横浜の治安が悪い?言葉の恣意性を考えると、想像していなかった未来だった。
「治安悪い」ここ数年、巷でよく耳にする。酷い時は「治安!」「まじ治安!」「治安!治安!治安!治安!」などと。ここまでくるともはやこの言葉、名詞以外にも動詞や形容詞的な役割を果たしているのかちあん…
すべったわーまじ治安。いやいやそんな冷めた感じっすか?治安悪いってそれは。怖い怖い。
と、この様に使う。
「なんのはなしですか」と皆様は混乱するだろう。それは私の反応でもあるのだ。だって、全く治安悪くないから。
居酒屋に行けば”合法的な”チンチロに負けた”合法的に飲んでいる”のだろう御姉ちゃんがショットグラスを目の前に「治安わっっっる!」と笑顔を溢れさせている。或いはそれがチンチロに負わされた”「飲み切れ」の強制”と”「対価の支払い」の義務”ならば、”合法的な”チンチロを法的に見直す必要があると同時に―否、速やかに見直さなければ彼女達が宴も竹縄「本気っすか」「いやいやオカシーベ」「無理矢理女性に飲ませて、そんなんハラスメントっしょ」「そーだそーだ」などと騒ぎ出すかもしれない。小さな飲み屋のイザコザを火種に民衆が暴徒化した場合チン/チロハラとはどうにも愉快な響になってしまうが、確かに「治安いいねー⤴️⤴️」という姿勢でもいられない状況。
…否応なしにこんなにも注がれちゃうってーとね、いやいやあっしだっていーんろいろ考えさせて頂きゃした。…今日集まって頂いたのは、どうだい元気してるかいって顔を突き合わせたのならば、横文字使ってアイズ・トゥ・アイズ、ちーと洒落臭ぇ事ぬかしちまって照れ隠し、懐隠して持ち帰ったI's/電影少女のいまだ持ち込す後ろめたさを押し殺し、日頃の憂さを酒と笑いで晴らしましょうそうしましょうといった腹積もり、ってなことは百も承知、千も踏まえた上、手前勝手ではぜーますが予期せず注がれた酒の蝶々効果、ピタゴラスイッチもピタごらすその連鎖反応にまで気を遣った広い視点を以て、これも一つの見識かなあとざっくばらんに述べさせて頂きやす…「治安わっっっる!」
これこそが彼女の本音だろうか。そんな事を考えていると私の卓も卓とてタクタクと酒を酌み交わし駄話を繰り返していたらしく「おい!」と呼ばれて「はい!」と顔上げて、次なに飲む、ニヤニヤきもいんだよ、妹結婚おめでと、みたいな事を言われる。
おめでたい話をしようというのにどうにもきな臭いのは困る。いいやこの御姉ちゃん達はTo Loveる世代だよね、ってか私もだよ。お前の兄貴のマンガパクったの私じゃないから。などとあわあわしてしまう。
だから↑御姉ちゃんには「治安わっっっる!」の代わりに「景気良し!」とでも叫んで頂きたかった。
「景気治安」で「良し悪い」。何故だ。ショットグラス一杯に表面張力注力中の酒の何がこの街の治まりと安らぎを脅かすのか?何故治安が脅かされているのに彼彼女達は笑顔なのか?或いは私は「治安悪い」の意味を正直に意識するあまり、その恣意性を見逃してしまっているのかもしれない。実に面白い。「治安悪い」を解読したい一心で私はいつも考えた。スーパーのレジ行列ゴール手前でついでに買っちゃえビスケットを籠に放っている自分に気付いてアッとなった時も、頭皮にできた季節の変わり目湿疹を引っ掻いてしまいイッとなった時も、散歩しててもトイレでも風呂でも、明け方の街、桜木町で、こんなとこに来るはずもないのにいつでも探して考えた。
食って、寝て、起きて、あゝ、治安悪い。あれまじなんなんだ。
結論が出たのだがその前に大事な注3つ
1.ところで恣意ってなに?
