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忘却図書館 10年代ベスト

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#忘却度60

【忘却度60%】兼高かおる「わたくしが旅から学んだこと」

2016年10月30日。  もう「兼高かおる世界の旅」も知らない人のほうが多いんだろうなあ。  これまで何度も書いてる「70年代パンナム小説」の参考に買ったのですが、これまでも何度か書いてるとおり、海外に行くなんて夢のまた夢だった時代に、様々な国や場所を紹介してくれてたのが「兼高かおる世界の旅」だったのです。(それと久米明さんがナレーションの「すばらしい世界旅行」)  協賛はやはりパンナムでした。 <ネットで調べてみる>  ちなみにその「70年代パンナム小説」(

【忘却度60%】福田ますみ「でっちあげ」

2016年5月1日。  事件ノンフィクションブーム。  この本はすごかった。「子供に死ねとか言うとんでもない暴力教師」というイメージは、実はモンスターペアレントと、それに踊らされたマスコミによって作られたものだった、という。  真実が明らかになるまでの教師の方の気持ちを思うと、読んでる間ずっと胃が痛くなってきます。 <ネットで調べてみる>  後で出てきますが、この事件といい桶川ストーカー殺人事件といい、このへんの優れたノンフィクションを読むたびに、流れてきた情報を鵜

【忘却度60%】帆足孝治「パン・アメリカン航空物語」

2015年6月29日。  2008年の段階でも「Airline Design」「Stewardess」などに夢中になっていましたが、このころから再び、「70年代の飛行機文化」に思いをめぐらせるようになります。  私にとっては小学生のころなのですが、まだまだ海外旅行など庶民には夢だった時代、航空会社のCMに見知らぬ外国に憧れ、「アップダウンクイズ」で行くハワイ旅行を夢見て、外国映画を何パーセントか観光気分で見てたころ。  そんな憧れの象徴がパンナムだったような気がしま

【忘却度60%】ドナルド・グロップマン「ハレー彗星フィーバー」

2014年6月12日。  書くのは別の1作の後になるのですが、後にハレー彗星をモチーフにした小説を書きます。発売はこの3年後。  というわけでここからハレー勉強の開始です。 <ネットで調べてみる>  何が悔しいって本だけでなくいろんな資料で勉強して、小説になる前にそれを文書でまとめてたりしたんですが、この後の2015年と2016年の(文書だけでなく写真など)パソコンがクラッシュして全データ飛んじゃったこと。  いまさらっとハレー彗星うんちくのひとつでも披露しようとし

【忘却度60%】カール・セーガン「ハレー彗星」

2014年6月13日。  前項に続きハレー彗星研究。  そういえば私たちの世代は当然のようにハレー彗星という名前を知ってますけど、いまの人は知らないかも。  76年周期で太陽をまわる彗星で、近いところだと1986年に地球に最接近しました。時代によって肉眼でも大きく見えるときもあったらしいんですが、86年のときは残念ながらほぼ見えず。  そのかわりに各国は撮影のための衛星を打ち上げて、それは「ハレー艦隊」と呼ばれたりしてました。  次に来るのは2061年。私は死んでます。

【忘却度60%】「バックギャモン・ブック」

2014年10月19日。  この少し前の日記から抜粋します。  9月30日。「この数ヶ月ぼんやり考えてた「タイムスリップ」と「メロドラマ」の小説のプロットが一気に浮かぶ。ノートに書き込み」  10月16日。「ずっと取りかかれずの、仮題「メロドラマ」の出だし、バックギャモンの説明を手書きで書く」  2016年に発売したタイムトラベル恋愛物語(私自身が自作でいちばん好きな本です)で、主人公の2人はよくバックギャモンというボードゲームで遊んでるという設定にしたのでした。  

【忘却度60%】ミヒャエル・エンデ「モモ」

2014年12月5日。  このとき書いていたタイムトラベル小説、仮題「猫とポルノとバックギャモン」で、ヒロインの少女時代の愛読書が「モモ」と「ソフィーの世界」という設定にしたので(一応「時間」に関係する物語)、読み直してました。 <ネットで調べてみる>  「日本での発行部数は本国ドイツに次ぐ」。  こういう「日本(だけ)ではとりわけ人気」という作品や人物をまとめた本、企画したらいけるんではないかとふと思いました。  ハインライン「夏への扉」とか、映画「小さな恋のメロ

【忘却度60%】ロバート・ウェストール「禁じられた約束」

2012年3月3日。  震災から1年、個人的にも人生でいちばん心が落ち着かないことが起きて1年、やはりなかなか読書という気分にならなかった時期です。  そんな時期、過去の日記を読み返して書き抜いてたりしたのですが、この5年前の2007年3月、大事な人がこの本を薦めてくれてたことに気づき(でもそのときは読まなかった)、さっそく購入しました。  病弱な女の子がヒロインなんですが、その後の展開は、悲しく、しかし恐ろしいものになっていきます。  でもこれ、中学生とか向けなんですよ

【忘却度60%】クレマン・シェルー「アンリ・カルティエ・ブレッソン」

2010年8月27日。  本書にも載ってると思うんですけど私、アンリ・カルティエ・ブレッソン(有名な写真家です)の作品ではなく、発した言葉を何度か小説に引用したことがあります。 「ひとつのテーマが力強さを完全に発揮するためには、形の関係が厳密に定められなければならない」 「しかし、撮影の瞬間の構図は直感的なものでしかない。なぜなら、我々の相手は関係性がたえず揺れ動いているつかのまの瞬間だからである」  ルールを徹底的に頭にも体にも覚えさせる。そのうえで、本番は無心で望