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コスパを重視しすぎると、金運は痩せてしまうらしい

無料だからといってスーパーのビニール袋を何十枚も取っていったり、サラダバーだけで1日お店に居座ったり。
そうしたことは俗にコスパがいいと言うのかもしれないが、ある占い師の方いわく、その人の持って生まれた金運をゴリゴリに減らしてしまう行為だそうだ。

たとえば無料のものはありがたく1つだけ頂いたり、喫茶店に行くならコーヒーなりケーキなりお店にいた時間に値するくらいの注文はする。
食料を購入できること、お店にいられること、そうした感謝の気持ちを持つことで金運は上昇するとのことだった。

この言葉は、安定した役所仕事を辞められず悩んでいた頃の自分に、大きく響いた。

作家になって失敗するかもしれない、仕事が来なくて預金残高がゼロになってしまうかもしれない。でもお天道様に見られても胸を張っていられる生き方をしていれば、あんがい大丈夫なんじゃないかと思えた時、仕事を辞めた。

誰も見てない時こそ誠実に。そんな心がけで慣れないフリーランスの道を走り始めた5月の始め、事務員時代の友人3人とランチする機会があった。

銀座の穴場レストランで、おしゃべりに花を咲かせながら1,500円のパスタランチを頂き、店を出ると時計は14時前を差していた。
ちょっとお茶でもとカフェを探すもどこも満席。なんとかファミレスのガストに入店出来て、初夏の空の下、歩き疲れた腰を下ろした。

友人3人はパフェやケーキを注文。自分はそのときお腹いっぱいだったのでドリンクバー単品をタッチパネルで押し、全員の注文を送信した。その瞬間、一緒にいた友人の一人が「あっセットにすれば!」と叫んだ。

土日のガストはドリンクバー単品の場合は570円。しかし食事やスイーツとドリンクバーをセットにすると370円になる。だから友人が頼んだスイーツにセットということにしてしまえば、200円安くなる。

なんとか注文を取り消せないかとタッチパネルをいじり出す友人たちに「もう注文しちゃったし、いいよ」と、焦りながら制した。

休日の銀座の14時に冷暖房の効いた屋内で、しかも飲み物つきで休めるだけでこちらとしては御の字である。それにこんなことで金運の神様からにらまれたくない。

諦めない友人は「間違えて注文しちゃいましたってお店の人に言おうよ」と言い出したので、必死で「4人で来てるのにスイーツ3つ、セットドリンク一つじゃおかしいでしょ、お店の人に怒られちゃうよ」と説得した。
しかし年下の後輩までもが「そんなとこまで店はイチイチ見てないと思いますけど・・」と言ってくる。

本当に、単品で良いから。570円払うから、いや払わせておくれ。そういってなんとか正規価格のドリンクバーを注文した。

むろんこの物価高、お安いものには助けられている。何度近所の激安スーパー・オーケーに手を合わせたかわからない。交通費をケチって一駅歩くこともしばしばある。

だけどルールやシステムのバグを突いてお金を得ることに、自分はどうしても抵抗がある。お金よりも、何かをだましてしまった感覚が辛い。そんな想いまでして得る数百円に、価値を感じられないんだ。

コスパが大切なのはわかる。私だって「この値段でこの内容はお得だな!」という買い物は好きだ。

でもちょっと視野を広げてみると、私たちは空気や水、人との出会い、家族やご先祖さま、仕事のやりがいなど、目の前の数字では計り知れない流れの中を生きている。
ついつい目先の数字は絶対的な根拠を持っているような雰囲気があるけど、基本的に私たちは何かを受け取って、与えて、求めるという大きな循環の中を生きている。

お金の不安は今日も尽きないけれど、金運の神様への「すでにたくさんのものを受け取って、自分はいま生かされている」という感謝は忘れないようにしたい。







月曜日、お疲れさまでした。
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明日も適当にしっかりで参りましょう~。

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