言葉には恣意性というものがあり、この熟語はカッケーと思って私がタマタマ覚えていただけなのだが、要するに言葉の意味というのはTPOに合わせて適当に変化しますよ、ということを格好良く説こうとすると言語学的に「恣意性あるっしょ」だとか「恣意的でんがな」となるらしい。この記事では恣意性とは「都合よい解釈のされかた」だという都合よい解釈でよいこととする。
↑を読んで「タマタマを?🤭」と茶々を入れる方は居ないと思うが、「カッケーと思って私がタマタマ触っていただけなのだが」と私が綴っていた場合どうなるか、
…漢字二文字で🫤…いや「恣」に?🤔…次と心の丁度中心ね?確かに😏…なるほどお前はタマから気持ちを作るのね📝…
この様な変態味が溢れてきてしまう。それが恣意的解釈である。同じタマタマでもここまで脱線出来てしまうのだから日本語は面白い。
2.本当に治安が悪いなら無理して外に出るな。
心的外傷或いはそもそもの自意識で外に出るのも一苦労という方々への…アグレッションと言うのでしょうか…嫌味を言っている意図は小生一切ございません。あなたが危険だと思うならそこは危険だ。
かく言う私もPTSDに悩まされた夜がある。妹のチャリ借りて買い物向かって道中往来する車輪、ブレーキいっぱい握り絞めてゆっくりゆっくり下ってくその車輪が怖くなって隅にチャリ放置してガクブルで足摺って時々座って冷汗垂らして帰宅、逆に「チャリ置いて来た👊」して妹にめっちゃ怒られた。怪我をしたあの晩を想起する悪夢では頭が破裂して夜中に吐く。頭破裂した事なんてない事に気付いて、「話盛ってんなよ、夢」自分にツッコミを入れて見た朝日は悪くなかった。
まあそんなわけで「だから大丈夫だ」なんてあなたの事情も知らずに無責任な綺麗事は言えないのだけど「お前と俺のツクリはニャンちゅうとイーロンマスクぐらい違うけどお前もきっといつか高い御店で旨いもん食えるよ」みたいな見下した嫌味を言っているわけでもない。
御自分のペースで結構です。怖いものは怖いです。あなたがニャンちゅうであればあなたは人形なので食事はできない。一方でニャンちゅうはいつまでもちびっこに愛されるがイーロンマスクは幾ら金を撒いてもそうとは限らない。ところで私はイーロンマスクではない。
このぐらい馬鹿真面目に真実を話したに過ぎない。つまり私は悪夢をみる程の経験をして大怪我を負った。顔面神経が麻痺して味覚が変わった(なんでそんな「それはまた別の話」があるんだ)。
この様に明るくあの出来事を振り返り、恣意的に語ってコンテストの参考作品へのオマージュに使える未来が来るとは想像していなかった。
3.「旨い」もまた恣意的
「どんな味?」「魚は?」「肉は?」「辛いは?」「甘いは?」みな興味を示してくれた。味というのも恣意的なもので、味覚出来る範囲で旨い不味いの優劣をつけれる様になった。退院して数ヶ月はどんな魚を食べても塩鮭の血合の味がする岩を噛んでいる様な食生活に絶望したものだ。
その味覚を緻密にユニークに伝えようとすればするほど周りの人間もその恣意性を理解してくれる様になり、今では「これはお前には生臭すぎると思う」「油臭すぎるんじゃないかな」「甘いの買ってきたぞ」「ラッキョウ好きだったよな?」「お前昔兄貴の電影少女パクった?」などと理解を示してくれる。理解しようというその心遣いというか姿勢/優しさが嬉しくて、「旨い」と私に思わせる。電影少女は確かに持ち帰ったがその後で間違いなく返している。
注釈と言って話が逸れた。要するに、
私はタマから気持ちを作ります。
ではなくて、
横浜は全然治安いいだろう!!
やっと今日の話。要するに、
「治安悪い」を理解したい一心で私は散歩している。表面張力の酒の何がどう治安を乱すのか。廃刀令以前の私の御先祖様はこんな未来、想像していただろうか?していなかった筈だ。だって刀の方が怖いから。いつでもその恣意的な答えを探しているよ。交差点でも、夢の中でも、こんなとこにいるはずもないのに。
奇跡がもしも起こるなら―
「治安わっっる!」
近所のアベックが騒いでいた。道端の始末されていない糞を指して、持って帰れよと。
解明。表面張力の酒、ダジャレで白けた空気、道端の糞、「治安」それは恣意的に「風紀」である。
「風紀わっっる!」我ながら納得のいく解釈が出来た。理解/感覚がないものを味わえた時、興味や喜びが溢れ出す。そりゃあ大怪我などしない方がいい。味覚が無くなる未来など想像していなかった。しかし怪我を負ったからこそ、今、私はこんなにも世間一々に興味を以ているわけで、だからこそ知れた深い味わいがある。
だってそうでしょう。向かいのホーム、路地裏の窓、こんなとこにいるはずもないのにニャンちゅうにあってイーロンマスクにないものを考えて、刀に怯えていた御先祖様の治安を考えて、味一々に感謝し、二字熟語の意味一々を論じる為に少し齧った言語学を想起する事になる未来なんて―否。なんのはなしですかというと、
二十九歳、妹が結婚式を挙げる一方で云年越しに『電影少女』仮パクの容疑者になる。それが私の