そして、その行動を長くしてきてるんだろうなと思うと、胸が痛い。描写から年月を感じる。
コロッケは二個までしか食べられなくて、残りを捨てることに罪悪感を抱く。
その無限ループ、めちゃくちゃ精神衛生によくない。何をしても無意味な生活めちゃくちゃ精神に良くないよ……。
食が元から細いのかどうかはわからないけど、この異世界が、リンの人としての生きる糧を狂わせているんじゃないかと私は踏んでいる。喉も渇かないようだし(これについてもあとで項目に書きます)。

そりゃ、ここまで静かで閉鎖された世界だと狂いそうになる。できることと言えば、勉強しかないよね。勉強をしていれば、少しでも向上できているはずだと思えるだろうから。
気持ちがやっぱりほんの少しだけわかる。でも、リンはこれをやりすぎて没頭も出来なくなっている気がする。辛いね。

「俺は生きるために、生きていかなければならない」

これが今のリンの人生の目的なんだろうなあ。時間もわからないよね。
だから、その気持ちだけでなんとか生きてるんだなあ。ある意味で君は強いと私は思うよ。

建物から出られないのも引っかかる。どうしてそれが出来ないんだろう。

ここから糧の種類が悪い方向性に多種多様になっていく。
少しずつおかしくなっていくのをじわじわと実感させられるターンだ。

肉屋をはじめて数年経っていると自覚はできるのがこれまた精神的に良くないよね。無意味だと思うのが段々自己暗示みたいになっていってさ。すごく良くない。

鶏ダイレクト。
シンプルにきつい。
しかも羽つきの1羽じゃなくて3羽。嫌すぎ。

普通はリンが今までやってきた加工作業前段階をする専門機関ってのがあると思うんですけど(まあこれはこちらの世界の話なんだが)、それをすっ飛ばすってどういうことなんですか。

目って鮮度が反映される部位だと私も思うので、嫌なところが目についてしまったな、リン。

新鮮なのはわるいことではないですけど、いきなり、一方的に段階を飛ばさないでほしい。リンにだって心の準備や拒否権があるはずだよ!といいたいけれど、存在価値のない人間だからその主張は通らないんだろうなって考えに行き着いてまた最悪な気分になる(それがこのゲームのミソ)

ここでまた、「あなたのペースで……」っていう。何も優しくない。だって最後には「あなたには、どうせ誰も期待していないのですから」って言うもの。
イイいいいーーーーーー!!!ムカつく〜〜〜!!!!!!
代わりはいくらでもいるって言ってるようにしか聞こえない。それがこの状況はどうしようもないってのを否が応でも思わせてくる。

ニワトリと目が合ってそっとダンボールの蓋を閉めるリン。もうこのままなかったことにして放置してしまいたい(私が)。
でもリンは偉いからちゃんと加工してコロッケも作る。偉いよ、本当に。
自分が肉屋であるという自覚を持って律して仕事をする。偉い。

ミニゲームのときちょっとリンがメタっぽい説明言うのちょっと好き。

思えば、鶏肉のコロッケってのはあまり聞いたことないかもしれない。美味しいのかな。まずくはないだろうけど。そこそこ美味しいってのは鶏肉のコロッケだからなのか、新鮮すぎて血抜き?みたいなのができてなくて生臭かったのか、どっちなんだろう。
なんて、多分制作側も意図してなさそうなところについて思いを馳せてしまった。

和風テイストの鶏肉のコロッケ。結構普通に美味しそう。コロッケ作るのうまいねリン。いやまあ、それしかできないから自然とうまくなったとか、そういう話にはなるんだけどさ…。

生き物の亡骸の目ってどうして、あんな記憶に残るんだろうね。私は実家が酪農家だから定期的に生き死にがあるんだけど、ずっと昔に見た死んでいて、もうあとは業者に回収してもらって始末するしかない乳牛の顔や目を未だに覚えている。
だから、ちょっとこのリンの気持ちも、全部は分かってあげられないけど、ほんの少しはわかる。

そうだね。肉屋として、新しい階段を登ったのは確かだ。そういう風に納得して生きていくという点に関しては、何もリンだけの話じゃなくて、我々現代の人間にも避けては通れない道だよなあとも思う。

