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日記2020+3/3/21

#短歌

消えてゆく夕陽と同じスピードで家出少女は自転車を漕ぐ

#tanka

靴紐を直すために丸めた背中を雲の影が撫でていく。眠っている間にも何かに夢中になっている時にも酔っている瞬間にも時間は自動的に過ぎていく。マジックアワーの街に午後六時の曲が流れる。走るランドセル達とすれ違う。僕も昔は子どもだったんだ。そのうちおじいさんになって、骨になって墓の中で少ない思い出を数えるんだ。頭を振って死のイメージを消す。もしかしたら、何年後かに地球に隕石が堕ちてきて、それでさ。親指でボリュームを上げて目を大きく開く。暗い想像も暗い現実も暗い曲も今は要らないんだ。それで僕はどこに向かっているんだっけ。さらにボリュームを上げて余計な観念を押し出す。

寝る

おやすみなさい

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