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【自分メモ】ヘルススコアの正しい設計手法from「カスタマーサクセス実行戦略」

Sansan社のCS、山田ひさのりさん著書の「カスタマーサクセス実行戦略」を読んだ際の自分メモ。今回は”ヘルススコア”について。

ヘルススコアの設定目的
「チャーンしそうな顧客を判別する」という目的を持っている。これを起点に考えると、ヘルススコアの最も正しい設計方法は「実際にチャーンした顧客群を分析し、共通する特性を数値化する」こと。

設計方法について
ヘルススコアの設計は企業により大きく異なる。
15~20もの細かいヘルススコアを設定しているところもあれば、「カスタマーサクセスマネージャー定性判断のみ」のサービス提供者もいる。

すぐのデータ化が難しい場合は、顧客に直接向き合っている担当者の肌感に頼るのが吉。
「こういう顧客はチャーンしやすい」「顧客が〇〇になったら要注意」など、多くの直感的なKPIを持っているし、それがかなり的確であることが多い。
直感によって候補となる指標と、それらを数値化する手段を検討し、それをヘルススコアとしてまず運用してみる。これだけでそれなりに有効に機能する。

★チャーンした顧客の分析+カスタマーサクセスマネージャーの感覚の共通項からヘルススコアを導くことで、定量と定性のハイブリット化したスコアの設計ができる。ファクトとしての数値だけでなく、定性感覚をヘルススコアに加味することで、現場の担当者が納得を持って顧客をフォローすることができる、というメリットがある。

Gainsight社が提唱している、顧客の健全性を測る4つの軸

(1)Deployment(最適な利用条件の充足度)
(2)Engagement(顧客との関係値)
(3)Adopion(プロダクト・サービスの利用率)
(4)ROI(費用対効果)

(1)Deployment(最適な利用条件の充足度)
大前提として、サービスを利用するための理想的な前提条件が揃っているかどうかを正しく知る。

(弊社サービスで例えるなら・・)
・初回ログインがあったかどうか
・設定が完了し、サイトリリースがされているかどうか
・1回目の申し込みがあったかどうか

(2)Engagement(顧客との関係値)
顧客との関係がしっかりと築けていれば、チャーンは発生しにくい。
チャーンの可能性が浮上したとしても顧客との関係が良好であれば、早い段階で察知することが可能。
顧客との関係を5段階で定義し、月次などでアップデートする方法などがある。
良好さの判断は、カスタマーサクセスマネージャーの感覚値や顧客の定性的な行動で決定することが多いが、ヘルススコアの一要素と十分に機能する。

(弊社サービスで例えるなら・・)
・定期的なコミュニケーションが取れているか
・ニュースレターを開封してくれているか(?)
・アンケート等にきちんと回答してくれているか(?)

(3)Adopion(プロダクト・サービスの利用率)
いわばサービスの利用率のこと。

(弊社サービスで例えるなら・・)
・ログイン回数
・申し込み件数
・登録顧客数(?)

(4)ROI(費用対効果)
何をROIとするかは、サービスにより異なるが、何かしら「弊社サービスで御社の業務の〇〇の部分がこれだけ改善されました」言い切れる必要がある。
時間的コストなどの金銭的な対価である必要はなく、提供しているSaaSに価値がある以上、何かしらのROIを生み出せているはずなので、それを数値化できないかじっくり考えてみる。


参考図書


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