人生の時間
自分の年齢÷3
自分の年齢を3で割ると、自分の人生における「今、何時か」がわかるらしい。
例えば18歳。18÷3で、6だから、午前6時となる。
午前6時。それが早い時間なのか、まだまだ寝たいたい時間なのかは、人それぞれだろう。
ただ、起きて活動している人はしている。
僕は今、34歳だから、11.33333時。
まあ、11:30ってところか。もうすぐ、お昼ご飯の時間である。
いや、でも待て、寝てる人もいるぞ、その時間帯は。
34歳。11:30。正直、僕にとってのこの時間は、
「ああ、お昼なに食べようかな」
などと考えている時間帯である。
まあ普段の平日は奥さんのカフェの手伝いをしているので、
「ああ忙しいなあ」
「今日は暇だな」
「働くか…」
大抵この三つのどれかを考えている。カフェの手伝いをしている時にお昼ご飯を12時に食べることは稀なので、実はお昼ご飯のことを考えられるのは定休日だけだ。
36歳になると、ちょうど人生の時間は12時だ。正午。普通、お昼休憩。
39歳は、13時だ。
もし休みの日だったら、予定がなかったとしても、そろそろどこかに出かけたい時間である。もちろん人によるのだろうが。平日の会社員であれば、午後の部の仕事が始まっている。
やがて51歳。17時だ。夕方。冬であれば、もう外は暗くなり始めている。仕事もそろそろ切り上げ時だ。
56歳。僕の父が亡くなった歳だ。時計の針は四捨五入して19時。僕の父はずいぶん早い時間に眠りについてしまったようだ。まだこれから面白いテレビ番組とかやるかもしれないし、もしかしたら急に飲み会の誘いとか、あったかもしれないのに。
60歳は、20時だ。いわゆる夜だ。でも、まだまだ一日は終わっていない。
人によっては、まだまだ夜はこれからだぜ!という声もあげるだろう。僕もそう思う。20時なんてとても良い時間帯じゃないか。
72歳。24時。少し眠くなってきただろうか。日付が変わった。でもまだ生きている。体は動く。頭は眠いせいか、少し回転が遅くなっている気はするけれど。
75歳。25時。深夜である。周りを見てみる。もうすでに眠りについた者も多くなっているだろう。自分はどうか。動けているか。もう、眠りについてもいいのでは。そう思うことも多々あるだろう。
78歳。26時。午前二時。どうだろう。もう、いいんじゃないか。いやいや、まだまだ現役の者もいる。少数派ではあるが、確かにいる。
81歳になった。27時。午前はなんと、三時である。このまま朝まで起きていられるだろうか。そんなことを考える時間帯かもしれない。もう十分活動した、そんな1日だった、なんて思うかもしれない。
まだ眠りについていないの?そんなふうに言ってくる人もいるかもしれないな。
84歳。28時。午前四時。季節によっては、空が白み始める。
まだこっちに来ないのか。何年も先に眠りについた友が、呼んでいる気さえする。いや、もう少し、起きているよ。そんな言葉を返せる人間は、一体何人いるだろうか。
90歳。30時、もう、聞いたことがない時間になってしまった。朝6時だ。オールしてしまった。18歳の時が朝6時。90歳の今も、朝6時。
後悔のない一日だっただろうか。思い切り遊べた一日だっただろうか。
楽しかっただろうか。
自分の年齢÷3。よくできた設定だ。はじめに誰が言い出したのだろう。
悔いのない一日を過ごしたくなってしまった。ま、それが難しいんだけどネー。
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