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余韻を感じる時間

 一人で映画館に行くのが好きです。

 別に家でレンタルや配信で映画を観てもいいんですが、あの暗闇の中に身を置いて物語に没入していくのが好きです。そして、映画が終わり、シアターから出てきた時の現実に戻った感じ。良い映画であるほど、つまらない現実に戻ったな、と思います。
 帰り道をさっきまで観た映画のことを考えながら歩く時、来た時とは同じ道を戻っているはずなのに、少しだけ違う感じがします。あのシーンはどういう意味があるんだろう、あの俳優はなんであの演技をしたんだろう、なんで俯瞰のショットだったんだろう、とか、考えは広がります。
 良い作品であればあるほど、余韻は続きます。
 次第に自分を作る大事なものになっていくのだと思います。

 別にそれは映画館という人工的に作られた体験だけではなくて、恋愛において、ずっと忘れられない人がいる、というのもコミュニケーションにおける余韻の一つだと思います。

 さて、僕はSKE48というアイドルグループが好きで、コロナでイベントが中止になる前は、よくコンサートに行っていました。
 アイドルのイベントでは、握手会というものがありますが、あれも列に並んで待っていると、先に握手が終わって出てきた人たちの顔に残る余韻を見るのも楽しいですね。
 ただ、コンサートの余韻と握手会の余韻は少し違う気もしましてね。
 握手会という人対人というコミュニケーションとコンサートという公対公というコミュニケーションでは余韻の感じ方も違ってくると思います。
 映画の余韻に近いのはどちらかというと、コンサートの余韻かな、と思っています。

 実生活でも趣味でも良い余韻があればあるほど、次の発発想のヒントが生まれる気がしています。良い余韻を感じる人、皆さんにとっては誰でしょう?

 僕は、今日参加した奈良国際映画祭で、素敵な余韻を感じさせる人たちに出会いました。
 若く才能あふれる表現者たち、遠い国の表現者たち。
 上映後のコンベンションでは、自分の読み取り方がまだまだ浅いなと感じることや、そんな世界の捉え方があるのかと驚かされることも多く、大変興奮しました。
 様々な余韻を抱いたまま、この記事を書いています。
 

 1年後、3年後、10年後も、自分の中に良い余韻が響き続けていますように。

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栄、覚えていてくれ
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