生命を無駄にしているかもしれないってよりダイレクトに感じて辛いね。私もずっと悩んでる。わかる。

自分が無意味だから、食べたコロッケも結局は救えたことにならない、かあ。そうかあ。そうかなあって安直に言ってあげられないのが心苦しい。それは逆に傷つけることにもなるだろうから。


うさぎである。
うさぎはまあ、食べるとこもあるから、まあ、百歩譲ろう。
でも、身体をめちゃめちゃに折りたたまれたうさぎを渡す必要はなくない??? 
売り物に到底できないようなずさんな状態なの、本当に気持ち悪いとか怖いとか通り越して怒りを覚える。
リンを想うとまじでムカつく。
家畜とともに生まれ育ってきた身からしても命を冒涜してるようにしか思えないから尚腹が立つ。

骨出てるじゃん!! 毛皮真っ赤になってんじゃん!! 命無駄にするな! の気持ち。

そしてまたもや糧たちと目が合ってしまうリン。嫌でも目を見てしまうよね……。自然と無意識にそこに目がいってしまうんだろう。

まだビクンビクン震えてる……生きとるがな……。「期待していますよ」じゃねえんだよぉ! いうほどの期待なんてしてない癖に!! 
慣れなくていいよってリンに言ってあげたい。つらい。
変わらずリンはちゃんとコロッケを作ろうとする。デフォルメうさちゃんがかわいいからプレイヤーはマイルドだけど、リン本人はさっきの姿そのままを加工してる……。きついよ……。つらいよー。
問題なくできてしまうのは、長年やってきてるからで、さらにこのちょっとした描写は、のちにどんどんダイレクトに実感させられるんだ……うう……。
ちゃんとうさぎのコロッケ食べとる……。えらすぎる。


出た。
猿だ。
人間に限りなく近い生き物。
猿だ。しかも子猿。大人じゃなくて子供。
精神攻撃が鋭利すぎる。手足を無理やり同じ位置で縛られて骨折れてるのか……。シンプルにグロい。
「どうしましたか?」じゃねえんだよ。まじで。

……人間と同じ、五本の指が痙攣している。

って書かれてるのが本当に追討ち(褒め言葉)。薄らぼんやり思っていたことを明確にされていくようで不快指数高まる。

何が今までと変わらない肉の塊です、だよ!! 変わるわ!!! 誰が食うねん!! 命無駄にしてるんだよ!!! リンにこんなに苦行を強いらなくてもいいじゃない!!

リンがとっさに「はい」って返事しちゃうのが心痛いよ……。リンにとってコイツは「生きるために従わなきゃいけない存在」であり、それを心の底から思っているが故に自然と「はい」と返事してしまう、てのを実感させられて胃も痛いし胸も痛い。

そうです!!
「苦しまずに殺すのが自然への、命への礼儀」、その通り!!! リンは偉いね!!!!おいこらめんどくさがるなふざけるな。そして帰るな!!!!!

ここからコロッケ加工のときの曲が怖くなっていく。リンの心も、プレイヤーの心もどんどん加速的にぐちゃぐちゃにさせられる。めちゃくちゃ嫌。
でも、この不快感が「食料天使」というゲームのミソの一つぅ……。

猿のコロッケを作らなくてはならない。
って絶対的にそうしなきゃいけない、どんなに嫌でも。みたいな心を感じる。うう……リン……。
ほら、やり慣れてしまっているから、はじめてしまえば、問題なく作れるみたいなことを言ってる。
確かに本当の肉の塊ならば、どんな肉であろうとも見た目は変わらないだろうけどさ……。それで済む話でもないよ、とプレイヤーの私は思ってしまうんだ。
ピロリロリンって完成の音鳴るのがこんなに「違うそうじゃない」の気持ちになるなんてさ……。
えらすぎる……。どうしたって俺だけでも食べなければならない気がして……、って気持ちがあったとしても、私は食べられないからリンは偉い、本当に。
でも、ずっと(慣れろ)って自分に命令するように言ってたのに、ここではじめて(慣れたい)って願望になっているのが、心象を表していて私は……。 



翌日。
いよいよ来てしまった。
私まで緊張で手汗かいてきた。

なんで人間の死体なんて持ってくるんですか?肉じゃないですよね?


続く



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