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ライブコマースの天才発見

 ちょっとひとつ前にライブコマースについてすごく否定的なノートを書きました。そのフォローというわけではないですが、少し前に中国のライブ配信を勉強のためにと見て回った時にみつけた「この仕組み、考えたやつ天才かもしれない」と思ったライブコマースがあったので、そちらを皆さんに紹介したいと思います。
 大きなビジネスにはならないかもしれませんが、かなり画期的でした。私は中国語話者ではないのでGoogle翻訳だよりで調べたりしたものなので、少し実際とは違うかもしれませんのでその点はご了承ください。

1.ライブコマースの仕組み

 仕組みはざっと解説するとこんな感じです。

①タイムラインへの投稿

 まず最初はタイムラインへの投稿です。
 私が見たのは結構フォロワーさんがいるきれいな女性のライバーさんでしたが、新作のお菓子を見つけてすごくおいしそうという投稿をパッケージとともにしていました。
 で通販サイトへのリンク(アフィリエイトリンク)を貼っています。そこからアクセス数や購入数でライバーに報酬が入るようになっているわけです。
 ここまではよくある話なんですが、その投稿の最後に「〇月×日△時からの配信でみんなで一緒に食べようね」って書いてあるんです。
 ここがミソです。

②実際の配信

 次にその時間の配信に行くと、実際にお菓子用意してるんですね。ライバーが何言ってるのかは私は聞き取れませんが、リスナー達のコメントなどから察するに「みんな買ってきた?」とか話しかけて食べ始めるわけです。
 私が見た時は7~8人くらいが買ってきていたようです。
 友人と新作のケーキとかを喫茶店で食べながらこれおいしいねとか話してるようなそんな雰囲気ですよね。
 で、その時にライバーがちょくちょくパソコンを操作して、何か記録をしているようなんです。
 どうも実際買ったリスナー達から食べた感想を集めてるようで、おそらくこれをメーカーに出すんだと思うんですよね。よくある新商品のアンケートを雑談の中から集めてるようなんです。

2.何がすごいと思ったの?

 これ、仕組みだけ書いてしまうとすごく単純なんですが、何がすごいかというと「誰も損しない仕組み」なんですよ。

①ライバーから見ると

 これ、ライバーからすると何も損が無いんですよね。
 だってやってることは時間を決めて配信予告をすることで、少し通販で買うことを考慮すると先の日程を指定するにしても、普段からやってることですよね。そこにアフィリエイト入れているだけ。
 そして、実際にお菓子を食べながら配信で、おそらくこのお菓子も広告主からの試供品だと思います。
 あとはコメントとかを集めることですが、みんなで同じお菓子食べながら
そのお菓子について話すという共通の話題があるので、話すネタに困るライバーさんにとってはむしろ助かりますよね。
 なるべく雑談っぽくアンケートの内容をリスナーに振っていけばそれだけで1時間とか枠が埋まります。
 収入は正直1件やって数百円とか多くても数千円のレベルだとは思いますけど、ライバーが損する要素がないんです。

②広告主(今回の場合お菓子メーカー)から見ると

 広告主から見ればいろんなインフルエンサーたちにアフィリエイト広告依頼するなんてよくある新製品の広告の一つですし、その対象にライブ配信も入るだけです。
 報酬は実際のアクセス数や購入数からの出来高払いなので特に出費が増えるわけではありません。
 しかもライバーにお客様の声を集めさせられるのは大きいメリットになります。新製品でアンケートとかありますけど、なかなか集められないんですよね。答えてくれないから。だから答えた人には抽選で景品とかポイント付与とかみんなしているわけです。
 そこをライバーたちがやってくれることになるので、もしかしたらアンケート情報を集めてくれたライバーさんにはアフィリエイトとは別の報酬も出しているかもしれません。
 アンケート調査で1000件とか集めようとすると調査会社に40万とか払いますからね。

③リスナーから見ると

 リスナーからしてもお菓子とか日用品のレベルなら普段から買うわけですし、その購入する商品がその時だけライバーさんの指定の商品に変えるだけなので出費増にならないですよね。
 お菓子とかなら、むしろライブ配信自体は無課金で楽しんでますみたいな人も試しに買ってみるかとなるかもしれません。

3.日本でもできんじゃね?

 これは想像も含みますが同じような投稿をしているライバーが複数いたので、日本みたいなライバー事務所か、あるいは専門のエージェントがいて、そこで一度企業から依頼を受けてライバーたちに依頼をしているのだろうと思います。
 一件あたりの単価はそんなにはいかないでしょうが、ライバーが繰り返していくことで、購買率も上げられるでしょうし(毎回みんながおかし食べながら会話しているのに、自分だけ買ってなかったら会話にこまるというリスナーの心理も働くはず)、お菓子だけじゃなくジュースやお酒(EVERY.LIVEはだめだけど)、その他日常使いのものに広げていくことができるんじゃないかと思います。
 そして数をさばいていければそれなりの規模のライバーさえ集められる事務所であればそれなりの規模のビジネスになるんでないかな~と思いました。
 例えばライバーが仮に100人いて、そのライバーが一人当たり平均10人のリスナーの声を集められば1000件のアンケートと1000個の販売見込みを立てられるわけですからね。
 そんなわけで、面白い仕組みだなと思い、今回紹介させていただきました。


 




よろしくお願いします。