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「99.9刑事専門弁護士 THE MOVIE」感想(ネタバレあり)

ドラマはシーズン1もシーズン2も全てではないが、ほぼ全て楽しんで見ていた。なので、映画化と聞いてからわくわくして公開日を待っていた。事件物なので、どうしてもネタバレなしには書けず、途中からはがっつりネタバレなので、未見の方はご注意を!!


1.ドラマファンへのご褒美

シーズン1の立花彩乃(榮倉奈々)、シーズン2の尾崎舞子(木村文乃)が登場すること。まあ、登場の仕方としてはちょっと無理矢理感はあるのだけど、ドラマファンだったらやはり彼女たちは出てほしいと思うだろうし。彩乃のプロレス好き、舞子の腹話術?も顕在で、ふふっと笑えた。

収益や名誉にこだわり妻と娘に弱く、結局深山に手玉に取られる佐田先生、深山と明石とのコミカルなやりとり、深山の寒いギャグで冷える場(今回はそのたびに穂乃果がきゃー!って笑うからまた違った感じで面白かったけどw)、深山にいつもいいように使われる丸川さん、そんなドラマの特徴がそのまま劇場版にも引き継がれていたので、やはりそこは嬉しかった。

いとこやの2人も登場。深山の美味しそうな料理も。加奈子がもっと見たかったなー。

きっと細かい小道具や背景など、もっとコアなファンの方ならふふっとなるところがあるのだろうけど、私はそこまでは分からず。でもじゅうぶん面白かった。

以下、ネタバレですよ!




2.後味の悪い事件

実は私、前日譚となるSPドラマは諸事情でまだ見られていない。ので、特に前半の事件や南雲先生との因縁はよく分からないまま。なので、ところどころ、??となりつつだった。それでも南雲先生が準備した証人の杜撰さは、深山がいつもの検証で明らかにした時点で疑問だった。それが最終的に容疑者の潔白のためだったというところはさすがだな、と。容疑者がRー指定さんだからって面会で韻を踏ませるのはこの作品らしくてだいぶ面白かった。

そして、メインとなる過去の事件「天華村毒物ワイン事件」。南雲先生の養女であるエリの実の父が犯人として死刑判決を受け獄中死。ちなみに、この死刑判決を下したのは因縁の裁判官、川上。実母も心労で死亡した。この事件、うまくいきそうで二転三転していくところは、最後は解決するのだろうと思いつつもハラハラして引き込まれた。結末は、子どもたちの悪戯で起きたこと、それを隠すために村人全員で協力して新参者の一家をスケープゴートにした、という何ともやりきれないものだった。

結末としては、斑目法律事務所はエリの人権を回復することができ、成功ということになるのかもしれない。でも、大人たちにその事実を隠され、罪を償うチャンスを逃したまま大人になった守とその友達にとっては、これから重い十字架を背負って生きることになった。そのことが何ともやりきれない気分にさせられるラストだった。

この真実が明かされるシーン、涙ながらに叫ぶ南雲先生の一方で、あくまでも事実を明らかにしただけの深山。ここ、深山の事実だけを追い求める、そこに私情を挟まない、という面がちゃんと出ていてこの対比よかった。

3.全てをもっていった川上憲一郎

ラスト、毒物事件でいわば冤罪を生んでしまったことが明らかになった川上先生。自ら辞表を提出することに。最後、呼び止める舞子に、ただ、にやっと笑って去っていく姿。私的にはこの映画のハイライト!中盤の閉廷した法廷での深山とのやりとりと言い、出番は多くなくても川上先生がとても印象に残った。

4.まとめ

全体を通して言えば、まあ、いろいろ粗は見える。毒物事件もいやそりゃ無理だろ、と思うし。でもお正月映画としてみんなで楽しんで肩の力を抜いて見られる映画かな。ドラマでシーズン3やってくれないかなあと期待している。