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【新宿】たらふく

 1996年10月24日。
「5人でふぐ屋。歌舞伎町で4:00すぎまで」
 
 当時からいまにいたるまで、公私にわたりいちばんお世話になってる先輩(師匠)がいます。世の中的にも大変有名な方です。
 その方とは何百回じゃきかないくらい飲ませてもらってきましたけど、いろんなお店を試すというより、気に入ったお店に何度も行かれるので、この区役所通りにあった店も数回も行きました。

  いつもその先輩(同じくお世話になってた俳優の先輩と行くことが多かったのですが)は、奥の座敷席をご所望で、その日も店の人がいつも以上にテーブル席をすすめてきてるのに、「奥がいいです」と座敷へ。
 すると、二列ある座敷席の一列は、見事に絵に描いたような、その筋の皆さん二十名ほど。スーツの方々を真ん中に、本当に映画のように、末席にはジャージ上下の若い衆もいて、会話もほぼなく実に静かに召し上がっていらっしゃいました。

 そして、彼らに背を向けて座る先輩2人。当然、彼らのほうを向かって座る羽目になった私。
 後ろのアウトレイジなどおかまいなしに、大声で映画談義やエロ談義で盛り上がる先輩方。あちらの皆さんと、絶対に目が合わないようにと鍋の火を見つめ続ける私。

 頭の中では「おらぁ、おまえらうるさいんじゃ!」という怒号パターンと、「少々、お静かに願えませんか」という逆に怖い落ち着いたトーンのパターンをシミュレーションするも、どっちにしろ対処できないとずっと震え続けてました。
 
 というのも、いまとなってはいい思い出です。
 
 そして最初に連れて行っていただいてから10年後。
 
 2005年3月20日。
「先輩と2人でトークショー。終わって新宿。いつものお礼と今日のギャラで、ふぐ25,000円也を奢らせてもらう」

 私も少しは大人になれました。

 これは2003年、唯一その先輩以外と行ったとき。後輩の親友が(いろいろなお礼ということで)奢ってくれました。生々しいお会計写真。
 

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