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女子大卒ライターが考える、女子大の未来

女子大学が減少してるというニュースを見ました。

私はたまたま受かった大学が女子大で、そのまま進学したクチでして、女子大に特別な思い入れがあるわけではありません。
でも自分の学び舎がなくなるかもしれないというのは、ちょっと切ないものです。

せっかくなので本日は女子大卒の筆者が、女子大のメリットと未来について主観多めでつづっていきたいと思います。

そもそも女子大学とは?

明治維新で女子の高等教育の必要性が叫ばれ、1901年に日本で初めて女性が通ってよい大学が出来ました。
この時は相当反対もあったようで「女に教育するということは、子どもに包丁を持たせるようなもの」という批判もかなりあったそうです。

今でこそ女性の教育は当たり前ですが、こんな理不尽な声と戦ってきた方々が数多くいらっしゃったのですね。

ただ当時の女子大は、女性の未来に選択肢を与えるというより「男性を支える立派な妻となり、母となるために学ぶ」という空気が強かったようです。そういうことにしておかないと、女性に高等教育をすることへの世間の声を抑えられなかったのかもしれません。

女子大のメリット

それから100年の時が経ち、女性が教育を受けることは当たり前のことになっていきました。では現在女子大に行くメリットとは何なのでしょう?

トイレが綺麗、食堂が美味しい、先生方がやさしい・・

それもありますが女子大の真のメリットとは、お堅い大企業の人事にウケがいい(ただし総合職以外)ところではないかと思います。

基本的に女子大に来る子は、真面目で従順・器量のよい子が多いです。

特に地方出身の女の子はご両親から「わざわざ東京の大学に行くなんて言わないで、家から通える大学でいいじゃないか」という反対を受けながらも、「女子大に行きますから、お願いします」と、なんとか東京に出てきた意志の強い子が当時(平成後半)でも多いように見受けられました。

そんな彼女たちが望むのは、大学を卒業した後に安定して働き続けられる仕事です。
もちろん地方に帰った子もいましたが、筆者の同級生の多くがメガバンク、損保、商社の一般職・エリア総合職に就職を決めていました。

また女子大は長年「良家の子女が通うもの」というブランドが、特に昭和世代の方には強くあったように思います。
筆者は第一志望の大学に落ちて仕方なく女子大に通うことにしたのですが、落ち込む筆者の横で「うちの子が目白の女子大に!」と喜んでいた両親の顔が忘れられません。

大人しくでしゃばらない・わきまえた、でもブランドはある女の子が欲しい企業と、男性の庇護下で多少理不尽なことがあっても、一生働き続けられる職場を求める女子大生。

女子大の一般職への就職率が長らく高かったのは、この両者の利害がマッチングしていることから起きていたのではないか、と推測します。

(ちなみに筆者は超コミュ障で要領も悪かったので、女子大のメリットを享受することなくブラック企業に就職しますがこの話はまた別の機会に・・)

女子大の未来

しかし最近聞いたところによると、お堅い大企業の一般職は早慶女子の就職先・激戦区となっているようです。

古い企業ならまだ女子大卒のカードは強いかもしれませんが、器量のよい子なら女子大以外にもたくさんいるでしょうし、女性の教育が当たり前のこととなり女子大のブランドも薄れていく中、女子大の意義はどんどんなくなっているように思います。

では、女子大は今後どうなっていくのでしょうか?

もし女子大が生き残る道があるとするなら、不確実で先の見えないこの時代でも、対応できる力を育てられる場に変化していくことなのではないかと思います。

筆者が大学生の時、先生方から「とにかく何があっても会社を辞めるな」と言われていました。

これは暗に「女性は出産してキャリアが切れた後、再就職しようとしてもろくな仕事先はないのだから、蜘蛛の糸は決して離すな」と言っていたのだと思います。

ただ実際に社会に出てみると、どんなに制度の整った会社であっても、必ずしも男性と同じチャンスがもらえるわけではないことや、奥さんにサポートされてる男性と戦う限界みたいなものが見えてきます。

私の同級生は3時間睡眠で子ども2人を育てるフルタイムワーママをしていますが、過労で2回入院しました。
そうした現実に直面して「果たして本当に自分は、一生この働き方で良いのだろうか」と疑問を持ち、思い切ってレールから外れる女性が、最近多くなってるように感じるのです。

女子大の就職課はかなり親切で、本当にろくでもない学生だった筆者にも懇切丁寧に、最後まで面倒を見てくれました。おそらくあの就職課でなければブラック企業への就職も難しかったでしょう。

ではなぜそこまで女子大の就職課が親切なのかというと、一昔前までは確かに「会社に就職させれば安泰」という事実があり、女の子しかいない環境を生かし、その価値を丁寧に提供できることが女子大最大のメリットだったからです。

しかし今のいつ何がどうなるかわからないこのご時世に「絶対安泰」はありません。

聞けば関西大学では「起業入門」という、自分の価値を言語化する授業を始めたそうです。
この取り組みには、例え学生が会社を辞めた後でも、自分の名前で働けるように・個人の力でも生きていけるようになってほしい、という大学側の意志を感じます。

対して筆者が通っていた女子大は当時「面接必勝、マナー講座♪」だったり「面接でウケる!メイク講座♡」みたいな講座を学習センターでやっていました。

さすがに今はやっていないと思いますが、卒業後の学生の未来を視野に入れた大学と、ゴールが就職で止まっている大学。
女子大・共学関係なく、どちらが生き延びるかは明白ではないかと思います。


東京に行かなくても、最高峰の学びに接することが出来る時代がやってきました。

この予測不能の時代に、女子大がどうなっていくのか見守っていきたいと思います。


最後までお読みくださり、ありがとうございます。書き続けます。