生きるために働くでなく、働くために生きるでもなく

もうすぐクリスマス。素敵なクリスマスの思い出を書きたいところだが、残念ながら学生時代ケンタッキーで必死にバイトしていた記憶しかない。

ケンタッキーでは当時祝日だった23日・イブの24日・クリスマス当日25日の3日間は全員強制でシフトに入れられた。
気合いの入ったお客さんは10月には予約を済ませて来るし、予約してないお客さんは1時間待ちでも並んでチキンを求めにきていて、接客でさばいてもさばいても長蛇の列は続いていた思い出がある。

そして大学卒業後、最初に就職したマッサージの会社は盆暮れ関係なく、8月10日から20日と、12月25日から1月5日までは全社員強制出勤だった。
次に就職したエステ会社は三が日は休めたけど、それ以外は毎日9時から22時まで働き詰め。

ある日の閉店後、暗い店舗でひとり合わない売上金額を計算していた時ふと「この生活が一生続くのだろうか」という考えが浮かんでゾッとした。
同じ大学で一緒だった子は結婚・出産したり、家や車を買ったり、海外に行ったり活躍している。彼女たちは会社やパートナーに大切にされて、人生を順調にステップアップしているような気がした。

このままじゃダメだ。でもどうしたらいいのかわからない。

そんなとき上司が「コーチングというのがいいらしいから、習ってみたら?」と勧めてくれた。
なぜコーチングをクライアントとして受けてみればではなく、コーチングを習ってみたらと勧めてくれたのかわからないけど、なんとか3日間の休みをもぎ取り、CTIというコーチ養成学校の基礎コースに参加した。

CTIは「自転車だって乗らないと乗れるようになれへんやろ」という理論で、座学よりとにかく実践をさせる学校だ。
初日に参加者同士でコーチングの練習をし合う時、初めてクライアント役になった私は「自分を大切にする生活がしたい」と言ったのを覚えている。

その後、貯金をはたいてコーチングの応用コースとCTIが提供するリーダーシッププログラムに参加した。給料は少なかったものの、実家暮らしと休みが少なく支出も少なかったので、200万くらいは貯まっていたのだ。

そこで出会った仲間に、何度も何度も「仁美さんならもっといい会社に行けるって」と言われ、全く次のアテがない状態でエステの会社を辞めた。
会社を辞めた翌日に学生時代の友だちとお茶をしていて「うちの会社、事務員さんが大量に辞めちゃって困ってるのよ。仁美ちゃん来てくれない?」とそこの会社の面接を受け、それがきっかけで次第に自分を大切にする生活ができるようになった。

クリスマスの思い出からこれまでの人生をダイジェストで書き上げてみたが、本当に人生はどうなるかわからないなと書きながら感じている。

生きるために働くでなく、働くために生きるのでもなく、よりよく生きるために自分を生きる。そのための手段の1つが働くこと。

こんな当たり前のことに気づくまで何年もかかったけれど、それを体験することが私のお役目だったのかもしれないと今は思う。

大晦日もお正月も働く方々へ感謝と敬意を込めながら、私も私の役割を全うしていきたい。


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